「静岡県内河川は壊滅状態」と銘打ってアップしようと思ったけど、10年以上前に「静岡県内の河川、踏んだり蹴ったり」というタイトルでこのようなな記事を載せてました。
2012.12.18
「踏んだり蹴ったり」を英語でadd insult to injury と言うようです。悪いことにさらに悪いことが加わってしまうということです。
今シーズンのの静岡県内の河川はまさにこのadd insult to injury ではなかったでしょうか。
「鮎がよく釣れた、好調だった」という声は自分の耳には全く届きませんでした。
天然遡上激減、放流人工産鮎不調、台風・増水による河川破壊、天候不順などなど、これでは釣れるはずがありません。河川という自然を相手にしているわけなので、人間の思うように事は運ばれません。しかし、人災だと考えなければならない部分はあると思います。
県内の河川はまさに負のスパイラルに入ってしまっています。
あれもこれも一度に解決はできないでしょう。優先順位があるはずでが、自分の中では、「天然遡上の回復」です。でもこれが最も難しいのでしょうね。
というか「天然遡上の回復」が全てのスパイラル始まりです。これが安定しない限り、良い放流鮎が確保できないだろうし、河川の整備も進んでいかないのでしょう。
言い方を変えれば、河川をしっかり整備し、良い鮎を放流しその子孫が遡上しない限り、「天然遡上の回復」はないのでしょうか。
琵琶湖産鮎の復活はないのでしょうか。やはり「冷水病」が出てしまうのかな~。
放流鮎として琵琶湖産を応援したいのですが・・・。
今読み返してみると、それは違うだろ~という部分がありお恥ずかしい限りですが、静岡県内の河川が「踏んだり蹴ったり」の状態にあるのは変わりません。
むしろ悪化しているのではないでしょうか。
山梨県、岐阜県、福井県などの河川は静岡県人?がとても多いです。
「静岡にはいい川があるのになんでこんな遠くまで来るの?」とよく驚かれるので、その理由を何度も説明する羽目になります。
「静岡の川は壊滅状態です」って答えざる得ない状況ではないかな~。
富士川・・・上流部にある雨畑川の凝集剤だらけの汚泥がやや改善されたためか、水質が改善されつつあるようだけど、まだまだ鮎が遡上、生息できる状態ではなく、かつての大鮎が釣れる川にはほど遠い。
狩野川・・・安易な放流に頼るのではなく、豊富な天然遡上の復活を目指すというコンセプトはいいけど、天然遡上は減るばかりで釣り場が限定されてる。追加放流で凌ぎながら天然遡上の復活を待つまでに漁協や鮎の関連業者(オトリ店など)がもつか心配。
興津川・・・昨年度の台風による被害の影響が甚大であり今期は不漁だったけど、今後も安定した天然遡上と放流が期待できるため、壊れてしまった河川が整っていけば鮎は戻るのではないか。
安倍川・藁科川・・・安倍川は下流域の水量が極端に少ないため天然遡上は期待できない。中上流部にどれだけ放流できるかだけ。藁科川、かつての名川の面影はなく、鮎、釣り人が少なく深刻な状態ではないか。
大井川・・・河川工事ばかりやってて、遡上は激減してるのではないか。中上流域の放流ものがそこそこ掛かる感じ。かつての遡上鮎の強い引きは味わえない。
太田川、吉川、原野谷川・・・太田川の遡上が悪く、支流も鮎がおらず釣れない。吉川は昨年の台風被害、ダムの濁り水の影響で今シーズンの鮎漁は中止になった。
天竜川・・・この川がダメになった影響は非常に大きい。川底がシルトで詰まってしまい鮎の生息できる状態ではないのだろう、遡上も激減、かつては鮎だらけだったのにね~。支流の阿多古川、気田川も不漁が続いている。
中部天竜・・・極端に鮎が少なく釣り人がいない。ここ何年か放流ものがなぜか流されてしまってる。ダム補償金?で何とか繋いでいるけど、今の状態が続けばヤバイかも。
浦川・・・琵琶湖産を投入、他の河川が不漁のためか釣り人は多い。外来魚が増えているので駆除しないと数年先が心配。
都田川・・・ダムでの繁殖に期待をかけている。もともと小ぶりの鮎なので釣り人が少ない。
全く独断と偏見でのコメントなので的外れな部分はお許しください。
要は、県内のどこの河川も非常に大変な状況にあるということです。
必死に頑張っている漁協もありますが、これといった策がなく、衰退の一途をたどっているところもあります。
県の内水面漁連はそのあたりをどのように考えているのかな~。
難しい問題が山積み状態だと思うけど、現状維持で何も手を打たないのでは多くの河川が朽ち果ててしまうと思うのですが。
自然を相手にしなければならない難しさはあるけど、人間の手で改善できる部分はあるはずです。
釣り人の県外への流出を食い止める方策を本気で進めてほしいです。