歌舞伎座こけら落とし
四月大歌舞伎

本日 千穐楽
おめでとうございます


建替え閉場して約三年
新しく生まれ変わった歌舞伎座
ハード面での変化はあるけれど
一階の狭いロビーの雑然とした感じや
その中を行き交う人の様子
三階ロビーに立ち込める
美味しそうなめでたい焼の香り
そういうちょっとしたことを含め
やっぱり歌舞伎座という空間は
他には替えがたい何かがあって
一歩 足を踏み入れれば そこは楽しくて
芝居が始まれば
さらに異次元に連れてってくれる
そんな歌舞伎座は
やっぱり好きだし良いですね


いつもとは訳が違う初日
“お客さんを待っている”歌舞伎座と
“新しい歌舞伎座を3年待ち続けた”観客

新開場のなんとも言えない
空気を楽しみつつ
染五郎さんが
幕開けの“鶴寿千歳”で
一番最初に舞台を踏みしめる
その緊張感を恐れ多くも共有し
ワクワクとドキドキが入り混じる


そして初日から幾日も経てば
良い意味で程よく気持ちも解放された
(まぁご本人は毎日々
緊張でお勤めでしょうが)
本来の染五郎さんの春の君の舞いも堪能
私自身も落ち着いて観れましたし


今月大いに泣かされた
“盛綱陣屋”金太郎クン演じる小四郎
もちろん初役でありますが
小さい身体いっぱいに
小四郎の気持ちがこちらに伝わってくる

もちろんそれは金太郎クン本人の
お稽古の成果だけれど
仁左衛門さん盛綱の
小四郎への情が半端なく
これがあるから小四郎が
更に健気に映るのか とも
芝雀さん時蔵さん東蔵さん
吉右衛門さん・・・
(お話は小さな子が命を落とす
理不尽っちゃそうですけど)
役者も揃いも揃った
私には鉄板!な演目でした

そして“勧進帳”
やっぱり歌舞伎の王道なんでしょうね
(←何をいまさら)
梅/義経に幸/弁慶
それに対する菊五郎さんの富樫が
今月お気に入りかも
こけら落としならではの
染・松・勘の四天王は三者三様
控えている時も詰め寄る時も
それぞれがそれぞれに
よ~くその性格が出てるような(笑)
 


新しい歌舞伎座の幕は開いたばかり
これから50年60年
役者さんの汗が涙が
観客の喜怒哀楽が
関わる全ての人々の
色んな思いが沁み込んで
歌舞伎座の歴史が
重ねられていくのですよね

次回 染五郎さんの
歌舞伎座ご出演は七月です
それまで歌舞伎座はお預けかも
お財布の紐はしっかり締めなきゃね
とはいえ来月明治座は
もちろん参ります♪