●二月花形歌舞伎
~ルテアトル銀座・第一部
(以下敬称略)
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◆於染久松色読販~お染の七役
柳島妙見の場より向島道行の場まで
→ あらすじ等
油屋娘お染/丁稚久松
奥女中竹川/芸者小糸/土手のお六
後家貞昌/許嫁お光 亀治郎
鬼門の喜兵衛 / 染五郎
髪結亀吉 / 亀三郎
船頭長吉 / 亀 鶴
油屋多三郎 / 宗之助
女猿廻しお作 / 笑 也
庵崎久作 / 門之助
油屋太郎七 / 秀 調
山家屋清兵衛 / 友右衛門
亀治郎さん お染の七役はお手のモノ!
と思いきや今回が初役
ですがそんな事はあまり感じさせず
お芝居が始まると次々にお役を衣裳をとっかえひっかえ

“これ全部僕ですから!”と言わんばかりに(笑)

お披露目下さるミラクル亀治郎さんでした
お話的にはあってないようなものなので
喜兵衛さんが登場するまでは
もう早替わりする亀治郎さんを注視する
いかにどうやって入れ替わるのかを見破る その一点!
(↑見破るというほど複雑でもないけれど(笑))
この小屋ならではの壁に耳あり障子に~
ではなく壁に穴ありだったりしましたよね
お染・久松・・・いろいろあれど
竹川とか好きかな~
それと大詰めの正気でないお光とか
そしてやっぱり土手のお六でしょう
莨屋の場~油屋の場は
亀治郎さんにとっても早替わり以外の
しどころだと思いますし
染@喜兵衛さんとのイキもぴったり
とてもお似合いです!

なんとな~く気だるいというか
お互い面倒くさそ~な はすっぱな雰囲気というか
だ・け・ど~ じ・つ・は~
二人はラブラブ


なんかいいですよね~こういうの好きだな~
こ~んな夫婦いるいる~?!(いないって


悪徳商法真っ青(笑)?!の強請りで
大啖呵を切ったわりにはすぐボロが~
嘘が露見した時の二人の顔ったら


もうたまりませ~ん

上手でお灸を据える頃からこの辺りまで
当のお灸ネタより 下手での
喜兵衛とお六の反応観てる方がおもしろい
(ごめんね番頭さんと丁稚さん

バレた後スゴスゴ花道を退散する道すがら
あれはどう見ても夫婦漫才?!

クイズ番組によく出てるのが居る!
だとか
テレビに出るようなヤツは嫌い?!
だとか
俺も昔よく出てたな~
なんて言いたい放題言ったあと
染五郎・亀治郎みたいな
ああいうのは芝居バカってんだ
・・・みたいな(ニュアンスちょっと違うかな)
お二人はいたって真面目顔しながら
なのにお互いネタ振って遊んでるところが
妙に可笑しい

とんでもない夫婦ですが
憎めない おとぼけ?!カップルです
しかしこの二人観てると今さらですが
どうみても男と女でして
亀治郎さんって男ですよね


二人の間に流れる空気はなんなの!
な~んて最近あまり意識しなかった事
(歌舞伎を観始めた頃はよく思ったものです)を
あらためて感じたりしたのでした

染五郎さんが喜兵衛をお勤めになるのは
今回で通算4度目
('99.3 /'01.7 / '09.5 / '11.02)
それぐらいで板についてきた
などというのは早いのかもしれませんが
観るたびにどっしり骨太というか
↑ 最近こういう お役の方が断然好きだったり
あっもちろん白塗りも好物ですけどね
年を追うごとに拵えも益々お似合いになり
出番は少ないものの

萌えるには なかなかナイス

左眉のホクロだったり
袖をまくり露わになる腕だったり

裾をたくし上げ露出下さる見事なお御足だったり

って決してわざわざ私たちの為に
ご披露下さってる訳ではなし
劇中何度となく お六を
“かかぁ~” と呼ぶ素敵な声
樽の上にひらり

なんてカッコよいのでしょう~
(贔屓目炸裂

両手を懐に入れたまま肩だけでカラの駕篭を担ぐ
その仕草が渋すぎて惚れてまうやろ~(古っ

※以上 間違った観方楽しみ方一覧でした

こんな喜兵衛さんなら騙されてみたい
って前回の公演の時も言った記憶(笑)

“タニシの木の芽和え”も健在で
別にココ↑はどうでもよいところですが
なぜか毎回気になっちゃう(笑)・・・のはひとえに
この回の → そめいろの仕業って事で
これから先もずっと思い出しそう
今回は座組みが花形だったのもあってか?
ちょっとライト(軽め)な喜兵衛さん
・・・だった気がしなくもないけれど
やはり周りの環境にもよりますね
亀治郎さんのお六と一緒だと
喜兵衛さんのホクロもこころなしか
チャーミングに見えるのでした


二月花形歌舞伎
~ルテアトル銀座・第二部へ・・・