キッチンも整う。心も整う。体も整う。家族も整う。

『整う食卓』徳本幸子です。

現在、実母が自分の周りをかたづけしております。
嫁に来てから一度も、自分のコト、子供のコト。

良いと思っても、自身で決めることを許されなかった母が、
80歳近くになって、モノを通じて「自分」と「楽」に向き合うお話です。

初回は「着物」
値段が高いから、買うのに大変だったから、という気持ちを、

思い出として語りつくし、家族として共感し、着物を手放したら、
自分で自分の事を考え、前に進みだしたお話です。

 

 

「着物を手放そうと思うんだけど、一緒に立ち会ってもらえないかな?」
と言われたので、近所にある実家へ母を訪ねました。

 

何で手放すのか?尋ねたところ、

「残されても困る品物だから、今のうち決着着けようと思ってさ。

自分で判断できるうちに、出来ることはしておこうと思うの。」
 

確かにあっている。
でも、なんだか納得いかなかったので、母に突っ込んで聞いてみました。


「いろいろ手放せるものは他にもあるのに、なんで着物を選んだの?」

 

母はこう答えました。

「自分で買ったから。自分の働いたお金で買ったから。」

 

 

自分の為にお金をためて着物を買っていた事実を、私は全く知りませんでした。

母の今迄を考えると、

こんなに自由に持っていることも、

持たないことも決められるものって着物以外にあったのだろうか?

 

モノの配置も
モノを決めるのも、

子どもたちの進路を決めるのも、

ずっと父の顔色を見、父の親族の言葉を気にしながら

生きてきた母にとって、

自分で買うことを決めたこの着物に対する思いって、どういうものなんだろうか?

そんな母が着物を手放そうとしている。

私ができることは、母の決断に従って、着物を手放すことを応援すること。

なので、先輩に紹介していただいた着物買取業者さんに
お願いすることにしました。



お暑い中、業者さんに来ていただき、1つ1つ丁寧に着物を見ていただきました。
 

長くなったらごめんなさい!とあらかじめ業者さんには丁寧にお願いし、

私は母に着物の話を一つひとつ、業者さん同席の元、聞いてみました。


ためたお金で買った着物は、お茶のお呼ばれに来ていくために買ったこと。

お茶のお稽古用に買った着物は、一度私が袖をとおしたこと。
自分のお金で買った着物以外にも沢山着物があったこと。

その中に一度も袖を通していない着物があったこと。
反物をプレゼントされて作った着物があったこと。
存在すら忘れてた着物があったこと。

 

そのうえで残す着物は、

私と妹の喪服。
私たち姉妹、母方の姪、その子供が袖を通した、通すであろう

七五三の着物、成人式の着物。
これだけに決めたそうです。
理由は「絶対使うし、すでに使うと予約が入ってるから」

 

 

着物は単価が高いので、
「ひゃ~~~もったいない!!!」という感情につながりますが、

よく考えると、

たまたま主人公が着物なだけで、

他のモノでも全くおなじことが言えるということでした。

 

目的をもって買ったものはしっかり使ってる。

特別な思いがないものは、存在すら忘れてしまう事。
役目を果たしたつもりでも、

想いが薄っぺらかったら、手にしないことのほうが多くなること。

 

母の姿を通して、反省しっぱなしの私でした。


買取業者の方は大変丁寧で、着物の知識も深くいらっしゃって、

母ととても話が弾んでました。(私は全くわかりません;笑)


そんなこんなで、会計の時間が来ました。
母は思ったより低い金額にびっくりしていたようでした。

これは誰でもあると思います。
買取業者さんの査定が決して低いのではなく、

自分の持ってるモノ、思い出に対し、

世間一般の値段より、つい、高く考えてしまうものです。
母にはその現状をお話しました。そしてこうつけ添えました。

「これだけ思い出お話して、

業者さんにお話聞いていただいて、
この子たち(着物たち)喜んでると私は思うよ!」


母は、

「そうなのよ。直接ごみ袋に入れることだけは嫌だなとはわかってたの。

でもね、他に方法があるのか?わからなかったの。

こうしてお話してから手放すって、気持ちに決着ついて気持ちいいね。」

モノに対する気持ちを昇華させて、

桐のタンスに入っていた大量の着物たちは無事、新しい人生へと旅立ちました。


2.3日後、また母から連絡がありました。
「今度は洋服を手放そうと思うの。」

よく話を聞いてみると、
着物を手放した後、力がぬけてどよ~~~んとしたらしいのですが、
着物について話したあのコト、時間を考えると、
一つひとつ向き合った方が片付けやすいのでは?と思ったそうです。

そ~~~だよ。母ちゃん。
もう十分頑張ったよ。
自分の為に、自分が楽しくなるために

体力と時間とお金を使おうよ。

見てるこっちが気持ちいいよ。

そうなってもらうためにも、
ちゃんと話を聞いて、実母の「カタ」づけをサポートすると決めるのでありました。

ゆっくりですが、継続していこうと思います。

 

最後までお読みくださり誠にありがとうございました。


 

栄養士として協力させていただきました

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自分も身軽に!おうちも身軽に!
9月も懲りずに「ミンスゲーム」にチャレンジ。

日付の分だけモノを手放しながら、
自分の考え方の癖、行動の癖に向き合ってます。

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