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<第三場>
鯉の後を追って琵琶湖までやってきた志賀之助
大雨の中大鯉と戦う志賀之助はついに大鯉に止めを刺し
鯉魚退治を成し遂げるのであった
と筋書きではたった3行(笑)にして見せ場!です
イザ出陣~!で一旦幕となった小屋の中
トンテンカンと次幕への大道具の転換の音が
ものすごく響きます まっよくあること(笑)
暫らくすると立ち三味線の幕外演奏
ほどなく幕があくとそこは辺り一面ぜ~んぶ琵琶湖
もくもくドライアイスで湧きたつ飛沫を表現したり
全面真っ青な水模様の幕はもちろんのこと
書割りで波が描かれているのですが



なんだか目が勝手に3D効果?を産んでたり
本水を使わなくとも充分効果あり
ここからの主人公は何処に?
と観客の思考が及び始めるタイミングで
花道鳥屋横の客席あたりからザワザワ・・・
●金丸座ならでは 其の5/(機構ではなく登場の仕方)
やがてクスクス

離れた席の観客もなになに?とそっちを覗き込み
やがて小屋中が爆笑


注目度№1!?の視線の先には
・
・
・
・
・
そう正義の味方スッパマン(←ご存知?)(爆)?!

染五郎さんのその姿みた瞬間
これしか浮かばなかった自分が恨めしい(笑)

マントこそなびかせていませんが
スケボーならぬ台車?に腹ばいに乗り
花道に這いつくばるようにして
見事な泳ぎ(クロール&バタ足)で
本舞台に突進する染@志賀乃助は真剣そのもの!


これこの小屋だからOKなんだと(笑)思います
演舞場なんかでこれやっちゃうと
あまりにも長い花道ですっごいおマヌケだと思うし
きっと演舞場の客層には引かれちゃうんじゃないかな~
ということで金丸座ならではにエントリー
・・・でいいですよね?
この登場で盛り上がらないわけがない
本舞台まで泳ぎ着いた志賀之助
かくして大きな鯉と志賀之助の大立ち回りが始まるのですが
鯉のレパートリーは大中小どのくらいあるんでしょ(笑)
鯉がやたら愛嬌


等身大の時は人が入ってる着ぐるみ
・・・なんて言っちゃあいけませんが
その中の人は 志賀之助を演ってる人と
妙~に息があってるのか微妙~にズラしてるのか(笑)
その間が最高に可笑しかったり可愛かったり
志賀之助と一緒に 切る見得 はかなりツボ

この演目の敢闘賞ものです
錦二郎さんお疲れ様でした

そしてどうみても愛想がなくて無表情で
志賀之助の思い通りになる従順な鯉クンは
もちろん張りぼてぬいぐるみ(笑)
口に手を突っ込まれブンブン振り回されるわ


左右にバンバンぶっつけられるわ

なにせ口答えを一切しませんから(笑)
志賀之助が常に優勢になるわけです
最後には空井戸へ放り込まれる始末

これって決して一人コントではありませんから~
ちゃんと格闘してるんですからね~(笑)
って念を押すと逆に怪しい?

あっでもそんな鯉クンでも
黒子(衣)さん2人を味方につけてる時なら形勢は逆転
涼しい顔して?下手と上手の間を
空を駆けるように自由に飛び跳ねて

そのスピードに追いつけない志賀之助を
舞台の真ん中に立ち往生させてしまいますからね
要は黒子(衣)さんが鯉をあっちへ投げこっちへ投げ
いつまでも捕まらない~

途中空井戸に逃げ込んだ
というか志賀之助自ら放り込んだ鯉を追い
捕まえようと空井戸に手を突っ込んで
そら捕まえた!
とばかりに最初に引っ張り上げたのは
ナマズ!(もちろんぬいぐるみ)でがっかり

今度こそ!
で出てきたのが
大きなハサミのロブスター?ザリガニ?でこれまたガッくし

おまけに手挟まれてるし~な

あイタタぁ~な踏んだり蹴ったりのリアクションはお手のもの(笑)
三度目の正直~!で
何やら釣り糸のような白い紐を手繰り上げると
なんとお椀に盛られた讃岐うどん!!!

紐で釣り上げたのではなく
その紐もおうどんの一本ってことで(笑)
そこでお決まりのようにうどんをすすり始めます
でも お~っとっと~ところでオレは
どうしてこんなところでうどん喰ってんだ

これ本物ですよね?
どうみても食べてるように見えたんですけど
こういった地元に根ざした御当地ネタも健在!
このうどんネタ中日あたりから新たに加わったそうで
こういうアイデアが次から次へと
アタマに浮かんでくるのでしょうね

さすが妄想が趣味の染五郎さん♪
千穐楽に釣れたのはうどんではなく
なんと琴平町長さんだったらしい
これも一種の御当地ネタ(笑)?
うどんは食べたが鯉は見つけられず
どこへ隠れたんだ?あぁ~もう疲れたよ
とばかりにその場にへたり込む志賀之助
・・・と何故だか上手からの視線を強く感じたその先に
や~いここだよ~ん!とばかりに
馬鹿にしたようなその大きなつぶらな瞳で
ジッとこちらを見つめる大きな鯉(笑)
てやんでぇい!とチカラを振りしぼって追う志賀之助
まさに鯉との知恵くらべ根競べ
琵琶湖水中(本舞台)で真剣泳いでいるかと思えば
姿が見えないな~と突如として空井戸から顔を突き出し
口からぴゅ~っ

あっ潜っていたのねと感心しきり(笑)
染五郎さん芸が細かくても なんでも真剣なんでも全力
やることやること いちいちツボ!
いよいよラストは鯉の滝登り
昇る鯉(舞台中央に吊られてる)を追い詰めるが如く
台(何ていうのかわからない~)にどっしり腰を据え
鯉の尻尾をしっかりむんずと抱え込んで大きな見得
そこへ立ちあがっての連続見得
ついについに鯉の息の根を~
本舞台天井からはまさにまさに滝の如くざ~っと白糸が
今まで繰り広げられた
数々の死闘を思えば ← 笑っちゃいけない

もう退治出来て良かったね~
と目頭が熱くなる ← ウソ(笑)
もうほんと一件落着してよかったよ~!!!


~本の窓より大詰めの立ち廻り
鯉の精が化けている時の志賀之助は
消え入りそうで存在自体つかみどころがないけれど
お姫様をたぶらかす美しさをお持ちで
それでいて でも実ハの正体は
もののけ なんですってのが所々ちゃんとあって
鯉の精は鯉の精だし(笑)
精っていうとなんだかフェアリーって優しい感じですが
釣家に恨みつらみ抱いてる鯉の妖怪変化ってところかな
やってること体操選手なみだし(笑)
本物の志賀之助はきりっと頼もしく
存在感ばっちりでそれでいてお茶目で(笑)
それぞれしっかり演じ分け
大活躍としか言いようがない染五郎さんなのでした
金丸座の機構を充分理解していればこその妄想
・・・妄想ではなくそれを現実に形にしちゃうチカラ
染五郎さんどんだけ膨らませるんでしょ
ってくらい ある意味アナログ万歳!な空間
お客さんを喜ばせるワザ!もよ~くご存知です
もちろんそれはイコールご自身も楽しめる?!

やっぱり親子ね~こういうとこ
高麗屋のDNAってんですか(笑)
もう染五郎さん やりたい放題?!
おめめキラキラ


観客の反応も小屋が小さい分いつも以上にダイレクト!
ご本人もかな~り楽しかったと思います σ(^ー゜) -★
観客と役者が共有出来る空間ってとっても素敵

いろんな事満載で上演時間も全場で1時間6分!
とは思えないくらい 良い意味で
えっ?そんなに短かったんだ?
もっと長い時間楽しんだ気がするんですけど~な感じ
とってもとっても楽しかった~


ほんとにほんとにありがとうございました

鯉つかみはまた観たいなと思うけれど
いろいろな趣向や観客の反応も含め
このサイズ この小屋ならではのものかなと思います
私たちの目に触れなくとも 映像が残せていればいいのにな
今月も志賀之助さまに香水を感じたのは気のせい?





こんぴら歌舞伎 其の零 より
引っ張りに引っ張って?(わざとじゃないよ)
やっと最終章に辿り着きました
ここまで 拙い書きたい放題の文章に
お付き合い下さいました皆さまありがとうございました
最後の大立ち回り部分なんて きっと
書いてる順番ハチャメチャ間違いなし
また思いついたら書き足し訂正なんてあるかもです
今月は四国遠征ということもありテンションアップで
どうせ行くならと若干の観光も絡めながら
観劇も昼夜複数回させて頂き楽しませていただきました
染五郎さん次こんぴらはいつかな~などと思いを馳せつつも
そんなにしょっちゅうあったら楽しさも半減だから
また6年後くらいでいいかなんてね

その反動で5月は最低限におとなしくする所存です(笑)
4月の合言葉はアナログ万歳!復活狂言万歳~!
( ↑ あっ私が勝手に決めただけです(笑))