逃げ場所はここだ。
まさに逃げ場所はここ。
逃げるために作られたとしか思えない、色彩とフォルム。
センサーで開く白の鎮座椅子、いやいや左様に気を使うでない。
逃げ場所はここだ。
逃げ場所はトイレの個室。
ここを除いて、人が人が溢れている。
嫌いな人が。
うるさい人が。
粗を探す人が。
噛み合わない人が。
人が。
人が人が。
人が人が人が。
うわあああ
と叫ぶこともできず、
ズボンとパンツをおろし、
白くてせまいこの個室で
僕は僕としばしの蜜月をすごす。
嘔吐した。
実際に出たのはごくわずかな吐瀉物と、大量の無力感。
悲しみ。
懐古。
寂莫。
これだけの長きにわたって何度も裏切りを続ければ、
これも必然の結果であろうか。
いくつか本当にしてはならないことがあったが、いくつかは自分の感覚からは理解のいかぬものだった。
それでも理解したいと思ったし、してはならないことを一度ならず何度かしたにもかかわらず受け入れてくれたことは、今でも大きな光としてこの胸に輝いている。
日常におしつぶされながら、僕はもう誰とも生きてゆかぬことを誓う。
金があればいいだろう。
そうだろう。
誓いが破られる日が、望むべくは君の手によって、もたらされることを祈りながら、
トイレットペーパーで現実と形而上の吐瀉物を拭き取る。
済みません。
ごめんなさい。
申し訳ありません。
ごめん。
実際に出たのはごくわずかな吐瀉物と、大量の無力感。
悲しみ。
懐古。
寂莫。
これだけの長きにわたって何度も裏切りを続ければ、
これも必然の結果であろうか。
いくつか本当にしてはならないことがあったが、いくつかは自分の感覚からは理解のいかぬものだった。
それでも理解したいと思ったし、してはならないことを一度ならず何度かしたにもかかわらず受け入れてくれたことは、今でも大きな光としてこの胸に輝いている。
日常におしつぶされながら、僕はもう誰とも生きてゆかぬことを誓う。
金があればいいだろう。
そうだろう。
誓いが破られる日が、望むべくは君の手によって、もたらされることを祈りながら、
トイレットペーパーで現実と形而上の吐瀉物を拭き取る。
済みません。
ごめんなさい。
申し訳ありません。
ごめん。
僕が春を苦手とする理由が、今日わかった。
今までは、「ポカポカした穏やかな時間が続くと、次には破滅しかやってこないから」だと思っていた。
そうじゃなかった。
本当の理由は、春が生活の変わる時期だからだった。
進級、進学、就職、転職、異動、引越し、出会い、別れ。
これほど身の回りが激変していくのに、季節だけはとても穏やかで、どうしてもそのギャップについていけない。
それが、僕が春を苦手とする理由だった。
なんて単純な理由。
自然は、変化を嫌う。
ものを動かそうとすればそれを妨げるように摩擦の力が働く。
売れるからといって価格を上げれば売れなくなる。
どこまでもものが突き進むこと、どこまでも価格が上がり続けること、
そういったことを自然は嫌う。
ならば変化のない生活を続ければいいではないか。
いや、そうではない。
満足する生活を続けるには、やはり変化し続けるしかないのだ。
なぜならば、僕らの周囲は常に変化しているからだ。
周りがすべて変化し続ける中で、僕だけが立ち止まっては、つまりは僕の位置は同じではいられないのだ。
そんなことを考えながら、ひとつの時代が終わって、短期的なまた新しい時代がやってくる。
こうして僕の周囲は変わっていく。
だから、僕が満足する日々を送るためには、またひとつ動かなければならない。
それならば、動こう。
きちんと幸せになるために、大事な人たちを幸せにするために。
ちゃんとしろよな、ろくでなしの糞野郎が。
ちゃんと動けよな、ひるんでんじゃねぇぞ、ちゃんと動かなきゃ、幸せになんてできねぇんだからな。
あつくるしいことを言いにきたわけでは決してなくて、
ちょっと自分を殴りにきただけです。
忘れて、忘れて、忘れてしまう生き物なので、こうしてこぼれる前に、かけらだけでも残しておかないと、
いかんのです。