高知の旅 vol.3 素踊り三人の会篇② です
→ 高知の旅vol.1 はこちら
→ 高知の旅vol.2 ~素踊り三人の会篇① はこちら
で三人の年齢の話になり
染五郎さんが38 菊之丞さんが35 勘十郎さんが31
→ なんだかうまい具合に間が開いてるな
染五郎さんは5歳で踊りの稽古を始めて
今まで歌舞伎を嫌いになったことはないけれど
好きだけど出来ないから やめたいと思ったことはある
なら好きだけで どこまでやれるかと開き直って今に至りますと
じゃ今6歳の金太郎クンは?という話になり
その年代が好きなモノは好きだけど
歌舞伎や舞台もそれはそれで興味は持っていて
仮面ライダーやってるかと思えば鳴物叩いてたりと
ライダーと歌舞伎がいっしょくたになって遊んでたりするそう
→ なんだか その様子覗いてみたいな~

1月国立劇場(奴凧廓春風)に金太郎クンもでますよ~
勘十郎さんは2歳半が初舞台と早かったけれど
仕事にしても早くやりたかったので嫌いになった事もなく
20歳の時 初めて歌舞伎の振付けをしたのが染五郎さんだったと
菊之丞さんは小学校時代は全く興味がなく
お稽古で染五郎さんと付き合いだしてからやろうかな
でも踊りはやらないけどお囃子のお稽古は好きだったそう
→ 菊之丞さんがそんなだったとは意外~

なので?今の菊之丞があるのは染五郎さんのおかげ!みたいな(笑)
これからこういう風にしたい!事は?の問いに
染五郎さんは再来年 新しい歌舞伎座が出来る時を
歌舞伎が盛り上がった状態で迎えたいので
色んな事に対して攻める姿勢で動いていきたい!
そして新しい歌舞伎座の舞台では誰よりも
たくさん舞台の真ん中に立つのが目標との頼もしいお言葉でした
日本舞踊をする人を増やしたいし
観る人が楽しめるものを提供していきたいとは菊之丞さん
なんでもする必要はないけれど
なんでも出来なきゃいけないという高麗屋さんの家訓?は
全くその通りだと思ってるので心がけてますという言葉が
勘十郎さんのクチから出たのはちょっと驚きでした
次に演じる“船弁慶”についてひと言ずつと言われ
染五郎さん やるんですね~これからって

→ まだ喋っただけでお仕事してないの
染五郎さんだけですから~(笑)
船弁慶は傑作で踊る方も気持ちがいいものなので
それを楽しんで頂けたら幸いと
勘十郎さんは今まで静ばかりだったので
自分に義経がくるとは思ってもなくて
でも御大将の風格を忘れずに・・・
菊之丞さんも弁慶をやるとは思いもしなくて
船弁慶というくらいなので 懐の深さ胎を大切に
などなど時間も迫りトークはこの辺りで終了
ものがたり
平家滅亡の立役者でありながら兄頼朝と不和となり
西国へ落ち延びる義経は弁慶の諌めを容れ
摂津の国大物浦で愛妾静御前を都へ帰す決心をします
静は別れを惜しみながら舞を見せ泣き泣き別れ行きます
やがて船出した義経一行に前に壇ノ浦の戦いで滅ぼされた
平知盛の亡霊が現れ襲いかかりますが
ついには弁慶の法理力によって祈り伏せられるのでした
素踊りなので皆さん袴姿
染五郎さんは前シテ 静 の時は
白味がかった象牙色というか白鼠色の上下
橋掛り(花道)からの登場に“高麗屋”の大向うも
~思い寄らずや武蔵殿 何のお使いにて候ぞ~
静の第一声 わかっちゃいるけど
やはり女形(これは女形に入るのか?)の声はちと苦しい

ま それはさておき
義経の前で別れを惜しんでの舞い“都名所”
烏帽子はなく狩衣を纏います
今まで墨絵のような色の世界だったところに
1枚の朱色の狩衣を羽織ることで
視覚的に華やかになるけれど
同時になぜか対照的に哀しさが・・・
さらに舞い終わって一気に哀しさが湧いてくる感じ
去り難い別れ辛さみたいな・・・
都名所を舞うところ大半が
目付柱に向かって舞っているので
こんな所であらためて あぁ~能がかり?と思ったり

(そういうことあまりよくわかりませんが)
後シテの知盛の霊では袴はそのままで
上が銀鼠というか錫色みたいな感じ
知盛の出になるとやっぱりワクワクしてしまう(笑)
~そもそもこれは 桓武天皇九代の後胤
平知盛 幽霊なり~
こちらはお声はバッチリです

最初のうちは橋掛りでずっと進行されますが
長刀が(素踊りなので長刀はどうするんだ?
と思っていましたがさすがにこれはありました)
あぁぶつかりそぉと思っていたら
案の定 最初に本舞台入る時に
長刀の後ろが軽くコツン

気にならない程度でありましたが
やっぱりこういうのをみちゃうと
能舞台では狭いよな~と思ってしまう

そういうのもあってか?歌舞伎舞踊の時のような
ダイナミックさはあまり強く感じられず
大詰めの長刀を水平に肩に担ぎグルグル回しながらの引っ込みも
思い切りとはいきませんので?
ちょっとそういう面ではわたし的には消化不良

素踊りだから 舞台が違うのだから
そういうもの(演出)なのかもしれませんが
ただ 知盛を観てると とある事が・・・
(染@知盛に実際起こっている物理的な事ではありません)
う~んこれはここでは言えませ~ん(笑)

たまにこういうのあるんです書きたくない(笑)?素敵な?事
あっ別に眼が合ったとかそんな事ではありません
そんなならいつも書いてますから(笑)
今回は素踊りでしたが
そういう意味も含めて(←どういう意味(笑)?狭いとか?)
今は亡き天王寺屋さん仕込みの歌舞伎舞踊の染五郎さんの
“船弁慶”を また観たいなぁ~という思いがムクムクと
染五郎さん4年前の歌舞伎座以来やってない?し
三響會の時はお能とのコラボだったので知盛の霊だけだったし
それにしても青楓さんもとい菊之丞さん
相変わらず よいお声です~

美声とはまさに!聞き惚れてしまいますわ~
その上 ほんとよく通るんですよ欲しいなぁそのお声

いえ好きなんですけどね染五郎さんの声
でも欲しい~(笑)



ああ~こんな事(舞踊会)でもなければ
一生?降り立つ事がなかっただろう高知(←大袈裟)
それも こんな事=“船弁慶”だったから
行きたいと思ったのがホントのところ
演目違ってたら たぶん見送ってました
そこまで染@船弁慶に飢えているのか私(笑)?
→そういう意味では鏡獅子にも飢えてるけど

でも結果 龍馬さまにもお会い出来たので行ってよかったです

そんなこんなで高知の旅 覚え書きも終了~
長々とお付き合い下さった方々ありがとうございました
またのお越しお待ちしております~

