結論から申し上げますとフィリピンで家を建てるという事は、至難の業です。

まともな家を建てようと思ったら、多くの、大変な困難にぶつかることを覚悟した方が良いと私は思っています。

 

私は建築には全くの素人ですが、日本の家を建てた時に、親類の大工に頼んだという事もあり、建築関係の本を読み漁ったり、住友林業ホームテック等の住宅建設会社等の建築中の多くの住宅を観察して、設計段階から、基礎工事を含めて、コンセントの位置のような細部にわたって、全ての工程に深く関与し、完成までの6か月間、ほぼ毎日のように、建築現場に足を運び、全工程を観察しました。

 

この経験と現在の我が家を建てる前にフィリピン流の現地の家の建築をつぶさに見て、経験する機会が2回あり、その経験が最終的には役に立ったのかなと思っています。

 

こういう経験のある私ですが、もう2度とフィリピンで家を建てる事に関与したくありません。

仮に日本の方から、2~3百万円出すから、建築の監督だけやってほしいと頼まれても、絶対に引き受けません。

それ程、フィリピンでの家の建築は、想像を絶する大変なことだと私は思っています。(予算がふんだんにある方で、一流の建築会社に頼んだ場合は別です)

 

私の知り合いの外国人が超豪邸を建築しましたが、建築中に私に嘆いていました。一流と思われた大工の棟梁達をセブ市から呼び寄せたが 基本的な事も指摘しないと、キチンとやらない事があり、目が離せずに大変。 私も建築中で、全く同感しました。

 

以下、私が体験して感じた、家の建築に関する事を書きます。

 

1ー我が家は、私が基本的な設計図らしきものを作成して、役所に無届けで大工の棟梁に建築させましたが、これは違法で、通常は設計図を提出して、建築確認書をとる必要があります。

 

2ーただ普通のフィリピン風の庶民の家では、殆ど建築確認申請をしている家はないと思います。

 

3-また設計図と言っても、日本のように設計図自体がキチンとしているようには思えません。普通の家の場合、実際の建築ははかなり大雑把で雑ではないかなと思います。また設計図と全く違った家になっても、普通の家の場合は問題ないと思います。

 

4ー家のキチンとした設計図は多分、大工は書けないと思います。 役所所属のエンジニアか役所にコネのあるエンジニアに頼む事になると思います。

 

5ー一番難しいのが良い棟梁を見つける事です。 棟梁次第で、まずまずの家が出来るか、欠陥だらけの家になるかが決まるように思います。

 

但し、どんなに良い棟梁であっても、重要なポイントは自身でチェックする必要があり、これが最も大事で、最も難しいところでもあるように思います。

 

6ー私は結果的には良い棟梁を見つける事に失敗して、家の完成まで大変な苦労をする事になった訳です。 

 

7-その最大の原因は家族、家内の強い要求を受け入れて、身内の大工や近所の大工を雇ってしまった事です。私には今でも判りませんが、金を出すのが自分たちでない場合、彼らにとっては自分の大切な家をしっかり建てる事よりも、親族知人達に仕事を与える事のほうが遥かに重要な事のようです。(今は家内は当時の私の苦労を少し理解しているようです)

 

8-家を建てる際、基本的に決して身内の大工やヘルパーを雇ってはいけません。

場合により、他の大工やヘルパーにも、多大な悪影響を及ぼします。

 

9ー私の場合は何故、失敗したかというと、彼等はフィリピン人の住宅建築の経験しかなく、外国人の家を建てた経験が全くなかったことです。

 

つまり屋根もトタン屋根か、ニッパの屋根で、屋根材も殆どがココナッツの材木を使った、極めて軽い屋根材しか使った事がなく、我が家で使った重い鉄骨の屋根材やトタン板と違い重量のある屋根材などを使った経験がない為、肝心の屋根の重量に耐えるだけの主柱の数も太さ=強度も不足していたうえ、台所の窓の位置の問題で、主柱の一つを途中で切断までしてしまい結果的に、重量のある鉄骨の屋根材を載せた段階で、既に出来上がっていた部屋の壁面に、重さに耐えられずに歪みが生じており、屋根材の鉄骨業者も、見るに見かねたのか、それとなく私に、壁面のセメントをもっと厚くしたほうが良いとアドバイスを受けて、改めて、屋根材の重量に耐え切れずに既に崩壊寸前で一部の壁が歪んでいるのを自身で確認して、正に青天の霹靂のごとく絶句しビックリしました。

 

 ここまで、やけに壁のセメントを厚くしているなと思っていましたが、今迄、私には一切棟梁から何の話もありませんでした。私自身ここまで、まさかこういう建築の経験がないなど思ってもみなかったですし、彼らも一切私には話していません(最後までその様な事は言いません)

 

 私は直ぐに屋根の鉄骨業者に工事の一時中止を申し入れて、棟梁を呼び、壁面の歪みを確認させて、このままではいずれ倒壊する事、全ての工事を中止し、私が指示する3か所に、新たに1周り太い主柱を早急に設置する事を申し付けました。

 

  そしてこの後は全ての工程を私自身でチェックして全ての指示を出しました。  屋根の断熱材、屋根の通風孔の材料、取り付けの位置を含めて、ほとんど全ての事に関与せざるを得ないませんでした。またトイレ、洗面所、台所の流し台等の水回りの製品の購入、そして実際の取り付けから配管まで、素人の私自身で、やらなければなりませんでした。

 

事前に私がこれ等水回り製品を購入する為、棟梁達を購入店に連れていき説明していた時には、彼等は、経験がないとか、これ等の製品を取り付けた事が無いから判らない等一切私には言わずに、いざ取り付ける段になって、英語の説明書も判らず、何日間も右往左往しているのを見てビックリしました。

 

1昨年のスーパー台風Odetteでも、幸いな事に我が家はほぼ無傷の状態にて、心配して我が家の様子を見に来てくれた、外国人の友人達も驚いていましたが、一番ホット

したのは、私自身です。

 

今回はここまでにします。

 

下の写真は、我が家の写真です ゲート側で、北側と思います

前の空き地は、政府の所有地です

 

南側の居間側です

 

ゲートから見た玄関兼テラスです

 

西側のバックスペースです

 

 

テラスです。朝夕ここで下を通る人々を見ていたり、夕空や夜空を観ています

 

テラスの下の植木類です。家内の母親が世話をしています

 

明日はセブ市に行く為、ブログは休みます

 

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