宴友企画共演者滝川華子所属。カラスカ『まんま、見ぃや!』@新宿シアターモリエール
ネタバレの無いように拡散を、と頼まれました。拡散したいから頑張らないとo(^-^)o

「面白かったら笑ってください!」と前置きしといてひとっつも笑えない、いや、面白く無い、いや、よしんば面白くても笑いに繋がらない……そんな劇団の多い中こちらの団体は、前置きした上でちゃんと客席に笑いを起こせる劇団です。これはわざわざ説明するのも恥ずかしい上に至極当然な事として、この団体がちゃんと芝居の出来ている団体だという事です。
演劇で笑いなんてそれこそギリシャ時代からあったものですが、昨今のお笑いブームの影響か、奇矯な動きや奇声を発して笑いを取ろうとする姿勢が多々観られます(注:笑いについて演芸と演劇に優劣を付けようというのではない。ジャンルが違うと笑いの取り方に必要なテクニックが変わってくるという話です)。当人達は計算に入れているようですが、ことストーリーのある演劇では違和感は生じても爆笑が起こることはまず無い。こちらの団体はまずそこを成立させてから改めて奇声や奇矯な動きの限界に挑戦してる、故に爆笑が起きると云う訳です。
今回も馬鹿馬鹿しくて下らなくて気が違ってて(褒めてます)、堪能致しました。

お話で見事だったのがアントニオ猪木用語で云うところの『緊張と弛緩』昭和23年という設定から導かれるヘヴィな展開、根源的な部分のシリアスな話、これが究極に下らないネタや展開(褒めてます)の合間に、しかも絶妙な案配で挿入されてます。これまた芝居の出来ているとこにぶっ込むから笑い以上に効きます。
私の場合泣きそうになったシーンは一カ所二カ所じゃありません。その度に「おかしいおかしい、なんでこんな下らないハナシ(褒めてます)で泣いてんだ」と自分を戒めてなんとか終演までたどり着きました。これまた芝居が素敵な証拠。


太平洋戦争集結後3年という設定だからといって衣装メイクを汚す必要は無いと思うけど、シャツにおろしたてのシワがくっきり残ってるのはさすがに興醒めかな。


上品から下品までの満貫全席に満腹中枢をオカシクされちゃえば良いと思います。年間ベスト級にオススメです。
17日まで♪