五月花形歌舞伎・明治座 続きです
以下敬称略
あらすじ等公演詳細は→コチラで
(0:25)
●けいせい倭荘子
蝶の道行 /竹本連中
武智鉄二演出・川口秀子振付
助 国 / 染五郎
小 槇 / 七之助
ええ~っと基本麗しのお声は聞けませんが
何だか久しぶりに染五郎さんの舞踊を観た!
って感じかしら( ← 傾奇おどりは除く)
ここ1年位は本興行で観てない記憶

今回お相手は七之助さん
舞踊のお相手としてはお初かな
さぞや絵になる美しさ~に
期待に胸膨らませての観劇
ビジュアル的には文句なく
素敵なおふたり!で目の保養


“ご両人!”の大向うも あな うれし

紫陽花/牡丹/竜胆/百合/杜若/ハイビスカス??・・・
花咲き乱れるこの世とあの世を繋ぐ野辺
黒地に蝶柄/ド派手なストライプ/全身蝶の羽根柄・・・
まあね あの舞台美術/演出と衣裳は
歌舞伎ならでは!で説得(納得)
出来るものでもない気もしますが
賛?否?好き?嫌い?両論ございましょう

当時はきっと新しかったのでしょうが
今となっては古いようで
とはいえ昭和に入ってからの演出だし
復活上演された当時は
“ネオ+クラシック”“総天然色”って感じ?
これはこういうものだと思って拝見するのがよろしいかと(笑)
あっでも私は嫌いじゃないです
長いお話の一部分だけを抜き出したもので
(歌舞伎にはよくあることですが)
前後が見えないままいきなりクライマックス的舞踊
元のお話~けいせい倭荘子が
かなりおもしろそうで興味をそそります

それはさておき 染@助国
憂いを帯びたその横顔
頬に影さえ落とす長い睫毛


ひと筋のほつれ髪 乱れ髪
地獄の責苦を負う姿は
微かであれど時に苦渋に歪むかのよう
もうそこにいるだけで
妖艶それでいて儚気な色香に酔える
っていうのでしょうか

ふたりの馴れ初めが語られる
ちょっぴりエロな部分もうれし恥ずかし(笑)
もうどう構えたら どう振る舞ったら
どう魅せたら私たちが喜ぶか

身体の反し(かえし)方ひとつにしても
染五郎さんご自身ご存知なのだと思います(爆)
なんだかキレイで儚過ぎて
魂抜けて?心はどこへ行っちゃってるの

(幽体離脱的)って思う時もあったりするのですが

最後には戻ってらっしゃるので まっいいか(笑)

一方の 七@小槇
お顔がしゅっとしてホッソリ体格なので
失礼ながら それだけでも寂し気で
消え入りそうな感じが漂い
今回のお役に沿っているとは思うのですが
欲を言えば う~ん何て言うのだろ
あまりにも無色透明?でキレイ

( ← これ ほめてます)
もう少し“色”?“表情”?が欲しいかな
顔の表情という事ではありません~
醸す雰囲気や舞うこと自体にっていうのかしら
儚げでありながらも
どこかで気持ちが表れて欲しいというか
この世で叶わなかった恋が 蝶に姿を変えたといえ
束の間でも成就するのですもの
おふたりの間に抑制の美は充分感じるけれど
その底にある気持ち love度?に関しては
染@助国にもちょっともの足りなさ
・・・な気もしなくもなく
これって二人がきれい過ぎるから?クールビューティー

でも最後の最後
助国が こと切れそうな辺りから
やっと小槇の“色香”がほんのり感じられ

心から ああ~可愛いなぁ

息絶えることで結ばれた
折り重なる つがいの蝶 の美しさが切ない

この小槇の気持ちが感じられたことで
助国・小槇 そして観てる私も救われた気がします
人の世で 許されぬ恋 死してなお
蝶に変わりて 燃ゆる恋かな
でもなんで死んでまで地獄なんだよ~
身替りで命を落とし それを追う自害
何も悪い事したわけじゃなし このふたり
とは言わないように

仏教の教えでは 愛に迷い命を落とすと
畜生に輪廻するらしい
贔屓目全開と言われようが何のその(笑)
そうじゃない人が観たらどう見えるか?
なんてわかんないもん と開き直ってみる

ああ~舞踊如きで なぜにこんなに長くなる
(・・・つもりは全くなかった)
きっと いらぬ事書き過ぎるんだわ
まだまだ続くよ あい すみませぬ
次からは短くいきましょ(←これ目標)
明治座五月花形/其の参・・・へ続く