※デパチに行ってきた話を終わらせていなかった。




縄に続いて鞭、蝋燭とクールな女子が受け手のプレイを堪能したのち。

それからもステージにて興味深いショーは続いた。


綺麗なクイーンさんたちやマッチョなお兄さんたちのファニーなショー、リアル人体改造なんかも面白かったよ。

スプタンやらピアスやらタトゥーやら。ただSMに限らず爬虫類界やバンド界隈には人体改造系はたくさんいるから、このへんは個人的には見慣れていた。




時刻はAM3時を過ぎて、まだまだ賑わいは終わりを見せなかったけど、我々はおいとますることにした。


近くに部屋を取っておいて良かった。


会場にいるときは熱に浮かされたようであんまり感じていなかったけど、ホテルの部屋に入ると2人ともぐったりと疲れていた。

アドレナリンが出過ぎたのか、陽の空気を浴びすぎたのか。

リオのカーニバル・アングラver.とでも言いたいような華やかさ、賑やかさで、とことん突き抜けた底抜けの明るいオーラに我々はやられてしまったのかもしれない。妖魔に精力を吸い尽くされたらこんなになるに違いない。


ディズニーランドから一歩出て、しぬほど疲れている自分に気づくときみたいな疲労感があった。


這々の体でベッドにもぐりこみ、泥のように眠った。





緊縛、SM界隈に身を置いたとき、ここが自分の居場所になればいいなあと思いながらも、

私には、此処でしか生きられない人たちの背負う悲壮感とか湿っぽさとか真剣さ、みたいなものは無いなあ、私にとってはどれもこれもあくまで遊び、とだんだん分かっていった。

閉鎖的だからこその親密さ、共犯関係、依存関係、誤解を恐れずに言えば悲劇自慢、みたいなからみつく湿度をほんの少し面倒にも思ったのだけど、この夜、デパチにはそんなものは感じなかったな。


ただこう生まれついたからこう生きている、みたいな気取らなさがあって、たぶん私の性格的にはこういう場所のほうが性に合ってるんだろうな、とは思った。



世の中には色んな世界があるね。

まっすぐ前だけ見て歩いていると気づかない脇道地下道を覗いてみると、それまでの狭い常識の通じない場所がたくさんある。


私はこれからも野良猫で、どこにも属さずあっちこっち顔を出して、なんにも残さずただ自分の頭のなかに色んな景色を詰め込んでいくのだなあと思っている。

そして今はときどき、その隣に優しい雄猫が連れ添ってくれて嬉しいのである。



次はどこに行こうかなぁ。