佐渡の食 俺の備忘録 なんでまた雪の夜に | 佐渡の食と佐渡の食文化

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生まれ育った佐渡の郷土の食や素材や料理法など綴っています。昭和の頃食べた伝統的な料理や素材にまつわる家族や村の話など交えて記憶に残る景色を綴っております。
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確か以前にも綴ったかもしれません

鯖にあたってしまった話です。

 

その日は若い板前がつくったしめ鯖を

手土産に家に戻った。

久しぶりのしめ鯖と熱燗で夕餉を終えた

旨みのあるしめ鯖に満足した。

 

雪は降り続くことはなかったが

路面は真っ白になっていた夜中の2時。

耳が急に痒くなった

蚊が無数に耳の中に

入っている夢だったと記憶している。

 

そのうち体の柔らかい部分が

痒くなって

頭も痒くなってきた

見れば赤い発疹がつながって塊を

つくり始めた

何が何だかわからない。

顔はみるみる腫れてきた。

 

仕方ない救急車を呼ぶことにした

救急隊員は普段の私の顔はしらない。

歩いて救急車に向かったが怪訝そうな

顔をしてどこが悪いのかを質問してくる

事の次第を告げると外科に搬送するとのこと。

 

医者は注射一本を打ち飲み薬を出して終了

救急車は帰ってしまっている

とぼとぼ自宅まで40分の道のりを雪で

滑らないように注意深く帰った。

あんなに好きだった鯖にあたってしまった

今でもしめ鯖は食べたい

生の鯖の刺身も食いたい

がしかし

しめ鯖を恨めしく横目で

見ながらスーパーで白身のヒラメを買い

熱燗で食べた夜半

また同じように

腫れあがり救急車の世話になった。

 

後日、スーパーのお客様係りに電話して

ことの次第を告げる

鯖を調理した後

白身の刺身を同じまな板と包丁で調理した

旨の報告を受けるが

悪びれてない。

 

一回目の鯖事件の夜に同僚が

見舞いに来た

いつもは何も持ってこないヤツが

持参したものを見てびっくりした。

 

日本酒と鯖の塩焼きである。

関西出身の男でわざわざ鯖を焼いたらしい。

 

料理屋のいくら若い板前とはいえ

まさか総支配人が自分の店の鯖を食べて

あたったなどシャレにならないので原因は

伏せられていたようだ。

 

悪気はないので何食わぬ顔して

鯖の塩焼きは旨かった。

 

今でも生やしめ鯖以外は鯖は好物。

佐渡の亡くなった父もしめ鯖は大好物で

塩をあてて作っていたなー。