さて次の土曜日。


ユカリは15時からライブに行き、そのあと友人達とそのままアフター飲み会になだれ込み、20時頃アオくんとハプバー。

というなかなかハードなスケジュールを組んでいた。


ライブは盛り上がって、友人達と女5人で焼肉。酒を飲んだ彼女たちがなかなか帰してくれないので難儀しました。

男と飲みに行くと言ってあったので、ここに呼べと言って聞かない。



このあとバーカクテルに連れてってもらうから!



と強引に抜け出したけど、どこのバーに行くんだ、私たちも後から行くというのでヒヤヒヤした。

彼女たちはまさかユカリがハプバーに行くとは思うまいが、嘘は申しておりません。



焼肉臭をまとったままアオくんと合流。

ハプバーってお店の場所をサイトに明記していないし看板も出していないので、アングラ感がすごい。

彼に連れていかれるままに繁華街を抜けて、雑居ビルの地下。

なんの変哲もないドア前で電話して、扉を開けてもらう仕組み。



ドアが開くと、マンションの玄関くらいのスペースに狭い受付があって、黒服のボーイが1人立っている。

そこで身分証を提示して会員証を作りなどの作業はアオくんに任せて、辺りを珍しく見回す。


中が見えないようにもう一枚扉があるが、なんだか向こうから聞こえるざわめきがすごいのである。おそらくめちゃくちゃ混んでいる。

閑古鳥も嫌だが、あまりに混んでいるのも嫌だ



靴と荷物をロッカーに入れる。

盗撮や逃走防止のために、お店の中は土足厳禁、スマホ厳禁なのだそう。


それからようやく秘密の扉が開いて、中へ。

ドアを開けるなりあふれ出す多くの人間の気配と人いきれ。


先導するボーイに付いて、おそるおそる踏み出す、ハプバーへの第一歩