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  → 回顧録 ~乱歩の世界 より続き


歌舞伎ならではといえば
盆を使った鏑木の居城・羅城門の
回りながらのせり上がりは
最前列からだと 地響きと共に
一夜にして 要塞のような羅城門が出現!みたいな感じで
すっご~圧巻!のひとことです
唖然と見上げておりました \(゜□゜)/

大洪水の場面では
波布を動かす人(波後見というらしい)も波に同化し
流されるモノやヒト 船や土手 を最初見た時
パルコ歌舞伎を思い出し(笑)ニヤニヤ

いろは送りに京人形・・・も取り入れられ
知ってなくても十分にその場面は理解出来ます
かくいう私も公演期間途中で知りました~


きはものやの場での
錦弥さん/番頭伍助 と 錦成クン/丁稚長吉 の
「つるつるて~ん」は観客を
 → そうだ 京都行こう!
の気分に誘うもの(笑) がんばっておられましたね~
よい兄弟コンビという感じで
長吉の命がこと切れる時 一層悲しかった (ノ_・。)

高麗蔵さんは今回も哀しい性の女性
紫色の くの一 ばりのお衣裳もお似合いでした

梅玉さん/鏑木 妖しさでピカイチでしたね
ものすごくハマってらしたと思います
人形しか愛せないなんて
ストイックというかサディスティックというか

その部屋子さんの梅丸クンが
随分おとなっぽくなっていて
染五郎さんの鏡獅子で
錦成クンと胡蝶を踊った頃が遠い昔のよう (^▽^;

陶器のように透き通る白いほっぺが
女の子(子供)なのか 女性(大人)なのか
心がない(人形な)のか 心を持っている(人間な)のか
台詞はひとこともありませんが
とても重要なお役を 今だから醸し出せる
中性的な魅力とでもいいましょうか光ってました

花がたみが 表情ひとつ変えず
でも感情が反映され ひとたび動き出したとたん
うわぁ~と感動~鳥肌がたち なんだか涙が出そうに
全ては 花がたみが大好きだった大子の心だったのですものね

テ ィ ン ク の 覚 え 書 き-0910京乱噂鉤爪11
上村松園(1875~1949)作 『花がたみ』

謡曲“花筐”を題材としたもので
思慕の深さのあまり発狂した哀れな女の恍惚の舞だそう
脚色の岩豪さんは この画に魅かれていらっしゃり
情念という意味でエピソードとして取り入れたかったのでしょうか

実は同時代に松園と並び
美人画を語る上で欠かせない三巨匠のひとりに
鏑木清方(1878~1972)という画家を発見・・・
ここから“鏑木”のお名前拝借したのかなぁ?


恩田は孤独感に耐えきれず
自分の身を大文字の炎に焦がし
その姿かたちの存在をなくする事で
解放される(かどうかは別)かもしれない
という思いだったのか

その姿かたちから
人としての心を持ちながらも
人として生きる事ができなかった恩田は
孤独な心を抱いたまま
最期を迎えてしまったのではと思うと心が痛みます

テ ィ ン ク の 覚 え 書 き-0910京乱噂鉤爪10

大詰めで空から降ってきた
明智が拾い上げた1つの爪
すごく切なかった

・・・のですが
カーテンコールですっぽんから登場の染五郎/人間豹
の手指を一応 気にしてみました(笑)
・・・ら ちゃんと爪5本ありました(爆)
そこまで気にしてませんよね~
それこそ1つだけ無かったら感心しちゃいますけど
付け爪じゃないんだし (^▽^;


しかし何もないところからの
乱歩歌舞伎第2弾~京乱噂鉤爪
回顧録をまとめるにあたって
いろいろ思い出したりしていると
あらためて
1からここまで創り上げた事は
価値ある凄い事であり 素敵な事だな~と
そんな簡単な言葉で片付けられないのですけれどね



途中まで書きかけていて
何となく最後の詰めが出来ずに約ひと月放置 (;^_^
何とかチカラ技で?今回まとめました
いまさらな覚え書きを
長々と読んで下さった方には感謝いたします

              ティンク♪