ラジオの経験は、私の人生にとって
ひとつの大きな扉を開くきっかけになりました。
でも、そのずっと前──
私は「望む」という行為そのものを、
知らず知らずのうちに手放して生きていました。
それは、45年以上続いた“家族の問題”に
ずっと巻き込まれ続けてきたからです。
幼いころからのトラブル、
繰り返される混乱、
悲しい出来事、
どうにもならない苦しさ。
気づけば私は、
「どうせ叶わない」
「望んでも無駄」
「私は幸せを選べない」
そう思う癖が、しっかり根を張っていました。
だから本当は、
夢や憧れなんて持ちたくても持てなかった。
“ラジオパーソナリティになる”なんて
もちろん一度も望んだことすらありませんでした。
なのに──
人生は不思議です。
長く続いた家族のしがらみから
ふっと解放されたある瞬間、
胸の奥に小さな声が生まれました。
「ああ、これからは
私の人生を生きたい…」
その声はかすかだったけれど、
確かな本音でした。
そこから私は、
少しずつ“学び”の世界に足を踏み入れていきます。
海外の有名作家のワークショップ、
自己探求の講座、
カウンセリング、コーチング…。
今思えば、それらの学びそのものよりも、
“出会い”がすべてを動かしたのだと思います。
ある講座で知り合った誰かの紹介で、
また別の人につながり、
次の学びにつながり、
新しい世界につながり…
まるで、芋づるのように次々と
ご縁がつながっていったのです。
そしてその流れの先に、
ラジオの話も、
セッションの依頼も、
その後の大きな変化もありました。
望めなかった私が、
望みの外側で導かれていくような──。
いま振り返ると、はっきり分かることがあります。
「望む」より先に起きたのは、
“心のスペースが生まれたこと”だった。
家族のしがらみの重さから
少し自由になったその瞬間、
胸の奥の空白が、
新しい未来を呼び込む
余白になっていたのです。
長いあいだ失っていたもの──
それは、“余白”でした。
この余白こそが、
「望む力」の土台だったのだと
今だから分かります。
次回は、
「過去の私が終わった日。
新しい人生が始まった瞬間と、
そこから起きた驚くような変化」
についてお話しします。
あなたの中にも、
きっと同じ“余白”は育っていきます。