川口秀子 追善継承の会
3月21日(日)
会場:青山銕仙会能楽研修所
(収容不明200も入るのかしら?)
夜の部 17:00~19:30
1 ご挨拶 / 小山明子
2 地唄 鐘ヶ岬 / 川口園加
3 地唄 雪 / 花柳春
4 地唄 菊の露 / 川口牡丹
5 東は東
川口小枝・水島裕・重田尚孝
6 地唄 古道成寺
川口千枝・市川染五郎
演奏:富山清琴
※確か 3.雪 の演者が交代されていたような記憶
川口秀子さん
・・・失礼ながらその道の方々にしかわからないかも
私失礼ながらご案内を頂いてから調べました
・・・ら 日本舞踊・川口流創設者・地唄舞の名手
古典と現代を融合させる舞踊作品を
夫/武智鉄二氏と共に上演
・・・これでもピンとくる方いるかしら?
夫/武智氏は歌舞伎評論・演出を手掛け
武智氏の演出は「武智歌舞伎」と呼ばれ
一番知られている(私たちにわかりやすい)のは
歌舞伎舞踊 蝶の道行 ではないでしょうか
何年か前に 梅玉さんと福助さん
そのまた何年か前の納涼で
染五郎さんと孝太郎さん にて上演
通常の歌舞伎とは違った演出で
照明効果や衣裳も斬新というか
妖しい雰囲気が漂っていたのを思い出します
たぶんこういう繋がりで染五郎さんは
今回招かれたのではないでしょうか
私がこの公演に行こうと決めたきっかけは
まさに 蝶の道行・古道成寺・染五郎 この3つ
秀子さんは昨年1月にお亡くなりになっていて
3/21この日 お孫さんの千枝さんが
三代目名跡を継がれるお披露目でした
場所は能楽堂ですからお席は正面とワキ
この研修所は中正面がありません
やはり踊りですからワキの前より
正面のお席がよいでしょうと思い
自由席でしたので正面席へ
椅子席ではなく階段状の板間にお座布団
女優・小山明子さん(大島渚映画監督の奥様)のご挨拶で幕開き
一門の皆さんの舞いや二代目・小枝さんらによる
一風変わった狂言もあったり
そして会の最後を飾るのが三代目お披露目の演目
千枝さんと染五郎さんによる 古道成寺
染五郎さんは 庄司/安珍/僧 を演じ舞います
※古道成寺・歌詞を頭に描いて頂くと
少し想像はして頂けるかな?と思います
→ 前記事 古道成寺
鏡の間と本舞台を結ぶ橋懸りに
染五郎さんが現れた瞬間
辺りにピンとした空気が張り詰めます流石です
白ともいえずシルバーとも言えず
乳白色にひとしずく銀を落としたような
なんとも素敵な風合いのお召し
それに あずき紫に若干茶色を強くしたような色の袴
御髪はいつも素踊りの時と同じく
きれいにセットされ撫でつけた感じ
ってわからないですよね?すみません
眉はキリリで湯あがり?というような
何とも言えない色っぽい雰囲気
決してホカホカした湯上りという意味でなく(笑)
艶やかってイメージです はい
水も滴るいい男

歌舞伎の世界だと日頃女性と踊られるのを拝見することがないので
(松本流公演での事は別ね)
観る方も ちょっと違う世界のようで
お相手が女性というのもありドキドキ

千枝さんがこれまた お顔ちっちゃくて可愛くてキレイ
それでいて キュッと結んだ口元には意志の強さも感じられ
とってもお似合いでした

おふたり並ぶだけで満足しちゃうくらい
でもその分 嫉妬もしちゃう(笑)

とある箇所で染模様を彷彿せざるを得ない場面(笑)も
染模様ご覧になった方は絶対そう思ったはず~

でもそこはぐっとこらえまして
お二人の古道成寺の世界へ
お顔に表情はないのですけれど
何とも言えず全体から雰囲気から魅せて下さいます
言葉で表すととても陳腐になってしまうようで勿体ない
振り付けも結構妖艶だったりするのですが
それを美男美女で演じますから目も心も釘付け
扇を手にしたまま腰を落とし静止の場面があり
(千枝さんが舞っている間)
微動だにしないスゴイ集中力
相変わらず伏せた睫毛は長く美しく

舞う事による“動”の美もありますが“静”の美
いずれにせよ美し過ぎてため息~の世界です



20分弱の地唄舞いではありますが
息もつけないほど研ぎ澄まされた空間が
そこには広がっていました
あぁ~やっぱり拝見してよかった♪
千枝さんのお母様小枝さん
風変わり?な狂言なのですが
東は東でみせて頂いたパワーはかなりのものでした
持っている雰囲気というかなんというか
娘さんとなんだか繋がらないな~(笑)
客席には今井今朝子さんもいたらしい
→ 今朝子の晩御飯
