しばらく鞭で遊んだあと、そっと肩を押されてベッドに仰向けに横たわる。
ごそごそと足元で物音がするから、
ゴムでも探しているんだろうか?シャワーの前にやるのかな?と考えていると、カチリとライターの音がした。

ああ、前回のハプバーの帰りに私が「蝋燭やりたい」って言ったの、覚えててくれたんだな。

スカートの裾をぐっとまくられて、ベッドの端から飛び出る脚のふくらはぎ辺りをアオくんが片手で支えてくれている。
膝から下に蝋燭を受けるのはちょっと怖い。
足先に行くほど冷えているから、蝋が一層熱く感じられる。
だから、楽しい。

あえて目線を向けずに天井を見つめたまま、最初の一滴がいつ落ちるかとはらはらした恐怖を楽しむ。

ぽたっとすねに熱い蝋涙が落ちた瞬間、針で突かれたような刺激を覚えて過剰に脚が跳ね上がった。
アオくんが力を込めて私の脚を押さえ込む。
そこにぱたたたっと続けて蝋が落ちる。
皮膚の表面に電気が走るみたいだ。
溜まった蝋がじりじりとすねの横を伝って垂れていく。新しい肌の上に蝋が次々落ちてきて、皮膚を焼く。垂れる。また焼かれる。
一瞬の熱針に刺されたあとを撫でるようにゆっくり垂れていく蝋の粘ついたこそばゆさで肌が溶けていく。
ある程度コーティングされたらアオくんが手のひらでスタンプするように蝋を押し付け、少し冷まして端からゆっくり剥がしていく。
熱の塊が剥がれてひんやりとした空気が忍び込んでくる快感と、固まった蝋が剥がされるくすぐったさ。
剥がしたあとの蝋の雫の先っぽでさわさわとくすぐられる。つま先がもぞもぞ暴れる。


そこまでが1ターン。
今度は熱を帯びて敏感になった肌の上に、もう一度繰り返す。
熱いと痛いとくすぐったいと気持ちいいは全部溶け合ってひとつになる。


「さて、もう一回。頑張れるかな?最後がいちばん熱いと思うよ」

3ターン目は足の甲だった。
触れるアオくんの指すら温かく感じられるくらいに冷えているつま先。
明日、ネイルを塗り直すつもりだったから、珍しく裸のままの足の爪が妙に気恥ずかしい。


ぽとり、と甲に落ちた途端に大きくびくんと跳ねた。