本日の日経新聞 ですが、以前NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀 」にもご出演
されていた建築家の隈研吾 さんの記事が掲載されていました。
中国で引き受けたある仕事が、ふたを開けてみたら業界常識では考えられないような
低価格だったといいます。結局、何千万円も持ち出して大赤字となったが、その仕事が
評価され、中国での仕事が次々と舞い込むようになったという話でした。
「赤字必至の小さな仕事でも面白いと思えば引き受けてしまう。小さな仕事が大きな
プロジェクトに繋がっていくのである。」と書かれていました。
この発想、心から賛同します。
もっとも、現実的には赤字必至の小さな仕事を面白いからというだけの理由で受注
したら、社員から怒られるのがオチですが(笑)。
隈さんの独特の流儀と言えば、「負ける建築」です。これも今日の記事でも触れられて
いました。つまり、それぞれのプロジェクトの環境や制約にあえて逆らわずに、従うこと
から新たな創造を生み出そうというもの。場所やプロジェクトのマイナス条件を建築の
個性にしてしまうということ。
計測工房の企業理念の中に、「どうやったらできるかを考える」というものがありますが、
僭越ながら隈さんの「負ける建築」に通ずるものがあると思っています。
仕事において、予算、スケジュール、人、モノ、技術、など出来ない理由は簡単に出て
きますが、それでもその条件の中でどうやったら出来るかを考えるというのが計測工房
のスタンスです。
実際にそういった悪条件下での仕事のほうが、通常の仕事よりもはるかに面白くて、
自分の成長に繋がることは私自身の経験から実感しています。