第15回奥熊野いだ天ウルトラマラソン | 計測工房社長・藤井拓也のブログ

計測工房社長・藤井拓也のブログ

マラソン大会などのスポーツイベントのタイム計測のプロフェッショナル、株式会社 計測工房の社長である藤井拓也のブログ。

昨日(2013年4月28日)、和歌山県東牟婁郡(ひがしむろぐん)那智勝浦町で
第15回奥熊野いだ天ウルトラマラソン が開催されました。計測工房でタイム計測を
担当させていただき、私・藤井が計測ディレクターを務めさせていただきました。

世界遺産の那智の滝をスタートし、同じく世界遺産である補陀洛山寺(ふだらくさんじ)
にフィニッシュする100㎞ウルトラマラソンです(100㎞以外にも65㎞の部あり)。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-5
那智の滝。世界遺産。
この地域は2011年9月の台風によって甚大な被害を受けました。
いまだ傷跡は残り復興途上ですが、滝の威容は健在でした。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-6
夜明け前の深夜2時台から業務を開始し、100㎞部門のスタート地点である那智の滝の
入口付近に写真のような計測用アンテナマットを設置します。ここでスタートチェックを
おこないました。(誰がスタートしたかの確認をICチップでおこないます)


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-7
100㎞部門は朝5時スタート。ご覧のように本当に那智の滝からスタートします。
すばらしいロケーションです。

なお、65㎞部門のスタート地点は離れた別の場所になるため専用バスで輸送され
ますが、65㎞の参加者の皆さんもスタート前に必ず那智の滝で完走祈願をおこなうこと
になっています。事前に参加者の皆さんには参加案内と一緒に同封されて護摩木(ごまき)
が送られており、那智の滝で護摩木を焚いていただいてからスタートします。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-8
100kmスタート!


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-1
今回、コース途中の折り返し地点の通過チェックをICチップによっておこないました
途中地点の通過データはメールでフィニッシュ地点に送信しました。(緒方撮影)


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-2
緒方は車内でオペレーション。(緒方撮影)


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-3
今大会ではコース途中に31ヶ所のエイドステーションが設置され、各種ドリンク
(水、アクエリアス、コーラ、カルピスなど)、バナナ、いちご、みかん、そうめん、豆腐、
水ようかん、梅干、あめ、チョコレート、地元の色川茶の茶粥など、ふんだんな
提供があります。エイドステーションには「次のエイドステーションまであと○○km」、
「次のトイレまであと○○km」などの丁寧な案内も書かれていました。(緒方撮影)


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-11
熊野のシンボル、八咫烏(ヤタガラス)。那智の滝までの距離表示は至る所にあります。
三本足をした神の化身であるヤタガラスは日本サッカー協会のエンブレムでもおなじみ。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-4
日本の初代天皇である神武天皇に力を貸したヤタガラス。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-9
フィニッシュ地点は補陀洛山寺(ふだらくさんじ)。手書きで書かれた横断幕が
何とも言えない手作り感を醸し出しています。(後述しますが手作りの良さが絶賛
されている大会です)
地面にはタイム計測用アンテナマットが設置されています。今回の計測は
参加者の皆さんのゼッケンに装着したICチップでおこないました。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-10
補陀洛山寺(ふだらくさんじ)。世界遺産。建立は4世紀(仁徳天皇の治世)。

南海の観音浄土(補陀洛浄土)を目指しておこなわれた一種の捨身行が、
補陀洛渡海です。平安時代から江戸時代までこの補陀洛山寺の住僧たちが
那智の海岸から渡海しました。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-16
補陀洛山寺(ふだらくさんじ)は、熊野三所大神社(くまのさんしょおおみわしゃ)と
隣接しています。両社には垣根もなく、神仏習合の名残です。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-15
熊野三所大神社(くまのさんしょおおみわしゃ)の境内には神武天皇頸宮跡が。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-12
フィニッシュ地点にコンテナハウスが設置され、その中が私の仕事場の記録室
となりました。ここでスタート人数、途中通過情報、フィニッシュ集計、出力など
おこないました。途中リタイア情報なども随時入り、人数管理データをまとめます。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-13
同じコンテナハウス内に完走証発行所も設けられました。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-14
会場内のインフォメーションボードには、コースマップの他、交通機関の案内、そして
リザルトなど各種インフォメーションが掲示されていました。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-19
フィニッシュ前は沿道の応援の方とハイタッチ。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-20
最後に花を一輪受け取ってフィニッシュに向かいます。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-21
フィニッシュへ!


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-17
フィニッシュテープを持っている見目麗しい素敵なお嬢さんたちは、
いにしえより伝わる「熊野詣で」の衣装に身を扮してムードを盛り上げています。
フィニッシュテープは優勝者だけではなく、全完走者にテープを張ってくれます。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-22
フィニッシュすると、「手作り完走木札」を首からかけてもらえます。
さらに、おしぼりサービスがあり、非常に好評です。

地元の熊野にこだわり続けること数十年、新宮市のタウン誌『かまん・くまの』の
編集発行人である見臺洋一氏が1枚1枚直筆で木札を書き上げています。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-18
各自のタイムと順位の印刷された完走証が発行されます。
なお、完走証が汗などでグシャグシャにならないよう1枚1枚クリアフォルダーに
挟んで
手渡されています。

なお、100㎞部門に限り、当日の体調にあわせて100㎞の完走が無理だと判断した場合、
62㎞のショートカットコースへの変更が用意されており、走っている途中でコース変更
してショートカットしてもフィニッシュできるよう配慮されています。
ただし、ショートカットコースに変更した場合、オープン参加となり順位は付きません。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-25
会場では各種の飲食物サービスが用意され、完走した皆さんに、手作りのうどん、豚汁、
各種ドリンク(ビールあり!)がふるまわれました。

走り終えた参加者の皆さんが思い思いに飲食しながら、くつろぐ姿が会場内の
そこかしこで見られました。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-23
今大会では10回完走または5回優勝すると「奥熊野韋駄天(いだてん)」の称号が
授与され、翌年からはゼッケンが「数字」ではなく「名前ゼッケン」になる名誉が与えら
れます。ご覧の参加者の方は見事に10回完走を達成し表彰を受けているところです。

なお、ウルトラマラソン界では10回完走で称号が与えられるというのはちょっとした
トレンドです。サロマ湖100㎞ウルトラマラソンでは10回完走で「サロマンブルー」、
星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソンでは10回完走で「デカフォレスト」など。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-24
100㎞部門の制限時間は14時間30分で、夜の19時30分までレースは続きます。
夜の会場はご覧のような雰囲気になります。


計測工房社長・藤井拓也のブログ-130428-26
大会実行委員長の関康之さん。関実行委員長の情熱と慈愛の心が
この大会の原点であり、原動力です。


とにかく地元の皆さんの手作りをベースに、参加者へのおもてなし、ホスピタリティが
これでもかとあふれている素晴らしい大会でした。15年の歴史の積み重ねの中で、
小さなことでも毎年創意工夫と改善を重ね、他の大会の良いところを取り入れ、
ここまでの形になっているということが伝わってきます。

たとえば、エントリー時に参加賞の有無を選択できるようになっていたり、大会前日には
前夜祭があったり、レース後には地元の温泉無料サービスがあったり、さらに大会後日
にはフィニッシュシーンの写真入り完走証が送付されたり、おもてなしの心が満載です。

決して交通の便が良いとは言えない奥熊野の地に、全国からの参加者がいるのも、
そして一度参加された方はリピーターとなって再び参加してくださる確率が高いのも納得
です。




This is timing man. We are professional timing man.
Born this way. This is an everlasting journey.


今回も一期一会の貴重な仕事の機会を頂戴したことに感謝です!
この現場が次の現場に繋がりますように。