二月博多座花形歌舞伎 続きです
  → あらすじ等/博多座公式サイト

いつにも増して
きっと観た方しかわかりません その上長文御免
そして覚え書き あらため 萌え書き です


◆猿之助十八番の内
 ・金幣猿島郡(きんのざいさるしまだいり)
   宇治通円/橋姫社/木津川堤 の場
    ~亀治郎宙乗り相勤め申し候
   四世鶴屋南北作/市川猿之助演出

清姫/藤原忠文 亀治郎
北白川の安珍 実は
文殊丸頼光    染五郎
寂莫法印      獅 童
将門妹 七織姫  梅 枝
およし 実は 腰元桜木  門之助
如月尼 実は 乳母御厨 歌 六

 ・大喜利所作事
  双面道成寺(ふたおもてどうじょうじ)

白拍子花子 実は 清姫の霊
狂言師升六 実は 忠文の霊
           亀治郎
田原藤太秀郷  獅 童
将門妹 七織姫  梅 枝
文殊丸頼光    染五郎


●亀治郎さん
想像はしていましたが
どこを切っても切っても亀治郎さん!
清姫・忠文 白拍子(清姫の霊)・狂言師(忠文の霊)を演じ
宙乗りはするわ鐘によじ登るわ(道成寺だから当たり前ですけど)
立ち廻るわ舞うわ 唄・・・さすがに唄いません
七織との とある場面では少しエロおやじ入ってたり(笑)?
と大忙しの亀治郎さんです
嫉妬するとか呪うとかって きっと演じるの疲れますよね(笑)
まあ楽しんで演じられてるのわかりますから そんなこともないのかな?

しかし亀治郎さん 最近こういうの多くないですか
いつから目覚めたのかしらん?
でもやっぱり女形の方が好き~
個人的に立役の時の声の出し方が実はちょい苦手
今回なら清姫が一番好きかも
嫉妬メラメラの それでいてなぜか愛らしく見える亀/清姫
化けちゃうとこまでいくと怖いですが
女としての気持ちはよくわかります~って感じ
竜馬のおりょうさんみたいな ちゃきちゃきも好きでしたけどね

見せ場のひとつ宙乗りは琴の音色なんかもあって
スローなもの 想像とちょっと違ってました
どうしてもまだ昨年10月の人間豹がアタマにあるので
ものすごく優雅な空中散歩という印象
しかし亀治郎さん 飛んでる最中にしっかり客席観てません?
どなたかお探し?ってくらい(笑)
怖くないんでしょうか高いところ


●獅童さん
寂莫法印をみた途端
12月りびんぐデッドの和尚さん(死神)を思い出してしまいました(^o^;
私は歌舞伎ではあまり拝見したことのない役者さんですが
このお役 イキイキされてました

田原藤太秀郷の押し戻しでは
なかなかあのド派手な衣裳と隈取りもお似合い


●歌六さん
久しぶり?の女形を堪能出来ました
乳母として七織を守ることの使命感
清姫の母としての毅然とした態度
薙刀もっての立ち回り キメがこれまたかっこいい
そうそう
第31回松尾芸能賞/演劇部門優秀賞を受賞されたそう
近年の老け役が認められたとのこと
うれしいな~


●染五郎さん絡み
この演目で一番の発見 目
それは・・・
染五郎さんと梅枝クンの“頼光七織”カップルが
とても見目麗しくお似合いだったこと
そこ~  なんです
さすが時蔵さんのお嬢さん・・・ではなく御子息です(笑)
お嬢さんといってもいいくらいキレイ
今回はお姫様なのであまりセリフもなく
お姫様然とした所作だけなのですが
これから頑張って頂きたいです

12月の七之助さんとの“半助お葉”カップルも
とてもよかったのですが
設定が設定(くさや売り夫婦)だけに麗しいというよりは
お芝居の息がぴったりの素敵カップルでしたけど

最近花形ならではといえお相手が
お若くて美しい方(←好みの問題)が多くてうれしゅうございます
年上のお相手 それはそれでよい事もあるのですけれども
発言に何か問題あります(笑)?

今回 染五郎さんは衣裳替えが多くて
視覚的にとても楽しめました
というかこの演目 心情がどうとかいうより
キレイで (七織姫に)優しくて(←嫉妬~(笑))
凛々しい染五郎さんが拝見出来る演目~

冒頭の浅葱色な衣裳の安珍/修験者姿は
とても鳴神上人チックな御髪だったりで
途中から素足です素足~ 
鳴神上人 また観たいです

実は頼光とわかってからのお姿は
茄子紺のお着物がよくお似合いです♪
目が見えるようになった清姫に
私が恋い焦がれてるのはこの方じゃと言われ
???えっ?!ぼ ぼ ぼくですか?
みたいなオロオロが妙に可愛くて
でも一夜だけでも共にした清姫の顔を忘れてるってのも問題(笑)
でも憎めません文殊丸さま~

七織と頼光の奥の一間でのシルエット
思わず染模様ですか?と言いたくなりますが
素敵にエロチックでした
みてはイケナイものをみてる気分
嫉妬しそうなくらい美しかったです
あれをみれば亀/清姫が嫉妬の嵐を巻き起こすのも納得

美しいといえば
舟で逃げる途中 気絶した七織に水を口移しで飲ませる
もちろん着物の袖で隠してはいますが
それがまたなんともキレイ
目の前でそんなことされては

みえそうでみえない とか 隠す とか
されると妄想が膨らむ一方で困ります(笑)

双面での登場は 川面法眼館の義経 や
蜘蛛の糸の源頼光が着ている小忌衣(おみごろも)
襟の部分がエリマキトカゲみたいなヤツね(笑)
お姿がだんだん高貴になってきて

で最後がこれぞ頼光~って感じ?
翁掛けの金の立烏帽子に朱色のお着物 萌黄の袴
高級官吏っぽ~い?

押し戻しが入っての舞台面は
田原藤太秀郷 清姫の霊 頼光 七織と並ぶと
それはそれはキレイで豪華でした


●その他
火事場 燃え盛る火の海
赤い振り落とし幕 崩れる屋根
すさまじく鳴り響く鉦の音とくれば
一気に染模様の火事場へワープしそうでした


双面道成寺 = 娘道成寺 + 奴道成寺 を足して
豪華絢爛の登場人物って感じ

奴道成寺の三つ面を取り替えての踊りは
ひょっとこ・おかめ・お大尽と
踊り分けているといえ亀治郎さん
女形なのが出てるかも?日頃から染み付いているお役が
自然表れるのかなと思ったり

面を次々取り替える後見さんとの息の具合
昨年巡業で拝見した染五郎さん素敵でした
・・・やはり同じモノ演ると比べちゃう


これ書いていて この演目 突っ込みどころ満載!
なのが今更よくわかります(笑)
突っ込みどころ=ツボ・ポイントだったりもするのですが

猿之助丈自身が演じられた
猿之助歌舞伎って拝見したことありませんが
こういうものなんでしょうか
ケレン味たっぷりなお芝居って
よ~く考えれば それどうよ!の多い世界
だからおもしろいのかな

舟の場面 火事場 宙乗り 
今回一階と幕見両方体験しましたが
上から観るのも一階からとは違う博多座の空間
広がりが感じられ なかなかおもしろかったです
演目によっては博多座の幕見(もしくは3階)結構おススメ!


ここまで読んで下さった方がいらっしゃるかどうか
定かでありませんが もうすみませ~ん
思い出しながら壊れてるのでお許しを

           ~ 其の3 へ続く

  → 二月博多座花形歌舞伎・番外篇
  → 二月博多座花形歌舞伎・其の1