下記歌詞をなんとな~くでも頭に描いて
次記事をお読み頂ければと
→ 川口秀子追善継承の会
※いろいろ調べましたが微妙に歌詞が違ったもの数件ありご容赦
--- 古道成寺 ---
昔々この処に まなごの庄司といふ者あり
かの者 ひとりの娘を持つ
またその頃 奥州よりも熊野へ通る山伏あり
庄司がもとを宿と定め 年月送る
庄司 娘寵愛のあまりにて あの客僧こそ
汝が夫と戯れしをば 幼な心に誠と思ひ
明かし暮らして 御在しける
その後 娘 夜更け人も静まりて 衣紋繕ひ 鬘かき撫でて
忍ぶ夜の障りは 冴へた月影 更けゆく鳥か音
それに嫌なは犬の声 ぞっとした
人目忍ぶ夜の憂や辛や せきくる胸を押し静め
かの客僧の傍へ行き いつまで斯くて置き給ふ
早く迎へて給はれと ぢっとしむれば
詮方なくも客僧は よれつもつれつ常陸帯
二重廻りに三重四重五重 七巻まいて放ちはせじと ひき結ぶ
切るに切られぬ我が思ひ お馬繋ぐは そら嘘つきよ
とても寝よなら はて諸共に 縁は朝顔 浅くと侭よ
せめて一夜は寝て語ろ 後ほど忍び申すべし
娘まことと喜びて 一間の内にぞ待ちいたる
その後 客僧は 仕すましたり と それよりも
夜半にまぎれて 逃げて行く
幸い寺を頼みつつ 暫く息を継ぎたるところへ
娘駆け来たり ええ腹立ちや 腹立ちや
我を捨て置き給ふかや なうなう如何に御僧よ
何国までも追つかけ行かん 死なばもろとも二世三世かけ
逃すまぢとて追つかくる
折りふし日高川の水嵩まさつて 渡るべきもあらざれば
川の上下 あなたこなたと尋ね行きしが
毒蛇となつて 川へざんぶと飛び込んだり
逆巻く水に浮いつ沈みつ 紅の舌を巻きたて
焔を吹きかけ吹きかけ 難なく大河は泳ぎ越し
男を返せ戻せよと ここのめん廊 かしこの客殿
くるりくるりと追ひ廻り なほなほ怨霊威丈高に飛び上がり
土を穿つて 尋ねいる 住持も今は詮方なく 釣鐘下ろし隠しおく
尋ねかねつつ怨霊は 鐘の下りしを怪しみ
龍頭をくわへ七巻き巻いて 尾をもって叩けば
鐘は則ち湯となりて つひに山伏とりをわぬ
なんぼう恐ろし物語り
