一昨日(2010年10月28日)の朝日新聞のスポーツ面に、「駅伝に力を注ぎ
すぎ、トラック種目やマラソンの強化がおろそかになった日本の長距離界
のことをガラパゴス化している」として報じている記事がありました。
その中で触れられていたのが西池和人選手(須磨学園高校)です。
以下、抜粋します。
ここから転載
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今年の世界ジュニア選手権5000mで7位だった西池和人(須磨学園高校)
の発想はヒントになりそうだ。
中学時代に頭角を現した西池は、高校進学時から「五輪を目指せる環境」
で進路を選んできた。来春、法大に進む予定だが、練習は実業団の強豪
コニカミノルタに通う。
「箱根駅伝は出られたらいいな、というぐらい」と西池は話す。
須磨学園高校で指導する山口哲がプランを明かす。「箱根駅伝は1km
2分55秒から3分のペースの世界。西池が目指すのは2分35秒で5000mを
走り切る力。日本人初の5000m12分台を20歳前後で狙おうとしている。
そう思ったら、強い外国人がいる実業団で鍛えるしかない」
西池は大学の枠にとらわれず、実業団の環境を自分の目標のために
取り入れる。(以下、略)
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ここまで
西池選手は記事にあるとおり、今夏の世界ジュニアの5000mで13分54秒33
(高校歴代11位)をマークして7位入賞した長距離界のホープです。
しかし、高校時代から5000m12分台を目標に掲げている選手はそうはいない
と思います。(日本記録は13分13秒20)
5000mでは日本人は世界レベルから遥かに後れを取っています。世界記録
は12分37秒35に達し、五輪や世界陸上で入賞するには12分台の力は必須
と言えます。ですが残念ながら現役選手には12分台に近付きそうな気配すら
感じることが出来ません。
そんな中、西池選手が12分台を目指すことを目標にしているのは非常に
新進的で好感が持てます。たぶん最初から本気で世界レベルを目指さない
ことには、近付くことさえ出来ないと思います。
日本人長距離ランナーには、「日本人が世界で勝負できる種目はマラソンだ」
との先入観があり、トラック種目の5000mや1万mはそのためステップ程度に
しか考えていないのが一般的です。そんな慣習や先入観、そして世論や
マスコミなど歯牙にもかけず、本気で5000mで勝負をしようとする選手があら
われてもいいと思います。