小雨が降ってる。
のんびりできていい。
あまり暑いと見えない敵と戦って気分になる。
寒すぎるのも身構えるだろ。
このくらいの温度がずっと続けばいい。
ちゅうくらいのときにはいつも刺激を求めたくなることもあった。
ちょろちょろしてる時代の話さ。
つまんないつまんない。
そんなふうにいっては街に出て小金を失くして帰ってくる。
雨が降ればそんなふうには思わない。
家の中で湿った洗濯物のにおいを感じて窓の外を見てる。
空中の水滴を数え、地面に落ちた一瞬の水の模様をとらえる。
コーヒー豆をひき、そのあとにやってくる静寂。
こまかい雨音を聞く。
レコードが終わったあとのようなざらついた響き。
薄紙の上で寝返りを打つようなみじめな響き。
まぶたをおろして目の神経を休める。
午前中はパソコンと書類を広げてぼうっとしてた。
たまに電話をしてりこうぶって喋った。
面倒くさくなったから、ああそうですか考えときますよと言って切った。
ぼうっとしててもなんとなく用事は終わる。
脳みそなんかいらない。
ずっと繰り返してきたことを繰り返す。
生きていければいい。
それだけを目指してたころもあった。
それを思えばしあわせなのかもしれない。
あと二時間で出かける準備。
濡れるのが憂鬱だなんて思わない。
しょうがないじゃん。
今は今だから。
濡れたどうしで誰かに会える。
今日はそんなのが刺激なんだ。
たぶんだけど。
