●壽初春大歌舞伎・夜の部
  ~大阪松竹座

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 ティンク の 覚え書き-201101松竹座2
(以下敬称略)

0'25
◆八陣守護城 
 ~湖水御座船の場


佐藤正清 / 我 當
斑鳩平次 / 進之介
正木大介 / 薪 車
鞠川玄蕃 / 錦 吾
雛衣 / 秀太郎


舞台中央に朱塗りの御座船がドド~ン
大がかりな装置や様式美を味わう演目とのこと
久しぶりに秀太郎さんを拝見した気がします
お年を召していてピンクのお着物でもお姫様でも
秀太郎さんなら許せちゃう sweat* ← あっ私がですよ
老け役をやってもどこか可愛らしい方ですしね
来月 油地獄のお母さんよろしくお願いします
って感想になってないし ・・・汗


1'05
◆玩辞楼十二曲の内
 廓文章~吉田屋


藤屋伊左衛門 / 藤十郎
扇屋夕霧 / 扇 雀
女房おきさ / 吉 弥
吉田屋喜左衛門 / 我 當


途中 ●眠 に落ちたところもあり すみません
なんか最後にいきなり勘当が許された上
お金それも身請けする為のお金が
実家からド~ンと用意され
どんだけお金持ち?どんな親?と思いつつ アハハ‥
(そんな事考えだしたら歌舞伎観られませんって(笑))
ハッピーエンドになってるという
そういうのでも無条件に許しちゃう許せる
ってなるには やっぱり
じゃらじゃらは・・・・で観たい ・・・汗
まあそういう時もあります

吉弥さんの次幕人間豹でのお役とのギャップも
楽しめます(笑) ← そこ?アハハ‥


0'55 + 1'00
◆江戸川乱歩「人間豹」より
江戸宵闇妖鉤爪
 ~明智小五郎と人間豹
 市川染五郎大凧にて
   宙乗り相勤め申し候


第一幕
 第一場 不忍池、弁天島の茶屋の前
 第二場 江戸橋広小路の支度小屋
 第三場 ウズメ舞の場
 第四場 隅田河畔の茶屋
 第五場 浅茅ヶ原
第二幕
 第一場 団子坂、明智小五郎の家
 第二場 笠森稲荷
 第三場 団子坂近くの一本道
 第四場 洞穴、恩田の隠れ家
 第五場 浅草奥山の見世物小屋
 エピローグ 同 見世物小屋裏手

明智小五郎 / 幸四郎
商家の娘お甲・女役者お蘭
明智の女房お文 / 扇 雀
目明し恒吉 / 錦 吾
老婆百御前 / 吉 弥
同心小林新八・娘お玉 / 高麗蔵
恩田乱学・神谷芳之助 / 染五郎


国立での江戸宵闇(2008.10)から2年
恩田は 乱歩歌舞伎は
数段パワーアップ 腕。
劇場がコンパクトになった分
ギュギュ~ッと中身も詰まった感じ

部分的な長台詞にしても
聞かせてるな~って感じになっていたと感じますし
明智と恩田の掛け合いは前回よりも
メリハリが出て 聞いていてテンポよく引き込まれるものに

でも宙乗りは距離が短くて残念 アハハ‥
3階でご覧になった方は
もっとずっ~と吊られていて~と思ったはず!アハハ
勝手な事言ってます(笑)

奥山の洞窟場面などでお席が目の前だったのですが
恩田と目が合うとか合わないとか キャー
そんな事もうすっ飛んじゃって
あれだけ近いと逆に凝視しちゃいました おめめ
蛇に睨まれた蛙状態(笑)? sweat*

目の前での恩田
あれほどゾクゾク怖ろしいとは ガクブル
目の動き 舌舐めずり 表情・・・まとっている空気
人間であってそうでない
獣であってそうでない黒い生き物
怖いのに何故か目をそらせる事が出来ず
・・・逆に魅きこまれる
まさに人間豹の餌食(笑)でした

化粧を含め 恩田を取り巻くものはとても怖ろしく
でも単にそうなだけではなく 
染五郎さんの恩田は常に孤独を背負っていて哀しくて
まるで(自分でも否定している)人間の心を
押し隠すものとなっているみたいで なみだ

百御前を前にすると反発を見せながらもやっぱり親子だし
明智に心を見透かされて撥ねつけてみたり
天に抗うようにも見えるけれど
己の運命に抗っているようにも見える

どんなお芝居でも一般的に
初演の方がよかったという感想はありがちですが
これは間違いなく?練り直され今回の方が
おもしろく仕上がっていたな~と

その結果として?国立の時より
愛情増大?というか愛着が湧きましたし
なにより勧善懲悪では割り切れない魅力が
染五郎さんの恩田には備わっていて
・・・だから恩田が愛おしく感じるのか
 うれしい

あっ余談ですが
恩田が明智の妻をいたぶるところというか
笠森稲荷で実はカラの駕篭相手に
好き勝手お文に対して言葉を浴びせているところ
ちょっと暴走気味に(笑)エロいエロい
そう感じたのは私だけ? アハハ
がるるるぅ~ クロヒョウ
セリフでも おっといけねえ~と自嘲してましたが アハハ‥


・気になるキャラ/其の1
吉弥さんの百御前
 怖いんですよ~
あそこまで顔(←化粧)しなくても(笑)
言われないと吉弥さんってわからないですから
単にメイクが怖いというだけではなく
八百比丘尼らしい恐ろしさというか台詞回しというか
それでいてちゃんと恩田の母なんですね
こういうお役ってまずないでしょうから
楽しんで?頂けたのかな?

百御前に見世物小屋で
お気に召しましたかな?と
その長い鉤爪でうながされ不気味にささやかれては
頷きつつ拍手で応えましたとも(笑)

・気になるキャラ/其の2
高麗蔵さんの新八とお玉
 新八さんは小林少年的役割ですが
やっぱり お玉(蛇女)!
自分の境遇を受け入れながらも
(といってもそうならざるを得なかった)
恩田と同じく人間の心をまだ持っている?
妖しくもあり哀しい女性
なかなか女の性(サガ)というものを巧く体現して下さいます

最後結局 恩田の手に掛かって命を落としますが
想いを寄せる彼女にとってそれは本望なのか?
(←そこまで考えるか?)
妙に気になる好きなキャラクターです

高麗蔵さん確か第2弾京乱噂鉤爪でも
陰陽師に想いを寄せる女隠密
哀しい女がよく似合います


番外編
1階お席が近くの時は
見えてはいけない?ものも色々見えたり(笑)
ならでは~の事もたくさんあって楽しかったです オホホ
貼り眉だとか3D眼ガツラならぬ芳之助マスクだとか 
軽やかな アクロバティックなバク転とかね~(笑)
 ←わかる人にはわかる言いたくても内緒(笑)

明智の短筒の火薬の匂いだったり
芳之助が煙管をくゆらす薫りだったり

一幕ラストで霧雨を浴びることも出来ました(笑)
避難用ブランケット配ってましたが
さほど気にならず有難く?浴びさせて頂き

人間豹観察には1階
大凧宙乗りは やはり3階で!
それぞれ堪能させて頂いた江戸宵闇~でした

おっと1階お席では
芳之助の鼓を忘れてはいけません
まっすぐに一点を見つめ鼓を打つその姿
惚れてまうやろ~
のひと言でございました(笑) LOVE


宙乗りで3階鳥屋の
紙吹雪 紙吹雪 と光の洪水 キラキラ に吸い込まれていく恩田
染五郎さん とっても いいお顔をされていました うれしい

・・・ほんとうに高いとこ恐怖症ですか?

 ティンク の 覚え書き-201101松竹座1

全部で20枚超えという染五郎さんの舞台写真
今月の1枚はやっぱりこれかな~
(写真右・ with お席に舞ってきた紙吹雪)
この恩田が 半端なくカッコイイ キャー
と思うのでありました


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