鳥海山の大平 | 旧・スネコタンパコの「夏炉冬扇」物語

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 米美知子のYouTube最新作『花の鳥海山 ニッコウキスゲを撮る』を見始めるやいなや、大平(おおだいら)の標識が出てきたんで、びっくりした。鳥海山の吹浦登山口の入口がどうやらここらしく、大平山荘と大物忌神社中ノ宮がある。地図には、大平としか表示されていないが、実は、鳥海山の寄生火山の一つ大平山(標高998m)の旧火口のようである。

 



 ここは、地名としては、山形県飽海郡遊佐町吹浦になる。吹浦という地名がタタラや銅の吹屋を想起させるように、かつて、吹浦地区には、いくつか鉱山があったというが、名も無いような小規模なもので、場所も特定できないという。

 この辺りで、はっきりと記録に残っているのは、秋田県由利本荘市鳥海町百宅(ももやけ)にある、朱ノ又川上流の褐鉄鉱床(標高1,000mの大倉滝付近)で、昭和31年から同39年まで露天掘りが行われてきたという。朱ノ又の朱は、おそらく褐鉄鉱の色を表しているのだろう。しかし、ここは、鳥海山の東側で、吹浦の大平とは全く反対側になり、隔たりが大きい。

 ところが、大倉滝から北東方向へ流れる朱ノ又川が突然南へと流れを変えるその東側に、標高769.9mの大平というピークがあるのにはギョッとなった。大平恐るべしである。

 



 但し、この大平を何と読むのかは不明である。おそらく町役場に訊いてもわからないだろう。近くに法体(ほったい)の滝という名所があり、キャンプ場もあるようだから、そこで訊けばわかるかもしれないが、地元の人の経営でないと可能性は低いと思われる。

 ちなみに、鳥海山には、手長足長伝説があるようだ。