ハズバンダリートレーニングとは | タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

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近年、世界中の動物園では麻酔で眠らせて採血をしたり、

押さえつけて治療行為をするのではなく、

動物たちが自発的に協力してくれるよう慣らしていく訓練法が広まってきています。

(そもそも野生動物を捕獲して動物園で見せ物にすることが好ましいとは思いませんが)

 

これを『ハズバンダリートレーニング』と呼んでいます。

 

おとなしい動物たちだけでなく、ライオンやキリン、イルカやシャチなども

このハズバンダリートレーニングで健康管理や継続的な治療が容易になり、

今まで難しかった野生動物たちの長期飼育が可能になってきています。

 

やり方としてはクリッカーなどと食べ物を使い、

身体を近づけてきて検査や治療が可能な体勢で止まり、

注射や治療が終わるまで動かないでくれるというところまでを、

スモールステップ法で根気強く行動をマークしながら報酬を与え

徐々に最終目標の行動に近づけていく方法が多いようです。

 

 

下の動画はデンバー動物園におけるハイエナのトレーニングの様子です。 

(ここまでできるようになる過程がトレーニングなのですが)

 

飼育係の人がハンドサインで指示を出し、

狙った行動が出た瞬間に笛でマークして、

その行動が正しいことを伝え、報酬としてお肉を与えています。

 

座れや伏せだけでなく、口を開いて歯を磨かせてくれたり、

体をフェンスにくっつけて注射しやすくしてくれますね。

 

 

 

 

ハイエナを体罰で躾けようとしたらどうなるでしょうね?

 

犬は穏やかで従順で器が大きいから人が怒鳴っても叩いても咬み殺さないでいてくれますが、

他の動物に恐怖や暴力で言うことを聞かせ続けることなどできません。 

 

力の弱い動物は常に逃げようと試みるでしょうし、

力の強い動物もじっと我慢などしてはくれません。

 

小さい頃から厳しく躾けても、

大きくなって自分の方が強くなれば機会を見て報復されるのがオチです。

 

だからこそ、やるかやらないかを動物がわに委ねるという概念が必要となります...

 

脅したり強要したりせずに、動物がいつでもやめられる状況で、

自発的にやりたいという気持ちを育てる、

人道的かつ「動物福祉」(アニマル・ウェルフェア)に則ったトレーニングだけが、

私たち人間に許されたトレーニングなのだと思います...

 

みなさんも、犬を無理やり押さえつけて爪切りしたり怒鳴りながらブラシしたりせずに、

ハズバンダリートレーニングに挑戦してみませんか?

 

 

下の動画はキャットインストラクターの坂崎清歌先生の舌クリッカーを使った歯磨きトレーニングです。

このように少しづつ少しづつスモールステップで馴化(じゅんか)させていきます。

 

ハズバンダリートレーニングはクリッカートレーニングをベースに行われているので、

まずはクリッカートレーニングを学ぶことをお勧めします。