新年にあたっての目標発表と、箱根駅伝について | 計測工房社長・藤井拓也のブログ

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マラソン大会などのスポーツイベントのタイム計測のプロフェッショナル、株式会社 計測工房の社長である藤井拓也のブログ。

私は今年、起業いたします。

職種は、今まで9年間やってきた「ICチップを使ってのマラソンなどのスポーツのタイム計測」です。

そして、私の目標とするところは・・・、


世界一のプロの計測会社になること


です。これしか目標はありません。

ナンバーワンにも色々な定義が出来ると思います。

企業としては売上や利益も大切なのですが、私にとっては売上や利益よりも大切なものが「仕事の中身」

です。仕事のクオリティといっても良いでしょう。プロとして顧客に最大限のクオリティの仕事を提供すると

いうこと以上の望みはありません。

今の日本には私の理想を実現できる計測会社が存在しないので、私が作ります。


以上、起業と新年に際しての私の宣誓でした。




さて、箱根駅伝

終わってみれば順天堂大学の圧勝でした。往路を終わって1分40秒あまりだった2位とのタイム差が、最終的

には6分あまりの大差になっていました。


この箱根駅伝ですが、お正月の風物詩としてTVで観戦された方も多いと思います。

今回、私は仕事で関わらせていただくことが出来たわけですが、関わらせていただくことであらためて、この

スポーツイベントの持つ特異な価値というものが見えてきました。


箱根駅伝といえば日本人のほとんどがその存在を知っているであろうネームバリューを持っています。

では、箱根駅伝の定義を正確にご存知でしょうか?

 (1)箱根駅伝は日本一のチームを決める駅伝である? 

   →いいえ(箱根駅伝は大学だけが参加する駅伝です。社会人チーム(実業団)は出場しません)

 (2)では箱根駅伝は日本一の大学を決める駅伝である?

   →いいえ(箱根駅伝は関東一を決める駅伝です。関東以外の大学は出場しません)

特に(2)は多くの方がご存知ない(もしくは誤解されている)のではないでしょうか。

箱根駅伝はあくまでも関東ローカルの大会なのです。日本一の大学を決める駅伝は11月に開催されている

全日本大学駅伝 です。これは関東以外も含めた日本全国の大学が参加します。


しかし、現実には全日本大学駅伝と箱根駅伝を比べた場合、世間における存在感、人気、注目度、すべて

において箱根駅伝のほうが上回っています。これは、箱根駅伝のほうが大会の歴史が古いことと、年度に

おける開催時期において、1月の箱根駅伝のほうが11月の全日本大学駅伝よりも後にあるということも理由

に挙げられるでしょうが、それよりも何よりも、お正月の2日間に渡ってTV中継されるというシチュエーションが

「お正月といえばTVで箱根駅伝を観戦」という文化を育んできたのだと思います。その結果、箱根駅伝は

特別なネームバリューを獲得し、世間の注目を集め、それは学校名を売るためのマーケティングツールと

いう大学側の思惑も生み出し、高校生の長距離ランナーは箱根駅伝を目指して関東の大学に進学するという

巨大な構造を生み出しました。


お正月の朝ということもあって、TVでは高視聴率を獲得するビッグコンテンツであり、そのため大きなビジネス

としても成り立っています。その証拠でもありますが、日本テレビさんの中継体制たるや、おそろしく巨大なものが

あります。


箱根駅伝を沿道で生で観戦する人数は警察発表で100万人とも言われています。

東京・大手町から神奈川・箱根までを往復200km以上走るという物理的・地理的な構造が成せる人数でもあり

ますが、通常のスタジアムスポーツ(野球やサッカーなど)は、いかに巨大なスタジアムを作っても、そこには

5万人や10万人といったキャパシティが存在し、それに対応して有料の観戦チケットというシステムにならざるを

得ませんが、駅伝は道路を走るわけですから、その距離が長ければ長いほど観戦するキャパシティも大きく

なり、しかも無料です。


昨日、実際に箱根駅伝の現場で仕事をして実感したのは、熱心な箱根駅伝ファンの方々のパワーです。

まだ夜が明けきらぬ早朝から沿道に陣取って最前列で見にくる方々、1つの場所で観戦したら電車に乗って

先回りして、また次の場所で観戦し続けていく方々など。

もちろん、箱根駅伝フリークというか箱根駅伝オタクといえるほど熱烈に入れ込んでいらっしゃる方もありますが、

そこまで入れ込んでいなくてもファンとして応援をする方々のエネルギーもすごいものがあります。



今回の仕事を通じて、箱根駅伝の持つ特異な価値があらためて体感できました。

と同時に、来年も、この先もずっと仕事として関わらせていただきたいという願望も強く持った次第でした。