還暦オヤジのタイ音大留学日記

還暦オヤジのタイ音大留学日記

定年退職してから音楽学校に通いだし、タイの国立大学音楽学部に入学。バンコクで音楽ライフを楽しむ還暦オヤジの日記です
趣味はピアノ、サックス、曲作り、ゴルフ、クッキーを焼くこと。最近のマイブームはタイの果物でジャム作り

 

Father

 

家族一人ひとりの曲を作るのをライフワークとして取り組んでいます。その5曲目は父の曲です。

 

重厚で風格がありながら、とても優しく家族思いだった父。その生涯を音楽にしようと決めてから曲が出来上がるまでの一年間、ずっと父のことを考え続けていました。ひとつの区切りがついたような気がします。

 

昨年学内での作曲科の演奏会で初演してもらい、上手く行かなかったところを手直しして、改めて録音会をさせてもらったのがこちらの演奏です。

演奏してくれたのは学校で一緒に勉強している学生さん達で、タイ、マレーシア、ミャンマー、インドネシア、そして中国といろんな国から学びにきている若者たちです。

 

 

曲を作ったら試奏してくれて、完成したらこうして演奏もしてもらえる、こんな恵まれた環境はとてもありがたいです。

 

以下はYouTubeにも載せた父の生涯の物語です。よろしければ曲を聴きながらご覧ください。

 

 

父の生涯

 

父が77歳でこの世を去ってから16年。 戦前に生まれた父は、幼くして両親を亡くし、妹と共に戦争の時代を生き抜きました。ようやく工業高校を卒業し、地元企業に就職しますが、ほどなく最愛の妹も失ってしまいます。 その妹の縁で母と出会い結婚。子供もでき家族を持ちました。念願のマイホームを建て、僕のためにピアノを買ってくれ、ほとんど無一文のところから懸命に働いて温かな家庭を築いたのです。家族でドライブ行ったり、キャッチボールや将棋をしたり楽しい想い出がたくさんあります。幸い子宝にも恵まれ、沢山の孫に囲まれて毎年のお正月はとても賑やかでした。 65歳を過ぎた頃、父は脊髄小脳変性症という不治の難病を患います。晩年の10年間は徐々に身体能力が失われていくこの病気と向きあい、苦しい日々が続きました。僕の弟が交通事故で亡くなったのもこの頃です。言葉を発することもできず、ただ涙を流すだけだった父。それでも母が最期まで懸命に介護し、海の見える病院で波の音を聞きながら、父は静かに天国へと旅立ちました。 重厚で風格がありながら、とても優しく家族思いだった父。その生涯を音楽にしようと決めたのが一年前のことです。一年間、ずっと父のことを考え続けてきました。曲の中では、壮絶な運命を象徴する主題と、優しい父の主題とが交錯します。 タイの音楽大学の友人たちが、心を込めて演奏してくれました。本当にありがとう!