夏のインターハイが中国地方を中心に行われています。
インターハイ(全国高等学校総合体育大会)は、かつては単一の県で開催されることが一般的でしたが、近年では複数の府県で分散開催される「地域ブロック開催」が主流となっています。この開催方式の変更には、いくつかの大きな理由があります。
主な理由は以下の2点です。
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開催経費の削減と負担軽減:
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インターハイは非常に大規模な大会であり、多岐にわたる競技が同時期に開催されます。単一の県だけで全ての競技を受け持つとなると、会場の手配、宿泊施設、交通インフラ、運営スタッフの確保など、莫大な費用と人的負担が発生します。
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少子化による参加人数の減少や、経済状況の変化などにより、単一県での開催は財政的・運営的に厳しくなってきているのが実情です。
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複数の府県で分散開催することで、これらの負担を分担し、開催経費を削減することができます。
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猛暑対策:
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インターハイは主に夏の時期(7月末~8月上旬)に開催されますが、近年の日本の夏は異常な猛暑が続いています。
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特に屋外競技や長時間の競技では、選手や関係者の熱中症のリスクが非常に高まります。
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分散開催にすることで、競技会場の選択肢が増え、比較的気候の穏やかな地域を選んだり、競技日程に余裕を持たせたり、競技時間を調整したりするなどの対策が取りやすくなります。
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その他の考慮点
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施設確保の難しさ: 特定の競技に特化した施設や、多数の競技を一度に開催できるような大規模な施設が、全ての県にあるわけではありません。分散開催にすることで、各地域にある既存の優れた施設を有効活用しやすくなります。
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地域活性化への貢献: 複数の地域で分散開催することで、より広範囲にわたる地域での経済効果や、スポーツを通じた交流促進が期待できます。
いつから、どのように変わったのか
具体的な変更時期については、明確な年が設定されているわけではなく、徐々に分散開催の傾向が強まってきました。特に、上記の「開催経費の削減」と「猛暑対策」が喫緊の課題として認識されてからは、全国高体連でも具体的な検討が進められています。
例えば、2020年のインターハイは新型コロナウイルス感染症の影響で中止となりましたが、開催予定では東北から九州の21府県で分散開催される予定でした。これは、すでに分散開催が主流となっていたことを示唆しています。
全国高体連では、今後もインターハイの開催方式について検討を進めており、特に経費削減と猛暑対策は重要なテーマとなっています。参加規模の縮小や、競技時期の変更(例えば、一部競技を国体と統合するなど)といった案も議論されているようです。
このように、インターハイが県単位で行われなくなったのは、現代社会における財政的な課題と、地球温暖化による気候変動への対応という、複合的な要因によるものです。
インターハイを目指す子どもたちにとっては、場所よりも全国の舞台を目指すことの方が大事ですよね?
暑い中ですが頑張ってほしいです。