君は
何を思い
二度も振り返ったのだろうか

不意に
君が現れて
僕の名前を口にし
何かに怯えるように
その場を去った

階段へと続く
細い道を歩む君は
若々しい背中を僕に向け
歩んで行った

何だか
オルフェイスの妻の気持ちが
痛いほど良く分かったんだ

たとえ
黄泉の国から戻れなくとも
君の視線を
流すことはできなかった





失くしたものが
多すぎるから
常識とやらに
固まってしまってるから
傷つく勇気すらないから
僕は
君を疑うのだろう