仕事の覚え書き《カサンドラ症候群》 | *hanako*のブログ

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カサンドラ症候群とは、家族やパートナーなど生活の身近にいる人がアスペルガー症候群(現在の診断名は自閉症スペクトラム障害、以下ASD)であることが原因で、情緒的な相互関係を築くことが難しく、心的ストレスから不安障害や抑うつ状態、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの心身症状が起きている状態を指す言葉です。
世界的に広く用いられている精神疾患の診断基準『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)には記載がなく、正式な疾患名ではありません。カサンドラ症候群以外にも、「カサンドラ情動剥奪障害」「カサンドラ状態」などと表現されることもあります。
また、カサンドラ症候群の原因となるアスペルガー症候群も、診断基準の変更により、現在では自閉症スペクトラム障害に含まれています。

語源となっている「カサンドラ」は、ギリシア神話に登場するトロイの王女の名前です。未来予知の能力がありながらその言葉を誰にも信じてもらえないという境遇を持つことから、「身近な人間関係での不条理な状況に置かれ、社会から理解をしてもらえない」ことによる状態を指す言葉として、心理療法家シャピラによって1980年代に名付けられました。



カサンドラ症候群の特徴・症状とは

ASDやカサンドラ症候群に関する研究が多くある英国の心理療法家マクシーン・アストンによると、カサンドラ症候群には以下3つの要素があるとされています。
1. 少なくともいずれかのパートナーに、ASD特性などによる、共感性や情緒的表現の障害がある

2. パートナーとの関係において情緒的交流の乏しさを起因とした激しい対立関係、精神または身体の虐待、人間関係の満足感の低下がある

3. 精神的もしくは身体的な不調、症状(自己評価の低下、抑うつ状態、罪悪感、不安障害、不眠症、PTSD、体重の増減など)がある

さらに、先ほど出てきたカサンドラ症候群の命名者シャピラの定義では、ここに「その事実を他の人に伝えても理解をしてもらえない、信じてもらえないこと」が加わります。

カサンドラ症候群は相手との関係性から生じる状態で、非常に多様な原因やきっかけがありますが、「ASDのある家族やパートナーとの情緒的交流の乏しさからの関係性の悪化、またその事実をパートナーも周囲も理解せず、当人が苦しみを抱えたまま孤立した状態に置かれること」が、大きな原因となることは共通しています。
「当人が苦しみを抱えたまま孤立した状態に置かれること」とあるように、ASDのパートナー側や周囲が問題を認識しにくいことが、カサンドラ症候群の原因を見えづらくしているという指摘もあります。
ASDのあるパートナーが一定以上の社会適応性を身に着けている場合、職場などの外向きの環境ではうまく行っているものの、家庭や身近な人とのプライベートな空間の中でのみ関係性の悪化が起きるケースがあります。パートナーや家族だけがそのつらさを感じている場合、外側からは見えにくいのです。
そのため、問題に直面しているカサンドラ症候群の当事者側の問題が軽く扱われたり、否定・批判されたりするなど、さらに強いストレスにさらされることもあります。


カサンドラ症候群になりやすい人の傾向とは?


ASDの発現は男性に多いため、パートナーとなる女性側にカサンドラ症候群の発生割合が高いと言われています。ですが、必ずしも女性だけがカサンドラ症候群になるとは限りません。性格的には、真面目、几帳面、完璧主義、忍耐強い、面倒見が良いなどの事例が多いようです。
ASDのあるパートナーが、社会性に欠けた言動をしたとしても、怒ったり放り出したりせず我慢し受け入れようとする忍耐強さがうまく機能せず、偏った関係性が固定化して、カサンドラ症候群へと進行してしまうことがあります。


カサンドラ症候群の治療・対処法とは?


カサンドラ症候群の治療法として、まずは症状として現れている抑うつ症状や不安障害について、薬物療法や認知行動療法などによるアプローチをすることが可能です。
ただ、それはあくまで対症療法です。ASDのあるパートナーとの関係性の改善や変化を目指さなければ、根本的な解決にはつながりません。まずは、夫婦で孤立しないこと、カサンドラ症候群のある人はパートナー以外の相談先を持つことが肝心です。


パートナーにASDの診断を強要しない

ASDのある人は社会的に適応していることも多く、自身の特性に気づいていない場合もあります。そういった際に、無理に医療機関での受診を勧めると、本人の気持ちを傷つけてしまい、関係がこじれることもあるかもしれません。
診断を検討する場合は、特性や症状について話し合ったり、理解している段階を経た上で医療機関に行くようにしましょう。


カサンドラ症候群の症状に対する対処法は?


対処法1:ASDの特性や対応方法について知る
ASDの特性について書籍や情報サイトなどで調べてみましょう。ASDのある人が苦手だったりつらくなったりするきっかけやこだわりへの理解を深めることで、環境調整やASDのある人が理解しやすいコミュニケーションを行う際に役立ちます。

ただ、特性について学んだ知識をASDのある人に押し付けると、反発を招くことがあります。特性は十人十色なので、その人に合った対応方法を取るようにしましょう。

対処法2:お互いの行動原理を理解し、生活上のルールを決める
お互いに話し合いながら行動の理由を教え合い、相手の行動に関する理解を深めます。また、生活の上での決め事、ルールをつくることで相手の意見を尊重することにつながります。

対処法3:距離を置くことや関係性を変える、2人の間柄に社会性を持ち込む
別居や住環境の変更など物理的な接触回数を減らしてみることも、関係性を変えるきっかけをつくるひとつの方法です。また、共通の知人や医療関係者など納得のいく第三者を入れての話し合いをすることなども有効かもしれません。



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