◆壽初春大歌舞伎・昼の部
~大阪松竹座
→ あらすじ等
まだまだお正月な雰囲気の松竹座


染五郎さんのお誕生日観劇を兼ねて拝見して参りました
7月に続いての松竹座
続く時は続くものです それまで3年ほど?
染五郎さん大阪はご無沙汰でしたよね
7月ほど出ずっぱりではないので
心なしか観る方も 気持ちの余裕が(笑)

(以下敬称略)
1'15
●玩辞楼十二曲の内
土屋主税
第一場 向島晋其角寓居の場
第二場 土屋邸奥座敷の場
土屋主税 / 翫 雀
大高源吾 / 染五郎
晋其角 / 橘三郎
落合其月 / 薪 車
侍女お園 / 扇 雀
先月は忠臣蔵月間でしたが
それに続いて今月は忠臣蔵外伝ときた
“松浦の太鼓”とほとんど同じですが
どちらかと言うと松浦の殿さまの方が
重量感(偉いおヒトな感)はありながらも
すごく愛嬌があったって感じ
でも殿さま違いで それなり面白かったです
源吾さんは罵声を浴びせられても
大望を秘め じっと耐える
そのお姿に浪士の本懐がみえるよう
源吾さんの付け句の下りは
(詠んだ人が同じだから)当たり前ですが全く同じで
でも身をやつしているのは すす竹売りでなく
なので雪の中での頬被り姿が拝めない
のはちょっと残念でした(笑)
頬被りには色気漂いますからね

直侍・与兵衛・与三郎・鼠小僧・・・キリがない~
討ち入りの報告に登場する
大高源吾は今月は『ぬ』(←たぶん)
先月の11段目の平右衛門は何だっけ?
って火事場装束で浪士が背負ってる『いろは札』のこと

『い(内蔵助)』と『ろ(主税)』以外は
一貫性ないみたいですけど
染五郎さん 討ち入り装束を着るのが初
とおっしゃってたのが確かこの2年以内?
(と思ったら もっと前 何と勘違いしたかな~)
それはさておき ここ数年で立て続け
やたらと増えた?浪士役
先月の平右衛門のちょっとヤンチャ?っぽい
爆発ヘアーな浪士も素敵でしたが
今月は正統派なキリリ

かなり美人さんの源吾でカッコよろし

と話の筋などどこ吹く風
要らぬことばかり考えるのも いと楽し(笑)
年の瀬や水の流れと人の身は
あした待たるるその宝船~
●男の花道
第一幕
第一場 東海道金谷宿なる旅籠松屋の店先
第二場 同 裏の部屋
第三場 同 奥の離れ
第四場 同 奥の離れ
第五場 元の松屋の店先
第二幕
第一場 茶屋むさし屋の二階座敷
第二場 山谷堀の料亭万八の離れ
第三場 中村座の舞台
第四場 元の万八の離れ
加賀屋歌右衛門 / 藤十郎
万八女将お時 / 秀太郎
加賀屋歌之助 / 染五郎
加賀屋歌五郎 / 錦 吾
田辺妻富枝 / 吉 弥
加賀屋東蔵 / 竹三郎
田辺嘉右衛門 / 翫 雀
土生玄碩 / 幸四郎
最初にひとつだけ
あの音楽だけはどうも・・・う~ん
場面転換や幕切れ要所でザザ~ン!!
と入るアレなくてもいいんじゃい?かと
なんだか大衆演劇っぽくて(観た事ないけど)
あれで気持ちが途切れてしまい現実に戻される気が
あくまで私は~ですので悪しからず
そこを除けば
劇中劇の“櫓のお七”の人形振りは
(今まで他の方でも観てますが)
藤十郎さんのそれは
ちょっといいもの観たな~と思えましたし
役柄上 染五郎さんがずっと出てるお芝居ではないので
一つの役に執着して観る(笑)ことはないので

全体としては楽しめたお芝居かなと
特に劇中劇から大詰めにかけては
趣向も含め(ここでの趣向は知らなかった)なかなか楽しく
二階バルコニー席(や一階?)に
いつの間にか観客役の役者さんが居て
大向こうをかけたり
歌右衛門が観客に訴える場面ではヤジが飛んだり
芝居を中断しなければいけない理由を理解してからは
行って来いよ!夜中になっても帰ってくるのを待っててやるよ
的な言葉が掛かったりと(もちろん台詞なのですが)
そこでまた うまい具合に客席が同調の拍手になるのです
松竹座全体が劇中劇の舞台と化し
自分が歌右衛門のお芝居を観ている気分で臨場感抜群!
幸四郎さんの土生玄碩は
こういう内面を表現するお芝居さすがですね
歌右衛門との友情を信じてやまないというか
ちょっ~と偏屈すぎじゃありません?
それじゃただの頑固者だよ
と思われるやもしれない玄碩を巧く演じておられました
藤十郎さんの歌右衛門と幸四郎さんの玄碩
じわっと心に沁みる男の友情にホロっ (ノ_・。)
あっ染五郎さんは?って?
お弟子役の眉なし顔がちょっと怖かった(笑)
がなかなか拝めないお役ですから
それはそれで

→ 壽初春大歌舞伎・夜の部に続く