犬の勉強をしているとよく参考にされる動画なのですが...
オンリードの犬同士の挨拶を映したものです
最初は通常速度で、その後スローモーションで再生されます。
左の茶色い犬が近づきながら様々なカーミングシグナルを使って、
敵意がないことをアピールしている様子がよくわかると思います。
尻尾を振り、地面の匂いを嗅ぎ、視線をわざと逸らし、
鼻の挨拶中も口の周りを舐めてますね。
一方で右の黒い犬はリードが緩んでいるにも関わらず、
前のめりになり威圧的な体勢でカーミングシグナルも見せません。
その後瞬時に状況が変わり黒い犬が歯を剥いて威嚇し、
黒い犬の飼い主さんが慌ててリードを引いたように見えます。
しかし、さらに続くスローモーションを見るとわかるのですが、
黒い犬が視線を外した瞬間、飼い主さんが先にリードを引いていますね
この動画でも分かるように鼻と鼻の挨拶が始まり、
一方がカーミングシグナルを見せていても、
もう一方のストレスシグナルが読めていないと咬傷事故に発展するケースもあるわけです。
また、リードを引くことがトリガーになってムードが急変することも多々あります。
鼻と鼻の挨拶がうまくいっても、その次のお尻の匂いの嗅ぎ合いで一方が拒んだ場合は、
そこで終わりです。
無理やり飼い主が自分の犬の身体を押さえて他の犬に嗅がせるなどというセクハラ幇助は決してしないでください。
(愛犬の信頼を著しく失います)
本来はオンリードの状態で初対面の犬同士を挨拶させるべきではありません。
十分なフライト ディスタンス(危険を感じた時、敵から逃げる為に開ける自分と敵との一定の距離)
もとれず、飼い主も信頼できない状態では、
自分が戦うしかないという過剰なストレスに晒されるのですから...
どうしても事情があって(お友達同士で今後頻繁に一緒に遊びに連れて行きたい。
新しく家族に成犬を迎えたいなど)初対面の犬同士を挨拶させる必要がある場合は、
直線的に近付けず、お互いが強いストレスを感じない距離をおいて、
弧を描くようにゆっくりと歩いてお互いの様子を見定め、
相性が悪そうなら無理やり近づけるのはやめて離れてください。
距離をとって歩きながら飼い主さん同士が穏やかに話しているうちに、
緊張がほぐれていくケースもあります。
そして双方がカーミングシグナルを丁寧に出し合っていることを確認し、
大丈夫だと確信した後にリードは緩めた状態で挨拶させましょう。
その場合もゆっくりと時間をかけて犬たちに動きを任せ、
決してリードを引いてパニックを起こさせないように...