焼き鳥が食べたいというので連れて行かれた。

S氏はいつも勝手に2人分頼んでくれるから、目の前に出されたものを食べるだけでいいのでユカリ的にはめっちゃ楽。


向こうは珍しくたくさん食べているが、ユカリは少しつまむ程度であとはもっぱら飲む専門。


「いつも何食べて生きてんの」

「んー何かなあ」

「食わんし寝んし、相変わらず全ての欲求を性欲に振ってる女。」



ユカリは最近はじめた推理パズルがあって、そちらの謎に行き詰まっていた。

同じゲームをとっくに解き終えているS氏にヒントを求めたところ、スマホを見返しながら糸口を探してくれる。


食事をしながらスマホとにらめっこしているS氏に矢継ぎ早に色んな話題を振る。


S氏のバスケの話、姉妹の話、さっき行ってきた脱毛の話、性病検査に行った話。


聞いていないようでいて聞いているS氏は


「それで、この半年間にやった相手は何人やったん」

「えーと、そんな多くない。…20人くらい」

「それでもすごいけどな」

「今続いてる人なんかほとんどいてないよ」

「ほー。そしたら俺は選ばれたんやな。その20人は全員最後までやってんの」

「挿入してるかってこと?当たり前やろ!!あなただけですよ、あんなん!!



公共の場での猥談。隣席はすぐそこなので声をひそめて話しているというのに思わず熱くなってしまう。S氏はこっちも見ずに笑っている。


「でももうTinderは飽きてきた。最近、違うサイトで変な人に会った」


キングにNTR会に誘われた話をした。


「ああ、ええやん。行ってきたら?」

「なんか有名な裏サイト勧められてんけど知ってる?」

「◯◯やろ?俺も若い頃はそこの住人やった」



界隈!!

やっぱりここが界隈なのか!!

ありがとうキング…!




「ユカ、ヒント書いてきた?」


「あ、忘れた」


「あとでコンビニでペン買おう」



以前ユカリがS氏に出した、自作のクイズの話。

S氏にしても解けないと言うので、ヒントを自分の体に書いておくと伝えていた。



えっ、あれ、その場のノリで言ってんけど、

S氏意外と乗り気やってんな

ユカリその話忘れてたけど。