犬の記憶は人間とちょっと違う | タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

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昔は人間と違って犬は記憶力が非常に悪く、

数秒前のことしか思い出せないなどと言う動物行動学者がいました。

 

記憶にも色々あって確かに短期記憶という直前に見た数字などを覚えるような能力や、

長期記憶の中でも意味記憶のようなものは人間のような言語を持たない犬には苦手でしょう。

 

しかし長期記憶の中でもエピソード記憶手続き記憶については、

人間より犬の方が優秀かもしれないと感じることも少なくありません。

 

高機能自閉症の動物学者テンプル・グランディンの話からも分かるように、

動物は自閉症患者のように物事を画像的映像的音声的嗅覚的、パターン的に記憶していてその画像や匂いやパターンに恐怖・嫌悪感・喜び・興奮などの感情も関連付けしていると推測できます。


 

そのため、人間からみると「なんで突然怒り出したんだろう?」とか、

「なんで急に逃げ出したんだろう?」と感じる突飛な行動が起きたとしても、

それは過去に強いインパクトと共に焼きついた画像的・映像的記憶を、

瞬時に思い出したからと解釈できます。

例えば、私の知る保護犬のググは『ハサミ』や『白衣』を見ると異常に興奮し、

トリミングしようとするとトリマーさんが血を流すほど咬みついたのですが、

普通の服でバリカンでのトリミングには全く恐怖を感じていませんでした。

 

それは白衣を着たクリニックのトリマーさんに、

ハサミで耳を切られた時の記憶がフラッシュバックするかららしいことが、

元の飼い主の話から分かりました。

そして今いる場所がその動物病院ではなく、

ハサミを持っているのがそのトリマーさんではないなどという、

論理的な違いなど関係なく瞬時に反応してしまうのでしょう。

 

弁別が得意な犬ですらその時のトラウマが強烈だと、

映像や匂いからいくつかの共通点で恐怖がフラッシュバックしてしまうのです。


これほど強烈な経験でなくても、犬は人間と違って不思議な記憶力を持っています。

 

タンタンは何週間も前に一度だけ通った道を正確に辿って行けるのですが、

人間が「コンビニの2つ先の角を右折して3軒目の白いマンション」などと憶えているのに対し、

グランディンさんの言うように犬は次々に脳裏に現れるGoogle画像検索で出てきたような連続画像を詳細に思い出し、

立体的な匂いの情報とともに記憶を引き出して辿っているのでしょう。

 

 


よく、車で遠方まで連れて行って捨てた犬がうちに帰ってきたという話を昔聞きましたが
それも窓からみていた景色や匂いを記憶していたのかもしれません。

会ったことがない犬に対して警戒したり、怒りを感じたりするのも、過去にドッグランなどでいじめられたのと似た容貌や匂いを持つ犬種なのかもしれませんね。

 


そこがドッグランと遠く離れていて、

同じ犬である可能性はほぼないなどという論理的な判断は犬はしません。


視覚・嗅覚・聴覚から瞬時に呼び起こされた映像的記憶、

そこに関連付けされた感情を元に判断と行動は瞬時に行われます。

このような一般的な人間の記憶パターンと犬の記憶パターンの違いを意識しながら見ていると、犬の不可解な行動の理由も少しは理解できるのではないでしょうか?

そして、人間的な感覚でその行動を短絡的に叱ってはいけないことも…

 

 

ぜひ下の動画の設定を日本語字幕にしてご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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