フィレンツェに燃える初演の感想を祖母と祖母のお友達から聞いた話です。
「フィレンツェに燃えるは名作」
フィレンツェに燃えるは、ザ・スターで退団する真帆しぶきさんを見送り、組を背負って立つトップスター汀夏子を印象付けた作品だった。
ジュンコ(汀夏子)さんのファンの人達は「フィレンツェに燃えるは名作だった、汀アントニオは素晴らしかった」とみんな今でもいっている。
祖母のお友達はジュンコさんのファンだったそうです。
「名曲の数々」
フィレンツェに燃えるは名曲揃いだと評判になっていたそうです。
「汀アントニオについて」
兄アントニオを演じた汀夏子さんは首席で入団、今で例えるなら礼真琴さんのよう。
ジュンコ(汀夏子)さんは、歌がとても上手く存在感のあるスターだった。
フィレンツェに燃えるの名曲からアントニオの心情がしっかりと伝わってきた。
その佇まいは、毅然としていて、何があっても家を守り抜く覚悟の頼もしい名家の嫡子そのものだった。
また、小柄ながらも誰よりもよく響く声に覇気を感じ実直さと強さが際立っていたそうです。
「ふたりのレオナルド」
次男レオナルドは、宝塚は順みつきさん、東京は美里景さん。
演技派ふたりに任された難しい役。
順さんのレオナルドは直情的で男っぽく。
美里さんのレオナルドは貴族の次男坊らしく上品でまっ直ぐ。
ミッキーさん(順みつき)のレオナルドは、家のため兄のためといいつつも、自分が父親に認められない悔しさから兄に対する対抗心を燃やし、直情的に男っぽくパメラを誘惑にかかる感じだった。
ピンちゃん(美里景)さんのレオナルドは、父親に認められない寂しさ、兄を慕い兄に害をなしそうなパメラを自分が囮になってひき付けひき離そうとしてパメラに迫る感じだった。
「高宮パメラは運命の女」
登場場面から既に主人を殺ってる!オーラが。
運命の女そのものの悪女だったそうです。
「麻実オテロは登場しただけで美しくて!」
ただ歩いて通り過ぎるだけで、あまりの美しさに見惚れたそうです。
フィレンツェに燃えるの再演を見た後の祖母のお友達のかたの感想。
「水美レオナルドについて」
水美舞斗さんのあの匂い立つような香気は柴田先生が求めていたレオナルドそのものだった。
演技に余裕がある。
演技をあわせるのが上手い。
相手の演技を引き出して相手を輝かせ、自分も輝く稀有の才能。
レオナルドとアンジェラ(星空美咲さん)と歌声がぴったりとあっていて心地よく素晴らしかった。
初演フィレンツェに燃える
1975年2月1日~2月27日 宝塚大劇場
配役
アントニオ(兄):汀夏子
パメラ(未亡人):高宮沙千
オテロ(パメラの元恋人):麻実れい
東京公演のレオナルド(弟)は美里景(みさとけい)