日頃ブログ滞っているのに
昨日から立て続けにUP(汗)
吉例顔見世大歌舞伎昼☆千穐楽は
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コチラで


吉例顔見世大歌舞伎夜☆千穐楽

本公演では初役の
仮名手本忠臣蔵・五、六段目の定九郎
たったひと言の台詞

ごぉじゅうりょぉー

染五郎さんの重低音が
歌舞伎座に響きます
無言のまま髪を直す仕草が
花道での番傘広げる姿が
もうたまりません(笑)
←なんか源五兵衛を思い出しちゃった
白い筋肉質の立派な脚に
真っ赤な血が滴る
はぁ色っぽいぃー❤

仁左衛門さんの勘平
言わずもがな、大好きです

たとえ定九郎が屍であっても
仁左衛門さんとご一緒なのが
うれしかったりします(笑)
大先輩と同じ板の上に立つことの
大切さを染五郎さんは十分過ぎる程
わかってらっしゃいます
なにより、定九郎というお役は
短い時間の中で
カッコ良くてなんぼ、です(笑)

IMG_201711染五郎さん4役.jpg

元禄忠臣蔵~大石最後の一日での
磯貝十郎左衛門
おみのとの悲恋、琴爪のお話は
偽りを真に返す、
彼女のその気持ち(行為)を以て
二人は本当の意味で結ばれる
十郎左の内に秘めたる想いが、
染五郎さんの抑えた芝居が、
静かなその佇まいが、胸に迫り
締め付けられ切なくなります
そこへ児太郎さんのおみの
凛としてて、それでいて
好きな人への想いが内蔵助を前に
抑えきれず溢れる、
十郎左、おみの、
二人とも、とても素敵でした

何年か前だったかに
染五郎さんの磯貝に
お父様の福助さんの
おみのを拝見しました
確か国立だったかなぁ
今回はご子息で
何だか感慨深く
ある意味、若い今だからこそ、
のおみのが居たと思います

金太郎君の内記と
幸四郎さんの内蔵助、
仁左衛門さんの荒木十左衛門と
幸四郎さんの内蔵助の静かな対峙
これぞ大歌舞伎の一幕です
とても感動しました

終演後、鳴り止まない拍手
どれくらいの時間が経ってからでしょう
舞台の幕が明き、そして
鳥屋から内蔵助のまま
幸四郎さんが出てこられて
客席に頭を下げられる

とても素晴らしいお舞台でしたし
大石最後の一日という演目的にも
もう一度幕が明くというのは
どうなのか、とも正直思いました
この余韻のまま、どうぞ・・・と

流れは予定調和だったかもしれません
色々言われる方もいらっしゃると思います
幕が明くまで随分と時間がありました
幸四郎さん考えられた末のことかと
きっかけはどうであれ
だって、あの歌舞伎座での
あの時のあの拍手は
とても優しいものでした
素晴らしい舞台を
ありがとうございましたという
観客からの感謝の気持ちと
今の名跡でのお舞台、
お疲れさまでしたという素直な気持ちが
溢れていたと私は思っています
幕が明いたのですから
想いを込めて拍手をしました

歌舞伎にはカーテンコールはありません
と幸四郎さんはおっしゃいました
観客の気持ちに応えて下さり
自らも観客への感謝も述べられました
染五郎さんは衣裳のままでしたが
楽屋へ戻っていたはずです
出番を早くに終えていた金太郎君は楽屋着

幸四郎さんが染五郎さんを
舞台中央に促すも
うつむき気味に決して前に歩まない
それは染五郎さんの気持ちを
表していたようにも思えます
(←勝手な解釈です悪しからず)
何度目かにやっと
それほど大きくない声で
それでいて、やっぱり遠慮がちに
「ありがとうございました」と

最後は幸四郎さんの音頭で
歌舞伎座一体となって
手締めとなりました

平成29年11月25日
吉例顔見世大歌舞伎
高麗屋三代揃っての
元禄忠臣蔵
大石最後の一日は
無事幕を閉じました
幕が閉じる、ということは
新たな次の幕の始まりでもあります

今の名跡から
二代目松本白鸚
十代目松本幸四郎
八代目市川染五郎 へ

今日はもう
高麗屋三代襲名を
ご披露し、お祝いする日です

IMG_201711大石最後の一日花道.jpg
大石最後の一日終演後の花道