さて、前回は
テニスをしていて膝に違和感を感じる→ただの筋肉痛→一向に治らない→病院を変えたところすぐに精密検査を受けるように指示される
所までお話ししました。
今回も続きを書いていきます。
先生から最寄りの大学病院を紹介され、不安な気持ちで病院へ行きました。
MRI, CTを撮り、正確な診断をするために生検検査を受ける事となりました。
生検検査とは、病変の細胞を実際に一部採取する事で、良性/悪性などの正確な診断を下すために行う検査です。
今回の生検検査は、全身麻酔を伴う4日間の入院による検査でした。
傷口はほんの数センチで、手術自体も1時間程度であっという間に終了しました。
初めての全身麻酔でしたので、何が何だか分からずにとても緊張したのを覚えています。
麻酔が入ってから3秒も経たずあっという間に意識が飛びました。笑
手術室は「ドラマでよく見るようなオペ室そのまんまだなぁ」という印象でした。
退院後、診断が出て次の手術をするまでの期間は、片方の松葉杖で生活をしました。
初めての松葉杖でしたので、不自由な事の多さにとても驚きました。スタバで買ったコーヒーを持って帰ることができなかったり、お風呂に入るのに苦労をしたりと。
それと、電車やバスに乗っていても周りの人は意外と気付かずにぶつかってくる人も多いので、外に出る時は細心の注意が必要です。
やはり実際にこのような状況になってみないと、大変さは分からないものですね。。
約2週間後「骨巨細胞腫」と診断され、その後2018年9月に手術を行いました。
骨巨細胞腫とはどのような病気なのかについては、また次回以降のブログに書いていきたいと思います。
<その時のレントゲン画像のイメージ>

手術の選択肢としては、以下の3つの候補から選ぶ形となりました。
①搔爬、人工骨(いずれ自分の骨に変わっていくタイプのもの/β-TCP)による補填
②搔爬、骨セメントによる補填
③人工関節による置換
それぞれメリット/デメリットがあるのですが、いずれ自分の骨に戻っていくことで将来的な影響が最小限に抑えられるという事で、①人工骨の治療法を選択しました。
また、人工骨の補填に加えて、骨の強度を強くするために自身の腰の骨(腸骨)も採取して外側の部分に移植しました。
手術は3時間程度で終了し、その後2週間の入院をしました。
術後は膝ももちろん痛かったのですが、採取した腸骨の部分の痛みが酷く、痛みで寝返りがほとんどできずに3日間ほぼ寝られませんでした。
<術後約半年のレントゲン画像はこちら>

その後、退院してから約5ヶ月間は松葉杖生活をすることとなりました。
人工骨(β-TCP)の場合は自分の骨にいずれ変わっていくのですが、強度が出てくるまでに時間がかかるのでそれまでに荷重をかけてしまうと壊れてしまう可能性があります。
そのため、最初の2ヶ月は全く荷重をかけてはいけない生活をして、その後荷重を1/3, 1/2, 2/3と徐々に負荷をかけていくリハビリを行いました。
「負荷を全くかけてはいけない」とは、バランスを崩して体重をかけてしまったらアウト、
という事です。
これはなかなかのプレッシャーで、特に通勤電車が本当に大変でした。
当時の仕事は事務作業がメインだったため退院後早々に復帰を果たしましたが、毎回タクシーを使う訳にもいかないのでこれまで通り電車、バスでの通勤をしました。
満員電車の時間帯を避け、快速には乗らずに各駅停車に乗ったり、周りの人に助けられながら工夫を凝らすことで何とか過ごすことができました。
そして、めでたく5ヶ月後の2019年1月に松葉杖が取れ、普通に歩行ができるようになりました。
長期間の松葉杖生活であったため、松葉杖なしで歩けた日には感動して泣いてしまった事を強く覚えています。
次回に続く