高級品には、その人の哲学が表れる。
私は、高級品を単なる贅沢品として捉えてはいない。
もちろん、価格が高いという理由で価値を認めるつもりもない。
大切なのは、なぜそれを選ぶのかということである。
長い年月を経ても色褪せないデザイン。 流行に左右されない造形。 細部にまで行き届いた仕事。 使うほどに理解が深まる機能や構造。
そういった品物には、短期的な消費とは異なる魅力がある。
一方で、希少性やブランドイメージによって価格が膨らんでいるものもある。であるから、知ることが必要になる。
歴史を調べる。 素材を理解する。 背景を知る。 価格と価値を分けて考える。
その過程そのものが、審美眼を育てていく。
高級品を所有することが目的なのではない。
何を美しいと感じ、何に価値を認め、何を選ばないのか。
その判断基準を持つことこそ、大人の愉しみではないだろうか。