やっと書く気が出てきたというか
・・・松竹座・夏芝居回顧を~
UP順不同 要は書き上げ順です sweat*

→ 七月大歌舞伎/松竹座 あらすじ等

(以下敬称略)

◆元禄忠臣蔵~御浜御殿綱豊卿
徳川綱豊卿 / 仁左衛門
富森助右衛門 / 染五郎
御祐筆江島 / 笑三郎
上臈浦尾 / 竹三郎
中臈お喜世 / 孝太郎
新井勘解由 / 左團次


のっけから何ですが~
この 綱豊&助 今最高の組み合わせかと
自負?とは言わないな~ 絶賛?!しとうございます

あっでも役者がニンであるとかないとか拘る方
はなから真山作品が苦手だと自負している方とかは
読まずにすっ飛ばして頂く方がよいかと(笑)
それらに該当しない方は
まあ贔屓の戯言とお思いながらお付き合い下さい えへへ…

いや~しかし 何度拝見しても いい!
仁左@綱豊卿 VS 染@助右衛門
今回で3度目のタッグ
それもこの3年内で3回です
VS って表現どうよと思ってる方
観れば納得して頂けるかと

染五郎さんとしては
綱豊卿の方が一枚も二枚も上手で
手のひらの上で遊ばされている様なもの
物語り的に勝つ事など無いのはわかっていても
いつも綱豊卿に勝てる!勝つ!
くらいの気持ちで臨まれているとの事ですが
そういった上で 毎日“挑む”というのは
かなり大変なことかと思います

でも正直3度目というのもあって
拝見する方は 安心して観てしまってる部分もあったり
そうかと思えば
日によって染五郎さんの挑み具合や
仁左衛門さんの受け止め具合
挑発し具合が違ったりするので
結果として 毎回どきどき どきどき
いつの間にか手に汗握り心は前のめりダッシュダッシュ

丁々発止?そんな簡単な言葉で
片付けられるものではございません

ともすれば単調になりがちで
眠気 zzz を誘うような膨大な台詞劇が
ここまでおもしろい!と感じるのは
もちろん私にとっては仁左・染というのはありますが
真山ホンがよく出来ているだけでは こうはいかないと

生かすも殺すも役者次第
お二人の台詞のチカラというか
台詞を生きた言葉にするチカラというか
さらに 実際には目に見えていない
台詞としては無い部分の 空気のやりとりだったり
気持ちが見える感じ?だったりも

最初はお互い様子見程度に
心の内は見せまいと交わしている言葉ですが
二人のやりとりが激しくなるにつれ
互いに壁を越えて徐々にそれが
相手の心の中に入り込んでいく
それもかなり鋭く グサッ!! 踏み込んでいる

煽り煽られまいと
綱豊と助右衛門の形勢が逆転するごとに 
張り詰めた空気が密度を増していく
このセリフの応酬と緊迫感が
なんとも言えず とても心地よく感じられる私

ぶつかり合いが激しいほど
言葉には出さずとも(助は出せない)
それを超越して二人の心が触れた 通じ合った瞬間
助右衛門が今までずっと握りしめていた
膝にじっと置かれていた彼の拳に意味が宿る

この瞬間がたまらなく好きで
真の姿は 世の拗ね者で粗野(がさつ)者とは程遠く
正直でまっすぐで武骨な助右衛門が
とても愛おしくなるのです キュン

綱豊卿が“助右衛門”と呼んでいたのが
ある場面で“助”に変わる
彼に投げかける視線が
鋭いものからとても優しいものに変わる瞬間がある
そして仁左衛門さんの
“助ぇ~”と呼ぶ声がとても優しく聞こえ出す うれしい


敷居の内と外で二人の間に実際の距離はあるものの
その空間がすごく密に詰まっている!
と感じられる時に出会った時は この世の幸せ! howa*キラキラ*
( ↑ ちょっと大げさ(笑)?)
だって~ 今日はちょっと距離感ありますね~(笑)
って時も正直ありますからね sweat*べー

綱豊卿と助右衛門の胎の探り合いでありながら
仁左衛門さんと染五郎さんの肚の探り合いでもあるようで
そんなところもちょっとおもしろく感じたり ニヤリ

特にこういう作品って
片方がよくても観客の心には残らない
このお二人 互いに打てば響くお相手なのか?
仁左さまご贔屓に言わせみれば
若造の分際で打てば響くなどと!
と言われるかもしれませんが 役者として年齢を超え
そういう存在があっても素敵じゃないですかね

仁左衛門さんの綱豊卿で
染五郎さんの助右衛門
これから先も何度となくあることかと思いますが
それらを含めこの経験を糧に
将来はぜひに染五郎さん綱豊卿を再び!


毎回 綱豊卿の高笑いにゾクゾクし
勘解由に浪士たちへの本心を垣間見せる言葉に uru+.
助右衛門の気迫に息を呑み
敷居突破でよくぞ!と なみだ
そして
綱豊卿が助右衛門を諭す能舞台での場で
あらためて綱豊卿の大きさを痛感
観終わった後 全神経 全精神力を使い果たし
グッタリするのがわかっていても
やっぱりこのお芝居が好きです ♪


  ティンク の 覚え書き-201007御浜御殿

~ひとりごと~
今回この御浜御殿で残念ながら
出会えなかった事がひとつ
過去の歌舞伎座でそれに遭遇した時は
もう鳥肌もので そこから
感情のコントロールが効かなくなっちゃうほど
ゾクゾクしたのを今でも覚えています
これから先 また出会えるといいな