・・・博多座 続きです


◆六月博多座大歌舞伎

各あらすじは → こちらで
以下一部敬称略

【夜の部】16:00~

(1:25)
●時今也桔梗旗揚
 本能寺場馬盥の場
 愛宕山連歌の場


武智光秀 / 仁左衛門
小田春永 / 梅 玉
森蘭丸 / 歌 昇
妻皐月 / 魁 春
四天王但馬守 / 吉右衛門


思わぬところで今回この演目が面白かったな
仁左さまが梅玉さんに とことんイジメられ ← 違うっ
光秀が春永(信長)にパワハラされるお話

前回も大御所な方々で観てるのですが
なぜだか“馬盥(馬を洗う大きな盥)”で酒を飲まされる
その場面しか印象に残ってないという

でも今回は違います!
苛められるのが仁左さまですから(←そこ(笑)?)

でもどんだけ苛めたら気が済むんだか梅@春永
めっちゃ嫌な奴ですわ~
ってこう思われたら役者も本望か
なんだか今回みたいなSチック?なのとか
京乱の陰陽師鏑木みたいな歪んだ愛情とか
癖のあるお役で観る梅玉さんが結構ツボ(笑)だったり

そんな春永の挑発に乗らず 耐えて耐えて
耐え抜いた末に謀反を起こす
執拗なまでの理不尽な仕打ちに
耐える耐える仁左さまに萌え萌え(笑)

それにしてもひたすら耐える姿だけで
(って勿論 台詞もありますけど)
空間を埋められる 客席を魅き付け続けられるってスゴい!
男前ってのも前提になるのでしょうけどね(笑)
二枚目がイジメに耐える図ってのは美しい!?
冗談さておき その耐えてる姿だけじゃなく
その心の中の鬱積さえ見えてくるのは さすがです

中でも零落れていた頃
我が身を助ける(出世の)為 妻が売った切髪を
今更どこから見つけてきたのか春永が満座で晒す
積もり積もったものもあるけれど
そこまでされた日にゃ・・・ってことで
その切髪の入った桐箱を抱えての花道
哀しさと怒りで豹変した仁左@光秀の目に謀反の決意が

大詰め謀反に立ち上がるところ
死装束で(腹切刀を載せた)三宝を叩き踏みつぶした
光秀のカッコよいこと
そこへ花道から駆け付ける吉右衛門さんがご馳走
仁左@光秀と吉@四天王但馬守が
ガッチリ手と手を取り見つめあう(←意味が違うっ)
このお二人の姿に思うわずこちらもニンマリ
これから先に起こる本能寺の変が見えたかのようでした

今までも拝見する機会が多かった梅丸君
博多座初お目見得だそうですが
仁左@光秀妹役という すごくいいお役で
それにしっかり応えて頑張ってる!
その佇まいで目線で
言葉少ないながら仁左さまとのやりとりで
兄を案ずる妹を好演 美人度もますますupしてます
美しい兄妹ですわ~



(0:20)
●三代目又五郎
四代目歌昇
 襲名披露口上


歌昇改め又五郎
種太郎改め歌昇
幹部俳優出演


(下手 → 中央)
梅・三・錦・種・六・歌・又・【吉】

(中央 → 上手)
魁・友・染・松・芝・東・仁


並びは上記のように錚々たるメンバー
総勢15名横に並ぶと裃の肩衣がお隣と触れそうで
博多座の本舞台が狭く感じます
って実際重なりそうな所もあったり

又五郎襲名披露公演では
ほとんどお馴染みのメンバーなので
口上内容はあまり目新しくもないのですが
吉右衛門さんはいつもな感じで ちょっくら あ~え~
仁左さまはいつもよりはカミカミが少ないかも
周りの皆様からの口上に面白味が欠ける
(単に暴露話がない(笑) ← スミマセン)のは
又五郎さんの実直真面目さ
そのお人柄ゆえだと思います(←誉めてるつもり)

その中でもひと際拍手が大きかったのが
博多が十年ぶりお目見得という
仁左さまと三津五郎さんのおふたり

勢揃いで手を突いてうつむいてる時
上から観ると染五郎さんが何故か目立つ(笑)
あっもちろん私の目線が集中ってのはありますが

理由その①
 一人だけ裃の色(海老茶)が他の方と違う
 ほとんどが紫・土色・緑系統
 大和屋さんも目立ちますけどね

理由その②
 肩衣の張り出し具合が他の方々より
 かなりピンと張り出してる
 もう気持ちいいぐらいピシッとね(笑)

・・・でその染五郎さんは
“ご当地博多は私の母の生まれ故郷でございまして
私の身体の半分は博多の血で出来ておりまする”

といつもな博多でのご挨拶ですが
やはり客席はウケるんですよね(笑)
もちろん又五郎さん歌昇さんへのお祝いと
襲名公演に列座出来る喜びはおっしゃってましたよ
今回は日によって違うという事は無いようで
他の日に観た方も同じと言ってました
やっぱり染五郎さんの白塗り・鉞髷・裃姿は鉄板です


 ティンク の 覚え書き-201206博多座4


・・・つづく 其の参

 → 久しぶりの博多座 其の壱