旨煮という料理の妙 | 佐渡の食と佐渡の食文化

佐渡の食と佐渡の食文化

生まれ育った佐渡の郷土の食や素材や料理法など綴っています。昭和の頃食べた伝統的な料理や素材にまつわる家族や村の話など交えて記憶に残る景色を綴っております。
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料理の世界の話である。

 

旨煮と煮しめは何が違う?

まーどうでもいい話である。

では素揚げと唐揚げは何が違う?

まーどうでもいい話である。

 

今ではすっかり使われない言葉で

内股膏薬のようなヤツ

という主に江戸での話

内股だから歩くとあっちにもこっちの

着いてしまう

一方関西では

旨煮ようなヤツという

はっきりと自分の意見を持たない

信用できないような人という意。

 

関東の煮しめは

乾物などの出汁で

一緒に汁を少なく煮込んだもの

関西では

素材を別々に下茹でしてから

煮染める料理。

そして煮あがりに味醂で

照りを出すことが特徴でこれを旨煮

そんな風に読んでいる。

 

煮しめの発祥はどうも室町時代

そしてこの頃は野菜だけを煮る

精進料理であったらしい。

 

江戸時代の後期に

京都では屋台専門の煮しめ屋があり

そこでは野菜に限らず

肉や魚も似ていたので惣菜屋

ということになる。

 

総菜屋とはどうしても

一線をひきたい料理屋や弁当屋は

この煮しめの最後に味醂で照りをだし

これを旨煮と称したということである。

さて佐渡島の煮しめは

京都の流れをくめば

別々にあく抜きして

別々に煮るということに

なるのだろうが

系統からいうと関東炊きである。

トビを焼いて乾燥させたもの一匹

結び昆布

乾燥椎茸を戻したもの

牛蒡

人参

焼き豆腐

東揚げ

蒲鉾

結び蒟蒻

基本はこれであろう

いやもしかするとこれは

我が家の母がつくる煮しめかもしれない。

 

昔の牛蒡も人参も香りが強い

トビの出汁も椎茸の出汁も

もちろん昆布の出汁も旨いのだが

なんて言っても

手作りの焼き豆腐の出汁が

最終的に煮しめの味を決めている。

 

そして仕上げに味醂を使う

だから旨煮という分類になる。

 

まーどうでもいい話である。