タイムアウト法 | タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

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人間の子どものしつけ法に『タイムアウト法』というものがあります。
遊んでいる最中などにお友達に乱暴をしたり、ルールに従って遊べないなど、

何か好ましくないことをした子どもを一時的に部屋の隅に椅子を置き座らせて参加させないという手法です。

 

これは行動分析学的には『負の弱化』といって、ある行動をすると『タイムアウト』によって楽しいことができなくなってしまうので(その行動を)しなくなるという教育方法だと言われています。


しかしこの『タイムアウト』もやり方には細かなルールがあります。

 

まず、タイムアウトを宣言した後その子供には一切声をかけたり視線を送ったり叱ったりはしません。


タイムアウトの時間はその子供の年齢あたり1分です。(3歳児なら3分間)
終わっても褒めたり叱ったりはしません。

 

 

この手法が仔犬のしつけに使われることがあります。
遊んでいる最中に興奮して甘嚙みした時などにピタッと遊ぶのをやめて

『噛むと楽しい遊びが中断される』ということから『噛む』という行動を減らしていく方法です。

 

ただ、人間の子どもでも年齢当たり1分だということを考慮し、仔犬には十数秒で充分ですし、

そこに『叱り』『体罰』は加えてはいけません。


また、サークルに入れるとか別の部屋に隔離するなどの行き過ぎた『罰』にしてしまうとまるで効果が違ってきてしまいます。

 

仔犬は罰を逃れるために抱かれることを避け、逃げ回ったり余計興奮したりして、
新しい困った行動が強化される可能性の方が高くなります。


つまり、こういう心理学を使った教育はきちんとその理屈やルールを理解した上でやらなければ、効果がないだけでなく逆効果になる危険な行為なのです。

 

 

獣医さん(特に年配の)などに『甘嚙み』の相談などをすると、どこからか聞きかじった「げんこつを口に押し込めばやめる」とか「咬んだらすぐ遊びを止めてサークルに入れて当分反省させろ」などと教えてくれるケースもありますが、大昔の間違った手法で現在ではまともなトレーナーは誰も勧めません。

 

人間の子供に対するしつけ法としては近年はタイムアウトよりもタイムインという手法が取り入れられています。

 

他の子どもに対して悪さをした時に無視したり罰したりするのではなく、寄り添って話を聞いてあげるという方法です。

 

感情を吐き出した子どもが落ち着いてきたら一緒にどこが悪かったかを考えることで、根本的な原因を探ります。

 

これも仔犬のトレーニングにうまく流用する方法があるかもしれませんね。