今日私は大地と結婚する。なんだか不思議な気持ち。小さい頃から一緒に育ってきた大地。いつからか気の合う幼なじみが一番近くで守ってくれる恋人に変わっていった。いつも支えてくれて守ってくれる大地が頼もしくて傍にいてくれたら幸せを感じれる存在になっていった。でも今日からは大地とずっと一緒なんだって思ったら幸せな気持ちが心の底から溢れてくる。何があっても傍にいてくれた大地。大地がいてくれたから今の私がいる。どんな時も手を繋いで歩いていきたい。式が進んで指輪を交換するときに大地の顔を見ると顔を保とうとしてるのが分かるのだけど、どうみても頬が弛んでいる。披露宴も滞りなく終わって2人の時間。後ろから大地が抱きついてきた。
『栞…俺しあわせだ』
そう言って力強く抱き締めてくる。
『私もだよ。今日からよろしくね。』
私の体に回された腕がさらに強く抱き締めてくる。
『大地 苦しいよぅ~』
そう言うと大地に回された腕の力が緩んだ。大地の方に振り向くと今度は大地の胸に引き寄せられた。大きな手で優しく頭を撫でてくる。
『やっと手に入れたんだ。絶対……離さないからな。一生 お前は俺だけのものだ。お前は俺が守る。絶対に泣かせたりしない。幸せにするからな。』
『……………うん。私も大地とずっと一緒にいたい。2人で幸せになろうね。』

大地の腕の中で大地の温もりに包まれて幸せな夜が更けていった。



大地にプロポーズされてから1ヶ月。結婚式の準備は着々と進んでいる。きっと今が一番幸せな時期なのかも知れない。私は結婚式の準備をするために仕事を辞め実家に戻ることにした。久しぶりの我が家は居心地が良くて安心する。部屋でのんびりしていると携帯がなった。相手を確認せずに出てしまった。
『もしもし』
電話の向こうから懐かしい声が聞こえてきた。
『……………………………………………………陸?』『久しぶり元気だった?』あまりに突然の陸からの電話に何を話したらいいのかわからないでいると陸が話し出した。
『大地と結婚するんだって?おめでとう』
そう話す陸は前に会った時より元気そうで…。
『ありがとう』そう答えながら不思議と穏やかな気持ちになれた。こんな気持ちで陸と話せるなんて考えてなかった。
『あいつは栞のことが大好きだから幸せになれるよ』と陸は言ってくれた。陸にそう言われると何だか嬉しい。
『…栞。俺はあれから亜紀と向き合ったよ。今は海斗と三人で暮らしてるんだ。春には2人目も生まれる予定だよ。』信じられないけど俺も2児の父親だと陸は笑っている。陸の口調から今が幸せなんだってわかって思わず笑顔になってしまう。
『おめでとう!良かったね』
『ここまでくるのに色々遠回りもしたけど良かったって思えるようになった。本当に心から2人を祝福できる気持ちになれたよ…。お互い幸せになろうな。大地と幸せになるんだぞ』
そう言って電話は切れた。陸と亜紀さん。ちゃんと向き合って前に進めたんだ。素直に良かったって思える。私も負けないで幸せな家庭を築いて行きたい。
私たちは車に乗りあちこち見て回った。遠出をしようとも思ったけど大地が夕方どうしても外せない予定があるらしく近場にドライブに行くことになった。それでも水族館に行ったりランチしたりして楽しいデートだった。私のプレゼントした腕時計も凄く喜んでくれて、さっそく付けてくれている。手を繋いで歩いて幸せな1日に間違いないはずなのに夕方の用事がよほど大事なものなのか途中で大地が何度も電話の為に席を離れるのが寂しかった。結構長い時間真剣な顔をして話していた。帰りの車の中。大地が急に寄るとこがあるからと1件のショップに立ち寄った。付いていくと大地が今日の記念にといって少しピンクがかった長めのワンピースとそれに合う靴を出してもらってきた。進められるまま試着すると本当に私の好きな色とデザインを判ってくれてるなっておもうくらい素敵なワンピースだった。試着室を出ると大地が笑顔で近づいてきた。
『似合ってる!このまま来ていきますから』っと店員さんに言い準備してもらっていた。
いいよと言う私に
『本当に似合ってたから。これ着てて欲しいな』
そう言いながら大地は支払いを済ませ私の手を引き店を出た。
『大地ありがとう。でも買ってもらったら悪いし…』
『いいから。いいから。』そう言って運転する大地。助手席に座り窓の外を見てると車が見慣れない道を走ってることに気がついた。
『…大地。道が違うみたいだけど…どこ行くの?』
そう聞いても大地はこちらをチラッと見るだけで
『…………ちょっとね』
としか言わない。
そのまま車は30分くらいして1件の料亭に入っていった。不思議に思ってる私の手をとり中に入る。大地に連れられて通された部屋に入った私は思わず大地を見た。何故か私の両親と大地の両親が揃っていた。
大地をみると笑っている。
『びっくりしただろ?今日は大切な日だから俺が呼んだんだ。栞も座って』促されるまま大地のご両親に挨拶をして両親の隣に座る。大地が私の両親の前に来て挨拶を交わしている。その後私の前に来て座った。その大地の手のひらには指輪が光っている箱が置かれている。真剣な顔をして私を見る大地。その顔にドキッとする。
『栞。今日で付き合い出して1年だね。俺は昔からずっと栞だけを見てきた。これからも栞だけを見ていきたいと思っている。栞の弱いとこを俺が支えていきたいし俺の傍にいて欲しい。これから先も栞を守り続けるから。……俺と結婚してほしい。結婚してくれないか?』
あまりに突然のプロポーズに私は言葉を失ってしまった。
『………………………』
『………栞返事は?』
そう言われて思わず
『はい。』って言って大地に抱きついていた。嬉しくて思わず涙が溢れてくる。『おめでとう』とお互いの両親に祝福され私は幸せだ。大地に聞いた話では、お互いの両親に来てもらうのに前もって段取りをしてくれたみたいだ。私の両親のもとにも何度も通って結婚の了解をもらってくれたらしい。今日のデートで電話が何回もかかって来ていたのも料理の打ち合わせや時間の再調整だったらしい。こんなに嬉しいサプライズは生まれて初めてだった。この先もずっと大地と一緒に生きていきたい。大地となら幸せになれる。一緒に幸せになっていこうと大地がくれたエンゲージリングを見て誓った日になった。