通し狂言
染模様恩愛御書
~細川の血達磨 続きです
其の1 は → 回顧 ~染模様恩愛御書
◆染五郎さんの友右衛門(友) と
愛之助さんの数馬(数)
と表記しつつ偏ってること間違いないので悪しからず
第一幕
●伝法院見染め
ふとした事で見知り
一瞬にして一方的に一目ぼれ

・・・そして恋に落ちる

少なくとも友右衛門には何の違和感もない自然な事
たまたま惚れたのが同性だっただけ・・・なんだと
BL(同性愛という言い方はちょっと違う) BLと
メディア的にやたらその部分が取り上げられたけど
(↑ これは染五郎さん自身が言っちゃてるものだから仕方ない)
観ている私としては全編通して
数馬を “男”という “意識”で “目”で みてない事に気付いた
だから友の数への猛烈なるアプローチも
ごく普通に恋を成就させる手段
友は常に真剣!前進あるのみ?!
・・・の割に(この時点では)どこか抜けてる?
いまひとつパッとしない?おっさん もとい(笑)男子であります
関係あるのかないのか着ているものも
ちょっと野暮ったい抑え~た地味な色合いだし
そんな諸々性格を少々オーバーアクションで味付け?

そうは言うものの初演以上にデフォルメな感じ

思い人の事となると何も手につかなくなり
ひとりテンション高く舞い上がったり


こういうことありませんか?女子とおんなじですよ・・・ね?
友右衛門 とっても愛すべきキャラです
『お袖に汚れが~』
なんて名セリフ!今となっては殺し文句かも?(笑)
こういうところ実は染五郎さんの
確信犯的・知能犯的な部分かと思ったり(笑)
ご本人は“真面目に演れば演るほど出るおかしみ”
“真剣に演ってる事 自体が滑稽”が狙いみたいなので
実は愛之助さんも最初はそのリアクションに戸惑って
今となっては それがそのまま確立され
あの場の数馬となってたりして~
とは勝手な想像です 悪しからず
しかしあの オロオロ

杜若しかり 恋文しかり 短冊しかり
見つめ合う目と目
特に染@友右衛門は目を離さない
見つめ合っても ふと目線を外すのは愛@数馬
あんな視線で見つめられたら恥ずかしくて
『胸が ドキ


・・・しますよね(笑)?
数を見つめる友の大きな瞳は キラっ


長い睫毛も憂いを帯びて 少女漫画の世界感~(笑)
●屋敷内数馬の部屋
互いに想いを打ち明ける様子
ことに友右衛門が切々と語るのは
心臓の鼓動が聞こえてきそうで どこかキュン

とするのですよ・・・変ですか(笑)?
めちゃ真剣ですもの友ったら
- 奥の一間的出来事 -
この部分いろいろなご意見があるようですが(笑)
それに伴い色んなパターンの笑いが・・・
・ええぇ~?!ちょっと恥ずかしい的照れ隠し笑い
・単にオーバーアクションに対するストレートなガハハ笑い
・そして染ファン的には二人の様子そのものより
染五郎さんの確信犯なのでは?な辺りを感じとって
ク・ク・クッ( ´艸`)となっちゃうパターンも(笑)
先ほども言いましたが
男と男なんて意識があまりないので
だから別に あれぇ~と帯を解かれるのが
友であってもいいんです!美しいお二人ならどっちでも(笑)!
皆さん気持ちを受け入れる方が
勝手に数馬だと決めつけていて(ほんとは最初から相思相愛でしょ?)
実は帯を解かれるのが友右衛門だったから
あんな清楚な感じのくせに数馬ったらもう~的に
笑いが起きるのもありますよね?
でも明りが点いてるのは恥ずかしいから消してだの
(実際セリフとして言ってませんけど)
消えたとわかった途端 参りましょう的に
友の手を引いて一間に連れ込んだのは
何を隠そう数じゃないですか~(笑) 何気に積極的

現実的には数馬は袴だったので クルクル~は出来ないのでした

いずれにせよ友&数 お二人の
真剣な愛


- 義兄弟の契り -
ここ何度観ても涙


血潮の誓い この行為が全てではないけれど
精神的肉体的に強く結ばれた事と
そこから得た何か によって
この場を境に 友右衛門がみるみる男らしく
頼りがいのある 偉丈夫になっていくように思うのです
守るものが出来た強さとでもいうのでしょうか
まあこの直後は乱れた着物のまま
長持ちに隠れるなんていう
おマヌケな愛すべきキャラ部分も見せてくれますけどね(笑)
そしてここらあたりで
白塗りじゃない友右衛門が今回正解だな~とジワジワ
別にこの場面になるまで白塗りじゃないことに
違和感を抱いて観ていたわけではありませんが
初演松竹座のイメージ
+今回のかなり耽美なポスターチラシ
の影響力というのはやはり大きいもの
ゲネで拵え姿を拝見した時 えっ

白塗りの方が歌舞伎~って感じだよねと漠然と思ったし
白塗りで演っても その良さはあると思いますが
でもでもどうして との粉色 大正解!!!
ここから先(詮議以降火事場)に
その魅力が最大限に発揮されていたかと思います
↑ とても真面目目線
↓ チョッピリ腐女子(にはホド遠いけど)目線
腕を傷つけ互いの血をすする表情
友右衛門にはとても強い意思を垣間見る
(さすがに30過ぎた武士だわってどんな誉め方?)
けど数馬はちょっとエクスタシー入ってますか的表情がエロい
(さすがに15,6のお小姓さんだわ こんな経験ないだろうし)
染五郎さんのお袖から見える 筋肉ばった腕・・・
上腕二頭筋・前腕筋 色っぽ~

とちょっと実は一人ドギマギしてたのです

どこ見てんだか

第二幕
●四年の歳月
冒頭 友右衛門と数馬が妹きく宅へ訪れる花道
友に数がお預けになっていた四年の歳月を
(今回)自然と感じさせるものになっていたかと思う
初演では唐突に四年?!経ってる?のね?的に
今ひとつわかりにくかったような(記憶曖昧)
別に言葉としてどこで語っている訳ではないけれど
花道での友右衛門と数馬を観ていると
二人で過ごした月日がきちんと見えてくる
どうしてなのかわからないけど
この辺りから数馬がやたらカワイらしい

手を繋ぐのも主導権?はもちろん友右衛門
友に手をひかれうつむき加減に楚々とついてくる
それだけで“日々”を感じる
武士としての心や たしなみを教え学び
仇討ちの為の剣術の稽古に明け暮れながらも
二人の蜜月(というのか?)が
想像でき(イヤらしい意味じゃないよ(笑))
より心の結びつきが強くなっているのだろうなと
なんかココでものすごい感動~


染五郎・愛之助のご両人 お二人ともスゴ過ぎます~
数馬は一人たたずむ時より
友右衛門と一緒にいると輝く


(女の子と一緒よね~こういうの)
それは数の友に対する信頼感でもあり
守られてるという安心感からくるもの
友右衛門の心の大きさがそうさせるのかもしれない
そしてまだまだ続く?!のは何故?!

もう4月歌舞伎座も初日を迎えようというのに
書いてる途中で染模様熱がぶり返してきて
だんだん悪化してくるという悪循環
せめて こんぴらが始まるまでは
許容範囲ということでお見捨てなきよう~
いよいよ?!火事場から終焉
・・・其の3 へ
