匂いの記憶 1.苦い、錆のような、くすんだ金属のにおい。 学校からの帰り道、家まであと10分。 小さな金属加工会社。 夕方、風向きによっては少し手前から鼻先に近づく。 若い、新しい鉄を削ったような、青々とした金属のにおい。 なぜか、いやじゃなかった。 子供のころの記憶に流れる、匂いの記憶は、安堵。