━━━━━━━━━━━━━━ vol.52 2015.10.9 ━━
☆ジャスミンライス流星群☆ 【ヒカルチチのメルマガ】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんばんは。
ライオンズジムマネージャーで、篠原光のトレーナー兼父親の、シノハラです。
朝晩涼しくなりました。
寒いくらいです。
風邪などお召しにならぬようお気をつけ下さい。
と書いたところで今、おれは時計を見た。
午前十一時。
朝めしを食わないおれはいつもこのくらいの時間に一気に腹が減ってきて、さあ今日のランチは何食おうかと思い悩む時間がすごく好きだ。
頭蓋骨の中からじいんと熱くなってきて、一日24時間の間でもっとも海馬が使われる時間かもしれない。
海馬って知ってますか?
なんか、脳の真ん中ら辺にあるやつでなかなか優秀な器官らしいんですよ。こないだ何かのセミナーでその話を聞いて、へえって思ったんだけど詳しい話は忘れてしまいました。
何のセミナーだったかよく覚えてないんだけど、要するに、様々な強度の運動を毎日することで脳みそは鍛えられるので、運動したほうがいいですよという話でした。
「運動すると脳にもいいですよ」という、ただそれだけのことをかなりの時間をかけて説明された。
そういうものですよね。ひとの話って。
でもまあおれがいつも思うことは、何かを伝えたいという人間がいて、それを知りたいという人間がいる。そこで考えのやり取りをすることによって気持ちがよくなったり悪くなったりする。
「運動は脳にとってよい」という情報を、山田さんから聞くとうれしくなり、鈴木から聞くとむかつく。小川先生の声は聞いてて心地よいのでもっと他の話も聞きたくなり、佐藤くんの話し方はすみませんけどなぜかいつもあんまり頭に入ってこないんすよ。みたいに。
で、内容、なんでしたっけ?
そういうことってよくありますよね。
おれなんかはほとんどそんな感じかもしれないですね。
なんの話でしたっけ。
ともかく秋晴れは気持ちいいなあっていうことです。
━━━━━━━━━━━━━━━━
■新人陸上大会(ざっと午後の部)
━━━━━━━━━━━━━━━━
もう先週の話だ。
十日も前だ。
所沢市の一二年生が集まって、新人陸上大会が開催された。
前回、午前中の話を書いた。
今回はいよいよ午後の部。
ヒカルが1500M走を走るぞ、という内容を詳しく書こうと思っていた。
すみませんが、わけがあって、詳しく書く気力がなくなってしまいました。
本当にすみません。
でも、レースの大筋を書きます。
秋晴れで、朝から太陽を浴びていたおれたち観客や役員の先生たち、もちろん選手も完全に日に焼けてしまった。
女子1500メートル走は午後の初めのほうだった。
200Mトラックを七周半で1500メートル。
選手は30人くらい。
スタートの号砲が鳴った。
最初の五周くらいは五人くらいでトップ集団になった。ヒカルはその中に入っていた。
先頭がたまに入れ替わり、ヒカルは器用にいつも二番手につけていた。
最後の二周くらいで、先頭にいた選手が力強く引き離しにかかった。勝負をかけた。
トップ集団はばらけた。
ヒカルは二位のままラスト一周までぴったりつけていった。
ラストスパートだ。
ヒカルは追い抜こうとスピードを上げた。しかし、表情はもう限界を物語っていた。
先頭の選手もスピードアップ。しかも尚、余裕があるように見えた。背も高く力強い走りだった。ラスト一周はぐんぐん差をつけられた。
ヒカルは二位だった。トップとの差は10秒くらい。
タイムは、5分19秒でした。
ゴール後に、ヒカルは一位の選手に話しかけられた。
「山口中って陸上部ないよね。一年生でしょ。名前なんて言うの?」
息も絶え絶えに答えていたら、三位から五位までの選手も集まってきた。ヒカルは色とりどりのユニフォームに囲まれた。
「名前なんて言うの?」
三位から五位までの選手も全員二年生。
去年から、中距離走で争ってきた市内陸上部のライバル同士。
そこに、体育着を着た小さな一年生が二位に割って入ったことで、ゴール地点では微笑ましい緊張感が生まれた。
解散間際、その子らに「県大会がんばってね」と言われ、ヒカルは驚いた。
県大会に出れるんですか。私が。
10月19日に熊谷市で行われる埼玉県大会。
市内二位選手までが、その大会に出られるというのであった。
レースの話はそんな感じです。
━━━━━━━━━━━━━━━━
■学校での練習(ちょろっと後半)
━━━━━━━━━━━━━━━━
静岡のおばあちゃんに初めてスパイクを買ってもらって、それを履いて練習を始めたのが一ヶ月ちょっと前だった。
中学のグラウンドではスパイク禁止だと言われていたので、市内新人戦までに完璧にシューズに慣れるまではいかなかった。放課後のグラウンドでは他の部活もやっているので、スパイク使用は危険ということなんだろうと思う。
でも、そもそも陸上部がない学校なので、スパイク禁止というのが校則で明文化されているわけでもない。
県大会出場が決まったからには中途半端な練習じゃ意味がない。
市内大会で他の選手がみんな予選落ちで陸上部は解散したので、学校で陸上練習を見てもらうのを終わりにした。ヒカルだけが陸上部員というわけにもいかないし。
それで、早朝、おれと走る朝練に戻した。
まだ暗いうちに学校までジョギングして、グラウンドでスパイクに履き替えて1500メートルのタイムトライアルを毎日やらせることにした。
これまで市内大会のための部活練習で、ヒカルは1500M走を走るのに1500メートルのタイムトライアルを一度もやらなかった。
学校で、夏休みから仮の陸上部を作ってもらって、仲間と毎日学校のグラウンドで汗を流してきたわけだが、フォーム作りとインターバル走をひたすらくり返してきたらしい。
試合直前の選手がなぜ、その距離の試走をやらなかったのか。
1500M走の選手は1500Mを走り、100M走選手は100Mを、ハードル選手はハードルを、幅跳び選手は幅跳びを練習するべきではなかったのか?
その理由を、山口中で陸上を教えてくれていた女子バレー部顧問で学年主任の福田先生に聞いてみた。
ざっくり言うとこんな話だった。
「ヒカルはもうかなり走れるから、タイムトライアルでもなんでもがんがんやればいいと思うんですよ。でも、他に出る女子選手たちはまだ基礎体力もおぼつかない子たちばかりなんで、ヒカルにも一緒の基礎練習をして陸上部としての士気を鼓舞してもらいたかったんですよ」
おれは、なるほどと思った。
勝つことが最優先、ということ以外の勝負もあるんだな。
挨拶をするとか、規則を守るとか、仲間と同じ目標に向かって努力するとか、他校との交流をはかり異文化を知るとか。
ヒカルは市内大会で勝つかもしれない可能性があるが、山口中の他の子たちは参加することに意味があるのだ。
無事に走り切り、納得して戻ってくることが最大の目的。
結果はともかく、全力で戦った経験が、自信や他への興味へとつながる。
実は、ヒカルも同じではないだろうか。
ヒカルは市内大会で勝っても、県大会レベルに行くともう全然通用しない。
それは、教師は持ちタイムを見ればわかる。
1500M走で県大会トップの歴代タイムからは30秒くらい遅いのだから。
教師は一年で数千人の生徒を、教師生活では述べ何万何十万の生徒の才能を眺めて暮らしているのだ。
だからわかるのだ。
ヒカルだけ別メニューでがんがんタイムトライアルをやらせる必要はない。
この子を数週間でほんの数秒の時間を短くする努力をさせるくらいなら、生ぬるい友達の闘争本能に火をつける起爆剤となってもらったほうが価値があるだろう。
中学レベルだと、血のにじむような努力をしなくとも、勝手に才能を持った選手は目立ってしまう。
学校というのはふるいにかけられる場所だ。
能力の抜きん出た選手たちは一般社会とは別の枠組みへ連れていかれ、そこで同じような才能同士が競わされることになる。ひと言で言えば、特殊能力だ。
中学レベルで目立った選手が高校で戦い、またふるいにかけられる。
高校で勝ち残った選手が大学以上のカテゴリーでまた選りすぐられる。
それぞれの競技にふさわしい体の作りや技術や戦術の限界値を探求すべく、スポーツ文化のための、さらには人類の可能性のための、研究材料となるわけだ。
それ以外のほとんどの子供は、常識や規則や道徳を身につけ、善良で無害な全体的雰囲気の一部分になることを求められる。
そうやってぼくらは大人になった。
こうしてぼくはああ税金厳しいなあなどと思いながら常に節約こそ美徳と肝に銘じながら地べたを這いつくばるような思いで暮らしているんだ。
ふと周りを見渡せば同じような姿かたちの仲間がいて、なんとなく目が合って苦笑いしているのさ。
と、そうか。
おれは、ヒカルの親なので、単に夢を見ていたんだ。
所沢市中学陸上に女子の無名の新星現る!というようなレースを見て、少しのぼせてしまったんだなと自省した。
多分、持ちタイムがあと10秒速ければ学校での扱いも違うと思う。
所沢市の新星、くらいの才能では仕方がないのだ。
当たり前のことだ。
同じ市内の陸上関係者が感心するくらいではだめだ。
別枠へ行きたいなら、たまたま見に来た一般客を腰を抜かして驚かせるくらいの感動が必要なのだ。
何千何万もの中学生を見てきた教師だ。
全体的に見て、冷静に判断するのは仕方ない。
それが教師の正しい仕事だからだ。
おれは、ヒカルが30秒ものタイム差を持つ選手と戦うことによって、上には上がいるんだなあと身を以て体験してきてほしいと思った。
だから、市内二位だったとは言え(トップにはなれなかったとは言え)、県大会出場が決まったのはうれしかった。
だがしかし。
ヒカルは県大会に出られなくなってしまった。
右足の甲に違和感を感じたというので、昨日、整形外科でレントゲンを撮ってもらった。
骨膜炎。
疲労骨折の一歩手前なので、安静にしてください。
残念ですが、県大会も無理ですね。
ということになってしまいました。
これが、新人陸上大会の後半について、詳しく書く気力がなくなってしまった理由です。
本当にすみません。
━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━
最後まで読んでいただきありがとうございました。
そんなわけで、ヒカルが故障してしまいました。
痛みを訴えてからすぐ病院に行ったので、そんなに重症じゃないと思います。
フェイスブックやブログなどでお見舞いや激励メッセージをくださったみなさん、ありがとうございます。
10月は陸上の県大会はじめいろんな予定があったんですが、一旦棄権して安静にさせようと思います。
患部の、足の甲に衝撃を受けるランやジャンプ以外の運動は続けようと思います。
水泳とか体幹トレーニングくらいはできますかね。
10月25日にアンダージュニア東京都予選会があるので、そこに照準を絞るつもりでいます。
無事治して、いいコンディションで戦いたいです。
みなさんも一緒に祈ってください。
ちょっと駆け足になってしまいましたが、今回はこれで終わります。
ちなみに、書いてる途中であまりにも腹が減ってしまい、中抜けでラーメン屋さんへ行ってきました。
今日は、所沢市で一番のラーメン屋だと思っている、『桃李』に行きました。
https://twitter.com/touri_cyukasoba
もしチャンスがあったら行ってみてください。
おれは、今日は十月限定メニュー、エソ煮干しの塩ラーメンを食いました。
もちろん超うまかったです。
そんなわけで今は腹いっぱいでぐったりしているので、海馬は全然使われていません。
なので今からジムへ行き、運動をして、海馬を刺激してこようと思います。
昼めしの帰りに買い物したり雑用したりで、今は午後三時です。
一日はあっという間です。
この先一週間もあっという間だと思いますが、がんばっていきましょう!
メルマガの感想や質問などどしどしお待ちしてます。
それではまた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆ジャスミンライス流星群☆ =ヒカルチチのメルマガ=
バックナンバー:< http://ameblo.jp/tigerich/ >
発行人 篠原一三(日本体育協会 公認ジュニアスポーツ指導員 & ボクシングトレーナー)
〒207-0016 東京都東大和市仲原 4-5-1 ライオンズボクシングジム
E-MAIL noonsum@gmail.com
※社内・取引先・ご友人などへの転送はご自由にどうぞ。
ただし、無断転載は厳禁です。出所を必ず明記してください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ココナッツミルク流星群 =キッズボクサー篠原光のブログ=:< http://ameblo.jp/noonsum/ >
キッズボクサー☆篠原光☆応援サイト:< http://noonsum.com/hikaru/ >
ライオンズボクシングジム:< http://lionsboxing.nobody.jp >
篠原一三のFacebook:< https://www.facebook.com/noonsum >
篠原一三のtwitter:< https://twitter.com/noonsumcom >
篠原一三のinstagram:< http://instagram.com/noonsum >
篠原一三のYoutube:< https://www.youtube.com/noonsum6 >
------------------------------------------------------------------------
■登録・解除・変更は、ご自身でお願いいたします。こちらから出来ます。
独自配信 → http://noonsum.jimdo.com/メルマガ/
------------------------------------------------------------------------
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━