ユダヤ人というと白人というイメージがあるだろうが、

紀元前から中東に住んでいた彼らは、同じセム民族系で褐色肌の人々である。

ご存知の通りローマ軍よって70年と136年にディアスポラとなった民は、

主に西へ逃避する者と、東に逃避する者とに分かれた。

西へ行きスペインに逃れた人を

「スファラディー」と呼び、

未だに純血を守っている。

東へ行き黒海の方へ逃れた人々を

「アシュケナージ」と呼ぶ。

ユダヤ人とは、血ではなくユダヤ教徒となった人のことをいう。

900年代に入り、黒海の周りを囲んでいたハザール帝国は、ユダヤ教を国教としたのである。

かくして白人国家であるハザール国の民はユダヤ人になった。


11世紀、キリスト教の十字軍の遠征から、ユダヤ教徒も敵対視され差別が始まる。


時は経ち1800年代、帝政ロシアの時代にハザール国は無く、

ユダヤの民はキリスト教と混在したロシアの領土で、ゲットー(ユダヤ人が土地を与えられて住まわされた地域)に閉じ込められ隔離された。

勿論、酷な差別を受ける。

彼らは小さな頃から聖書を読み、きちんと教育された民である。

12歳で成人を迎え、成人式では自分の生まれた月の聖書の文を丸暗記して発表しなくてはならない。

要するに日本と並んで世界一の識字率の民なのだ。

ヨーロッパが貴族以外で字が読めるようになるのは、産業革命以降である。


しかし差別されていた彼らに与えられた職業は、

下等な仕事の他、

当時、宗教観厳しい時代、お金を貸す仕事は絶対に有りえなかった。

ところが下等な宗教という差別から、ユダヤ人だけは許されていたのだ。

シェークスピアのマッチ売りの少女に出てくる、

ヤコブという金貸しがユダヤ人としてイメージされたものだ。


眠たくなったから