京阪電鉄 2200系 車体更新車 | 鉄道車内空間のブログ

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今まで撮ってきた鉄道車内画像を、個人的な感想を入れながらマニアックに紹介します。

高度経済成長期の中で、京阪線の乗客増加に対応するために1964年に登場しました。当時の普通や区間急行に投入されていた2000系2次車をベースとしつつ、急行や準急運用に対応できる性能を持って製造されました。また、新製時のコストを下げるために、当初から付随車を組み込み、1968年まで増備が続き、98両が製造されました。

1971年からは急増する乗客に対し、7両編成化とそれに伴い、一部先頭車の簡易的な運転台撤去が行われています。7両化に伴い3両が余剰車となりましたが、2000系に編入され、のちに2600系に改造されています。

1974年から1976年にかけて1500V昇圧対応工事と冷房化が行われ、下枠交差型パンタグラフと140KVAMGへの載せ換えが行われました。

7両化に伴い4両編成で残っていた2210編成については、1982年に2600系の2629編成3両と併結し、7両編成で運用されました。

1984年からは大規模な車体改修工事が施工され、前面窓の固定窓化、貫通扉の非常口化、前面種別、行先表示機の取付け、扉開時の自動放送及び戸閉ブザの設置、簡易的な運転席撤去車の完全客室化等が行われています。改修工事第4編成目からは前面窓の金属枠支持化、標識灯・尾灯が交換されています。1987年4月以降の改修工事では制御器の載せ換えが行われ、抵抗制御から回生ブレーキ付きの界磁添加励磁制御方式に変更されました。1988年には2210編成に車体改修工事が行われ、併結の2629編成にも2200系と同内容の車体改修工事が行われています。

1985年には1500V昇圧化に伴い、朝ラッシュ時の樟葉→淀屋橋間の急行8両化が開始され、2630系をベースとした2380番台付随車5両が新製されました。

1989年から1990年にかけて2217編成は国際花と緑の博覧会PR用として白地に緑ラインの「みどり号」として運用されました。

2008年からは新塗装化が始まり、2014年には前照灯のLED化と新型ATS搭載工事が施工されました。

廃車は2007年の余剰車から始まり、現在では2209・2211・2216・2226編成の4編成28両が活躍しています。

車体改修工事初期グループにあたる2225編成です。前面ガラスのHゴム支持、標識・尾灯が新製時のままとなっています。

車体改修工事第4編成(2224編成)以降は前面窓の金属枠支持化、標識灯・尾灯が交換されています。

2270号車は1993年の事故により、非常時貫通扉が2400系デザインのものと交換され、2015年の廃車までこの姿で運用されました。

旧塗装時代の車体改修車(初期グループ)です。

旧塗装時代の第4編成以降の車体改修車です。

旧塗装時代の2270号車です。

2210編成の大阪寄り3両は2600系の2629編成と併結され、7両編成で運用されました。この2629編成は2200系と併結が前提で製造されたため、2210編成が車体改修を受けた際に、同時に2210編成と合わせた内容で改修工事を受けています。後年は2218編成と組成し、2009年に新塗装化もされることなく廃車になりました。

京都向き先頭車の2200形制御電動車です。車体改修時に主制御器の1C8M化が行われています。

京都寄りから2両目に連結される2300形電動車です。

京都寄りから3両目に連結される2350形付随車です。一部に編成は元先頭車の2350形を連結した編成もありました。

京都寄りから4両目に連結される2350形付随車です。写真の手前が元運転席の部分で、妻面に先頭車の面影が残っています。大阪側には簡易運転台が装備されており、妻面に構内入換用の標識灯が付いています。現存する編成では2209・2211・2216編成に組み込まれています。

2226編成の4両目に連結される2350形の2367号車です。この編成は2200系で唯一中間運転台を組み込まない編成で登場しています。大阪寄りに簡易運転台を装備しています。

京都寄りから5両目に連結される元先頭車の2300形電動車です。

2226編成の京都寄りから5両目に連結される2300形2327号車です。

京都寄りから6両目に連結される2300形電動車です。

大阪向きの2250形制御車です。

それでは客室のご案内です。1964年・1965年に製造された初期グループの車内です。現存する編成は2209・2211編成(2209編成の2316号車除く)となります。

扉間の座席は8人掛けとなっています。

袖仕切りはパイプ構成ですが、背ズリとフトンの端部を隠すようにパネルが設置されています。

1966年から増備されたグループは扉部分の立ち席スペースを広く確保しています。現存するのは2216・2226編成と2209編成の2316号車となっています。

座席は6人掛けとなり、背ズリと座布団が一体モノとなりました。

京都向き先頭車2200形初期車の客室です。

京都向き先頭車2200形後期グループの客室です。

2200形初期グループの乗務員室仕切り部です。仕切り窓が大きく取られているため、前面展望が良好です。近年では車掌側に新型ATSの機器箱が設置されました。

乗務員室仕切り部の座席は3人掛けです。運転席後部の窓は仕切引戸の戸袋側となっているため、下部が摺りガラス仕上げとなっています。現存する車両は2209・2211号となります。

2200形後期グループの乗務員室仕切り部です。

戸袋部分が立ち席スペースで取られたため、座席は2人掛けです。運転席背面の仕切りガラスを交換したのか、摺りガラス仕上げの所が白くなっています。現存する車両は2216・2226号車です。

2200形大阪寄りは優先座席の区画となっています。

初期グループの座席は5人掛けです。

2200形後期グループの大阪寄り車端部です。

4人掛けの優先座席です。定期検査で入場した時期により、優先座席のモケットが変更されています。

京都寄りから2両目の2300形の京都寄り車端部は一般席となっています。京阪線では京都寄りから2両目は弱冷房車に設定されています。

初期グループの座席は5人掛けです。

後期グループの2300形京都寄りの車端部です。

4人掛けの一般席です。

2300形大阪寄りの優先座席区画です。中間車は貫通扉横に消火器収納箱が設けてあります。

初期グループの5人掛け優先座席です。

2300形後期グループの大阪寄り車端部です。

4人掛けの優先座席です。

京都寄りから3両目に連結される2350形の京都寄り車端部です。この車両は京都寄りに消火器収納箱が設置されています。

後期グループの2350形の京都寄り車端部です。

2350形初期グループの大阪寄り車端部は優先座席の区画です。

2350形後期グループの大阪寄り車端部です。

基本的に2200系の編成分割位置は京都寄りから4両目に連結されている2350形と5両目の2300形の間ですが、2217・2223・2225編成に連結されていた2375・2352・2365号車は分割位置が3両目と4両目の2350形の間に設定され、妻窓下に点検扉が設置されています。2217編成についてはこの位置に元先頭車の中間車化改造を施工した2375号車が連結されていました。現在ではこのパターンに該当する編成は全て廃車となりました。

京都寄りから4両目に連結される2350形の京都寄り車端部です。車体更新時に元運転席を客室化にした車両は、この部位に消火器収納箱が設置されています。

後期グループの2350形京都寄り車端部です。

2217・2223・2225編成の2357・2360・2366号車はこの部位に簡易運転台が設置されていたため、妻窓下に扉が設けてあります。

元大阪向き先頭車を客室化を施工した2350形初期グループの車端部です。編成分割位置となっているため、簡易運転台が設けられました。

妻窓形状に元運転席の面影が残ります。この形状で現存するのは2209・2211編成に組み込まれた2371・2369号車です。

元運転席部分には幅が狭い窓が設置されました。初期グループの座席は5人掛けです。

後期グループの元先頭車の2350形です。現存するのは2216編成の2377号車です。

2377号車の座席は4人掛けです。

固定編成で登場した2226編成の2367号車は中間車として誕生しており、新製時から簡易運転台が設けられています。

2217・2223・2225編成の2357・2360・2366編成は京都寄りに簡易運転台を設けているため、この部位には消火器収納箱が設置されています。

京都寄りから5両目に連結される2300形の車端部です。元運転席の客室化が施工された初期グループの車両で、2350形と同様の内容で改造されています。車掌側の妻窓は従来のサッシ窓が再用されています。客室化が施工された2300形の妻部の仕上げは数パターンが存在しており、後程紹介いたします。

初期グループは5人掛けの座席です。

元先頭車の2300形後期グループにあたる2216編成2340号車の京都寄り車端部です。元車掌台側に消火器収納箱が設置されています。

座席は4人掛けです。

2226編成の2327号車の京都寄り車端部です。新製時から中間車として製造された車両で、編成分割位置になっており、妻窓下に小さな点検扉が設けられています。

2300形初期グループの大阪寄り車端部です。

2300形後期グループ2340号車の大阪寄り車端部です。客室化をした京都寄りに消火器収納箱が設置されたため、この部位にはありません。

京都寄りから6両目に連結される2300形初期グループの車端部です。2両目に連結されている2300形と同じ構成です。このタイプでこの位置に連結される現存車両は2211編成の2303号車のみとなっています。

2300形後期グループの車端部です。

2300形2303号車の大阪寄り車端部です。

2300形後期グループの大阪寄り車端部です。

大阪向き先頭車2250形初期グループの客室です。現存する車両は2259・2261号車です。

大阪向き先頭車2250形後期グループの客室です。現存する車両は2262・2276号車です。

2250形初期グループの京都寄り車端部です。

2250形後期グループの京都寄り車端部です。

2250形初期グループの乗務員室仕切り部です。

座席は3人掛けの優先座席です。

2250形後期グループの乗務員室仕切り部です。

座席は2人掛けの優先座席となっています。

客室天井はレール方向に吊手、蛍光灯、中央天井部には横流ファンが装備されています。

蛍光灯はカバー付きです。

蛍光灯カバーが薄型に交換されている車両もあります。

中央天井部に装備されている回転グリルです。京阪電鉄の社紋が取り付けられています。

スピーカーカバーにも京阪電鉄の社紋が入っています。

初期に車体改修された車両は跳ね上げ式吊手が装備されていました。

荷棚は車体改修時に金網に交換されています。先端部はグリップ機能を備えており、混雑時に対応しています。

側窓は2段式で上段のみ開閉が可能です。登場時は下段も開閉が出来ましたが、現在では固定されています。

側窓カーテンはフリーストップ式となっています。

優先座席部分のカーテンはピクトグラム入りに交換されています。

初期グループの側扉周辺です。側扉部分の吊手は短いものが取り付けられています。

後期グループの側扉周辺です。混雑緩和のために立ち席スペースが広げられています。

鴨居は化粧板仕上げです。

一部の車両の鴨居は塗装仕上げもあります。また、広告も鴨居裏側から挿入するようになっています。

側扉のガラスは客室側からの押え金で固定されています。扉は上部が塗装仕上げ、下部は化粧板仕上げとなっています。

側扉部分の床面は滑り止めマットが溶着されています。

先頭車と大阪側の妻部です。新製時は開閉が可能であった2段窓は固定化されています。以前は妻窓にもカーテンが装備されていましたが、現在では撤去されており、名残りとしてカーテンキセが残っています。

中間車の京都寄り妻部です。機器配置の関係で上部は張り出ています。

貫通引戸の取手です。

2225編成の取手は登場時からの丸みを帯びた形状でした。

運転席を客室化した2350形の妻部です。先頭形状を丸妻のままでのこしたため、上部の張り出しも通常の中間車より大きくなっています。

妻窓は従来の運転席窓のサイズを流用しています。

運転席を客室化した2300形の妻部です。

妻窓は車掌台側の2段窓をそのまま流用しています。窓下には機器盤の点検扉が備わります。

妻窓下の点検扉が小さいタイプの2300形妻部です。

窓下に小さい点検扉+消火器収納箱が設置された車両もあります。

分割位置を解かれた2300形は妻窓下に機器類は設置されていません。

新製時からの中間車に装備されている消化器収納箱は塗装仕上げです。

車体改修時に新設した車両は化粧板仕上げの消化器収納箱が装備されています。

床敷物は濃緑色となっています。電動車にはMM点検用の上げ蓋があります。

連結部の渡り板は2枚構成です。

運転席を撤去した部分の渡り板は車体形状に合わせているため、貫通引戸の下レール部分の幅が広くなっています。

2200系の運転台です。車体更新時に通路との仕切引戸は撤去されていますが、機器配置を大きく変更していないため、仕切り壁が残っています。

2222・2223・2225編成は新製時からの骸骨型標識灯を装備していました。車体改修時に前面行先表示器が新設されました。

車体改修第4編成にあたる2224編成以降は初代3000系や6000系に装備された形状の標識灯に交換されました。

車体改修時に種別と行先が別になった表示器に交換されています。

新製時のホロは合わせホロ(2600系の外吊装置無し)を装備していましたが、車体更新時にホロ枠延長とホロの交換が行われました。2000年からは転落防止ホロの設置も行われています。

運転席の客室化を行った2350形(左)と従来からの中間車2350形(右)です。

電動車はエコノミカル式KS-73形を履いています。

付随車は側梁緩衝ゴム式のFS-337形を履いています。一部の2350形付随車にはKS-73形を履いた車両も存在します。

特急運用に入る2211編成です。

車体改修初期グループの2225編成です。