犬の心を壊す心理学的手法 | タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

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皆さんは『ストックホルム・シンドローム』という言葉をご存知でしょうか? 

 

1973年8月23日にスウェーデンの首都ストックホルムのノルマルム広場にある信用銀行クレジットバンケンに2人の男が押し入り、サブマシンガンを取り出すと4人の行員を人質に5日間たてこもった事件がありました。

 

普通に考えれば、人質にされた者たちは犯人に恐怖と憎しみ、そして怒りを感じると思うでしょう...

 

ところがそうではなかったのです。

 

監禁された状態で長時間極度の恐怖を感じ続けた人質たちは、

恐怖を与えている相手に対し「この人は正しい!」「自分はこの人が好きなのだ!」

という共感や好意を感じるようになってしまったのです。

 

そして犯人に協力して警察に敵対する行動さえとったのでした...

 

このような異常心理は「ストックホルム症候群」と呼ばれ、

暴力をふるうDV夫に対し愛情を感じる妻なども同様な心理によるものだと考えられています。(ドメスティック・ストックホルム・シンドローム)

 

 

これと、やはり監禁状態で延々ひどく叱ったり叩いたり(吊ったり)リードショックを与えたりして、「何をしても無駄なんだ」という絶望、『学習性無力感』という状態に陥らせた後に、気持ちが悪いほど褒めるを繰り返す、『洗脳』の手法を組み合わせて精神崩壊を起こさせるというのが、強制服従訓練系の預託施設で行われている『不服従な犬の矯正訓練』です…

 

 

(これに以前お話しした『愛情遮断法』という無視・監禁を組み合わせて完全に犬の心を壊します)

 

 

個体差はあれ犬は人間に比べ比較的容易に洗脳され、

恐怖暴力そして安堵を交互に与え続ける訓練士に好意を抱くようになるようです。 

 

勿論、多くの訓練士はそれが洗脳の手法だと知らずにやっており、

『ストックホルム・シンドローム』という心理効果も理解していないでしょう。

 

でもやっていることはこの心理の応用であり、非倫理的で残酷な方法であるのは確かです。 

 

戻ってきた愛犬がすっかりおとなしくなっているのを見た飼い主さんたちは、驚き感動し虐待訓練士を救世主のように崇めます...

 

虐待を受けていた犬自身がその訓練士に対しまるで恩人のような好意を見せるので、

飼い主もすっかり騙されてしまいます。

 

どうやってそのように矯正したのかなど考えもせず、愛犬が何をしても唸らず噛まなくなったことですっかりその訓練士を信用し、多くの飼い主たちにその奇跡を伝えようとします。

 

 

ただし監禁から解放された後も同様のストレスを与え続けなければ、洗脳というものは徐々に解けます。 

 

つまり、飼い主はいつ洗脳が解けた愛犬から怒り憎しみを向けられるか分からない危険な状態で生活しているということなのです。

 

そのため、訓練士は家庭でもこの虐待を継続するようにと実際に見せて指導します。

(この動画は飼い主さんに『吊り上げ』という体罰のテクニックを教えている様子です)

 

 

チェーンではなく、竹の棒を合わせて作った「おしおき棒」を飼い主さんに渡して、叩き方まで丁寧に教える訓練士もいます。

 

結局、犬を穏やかな性格に変えたのではなく犬を恐怖と洗脳で支配しただけなのです...

 

 

自分には手に負えない...

自分は犬の専門家ではないのだから...

 

そういって悩みの種の犬を「咬み犬専門」「問題行動の専門家」などと肩書きをつけている人たちに安易に預けないでください。

 

「難しいことは専門家に任せれば?」「餅は餅屋」などという言葉に惑わされないでください。

 

「自分は幼児の専門家ではないのだから」とイヤイヤ期の子供を児童自立支援施設に預けるようなものです!

 

 犬を受け入れたということは、家族みんなが犬について学び理解しなければいけないということです。 

 

 

そもそも仔犬が人を甘噛みしたり、家具を噛んだり、他の犬と遊ぼうとして興奮したり、落ち着きなくはしゃぐのは、なにも異常なことではなく当たり前のことです!

 

それを「放っておいたら手がつけられなくなりますよ」などと言って預託訓練を受けさせようとするのは、悪どい訓練士の罠です。

 

貴方の仔犬は異常ではありません。 

 

何十万円も払って家族を嗜虐趣味(しぎゃくしゅみ)の悪魔の手にゆだねないでください。

 

そして口車に乗せられて家族を虐待しないでください。

 

そんな方法を使わなくても飼い主が犬についてよく学び、

正しく心理学に則ったトレーニングをすれば、

穏やかに暮らせるようになるのですから…